HSPの人が悲惨なニュースから自分の心を守るための方法とは?
2019年7月18日、日本に悲しみの渦を生んだ事件が起きました。
それは、京都アニメーションへの放火事件です。(下記は、事件の概要の一部です。)
7月18日、アニメ制作会社「京都アニメーション」(京アニ)で火災が発生しました。亡くなった方は34名。警察庁によると、放火事件の犠牲者数としては平成以降、最悪と報道されています。
報道によれば、さいたま市の男(41)がその場で身柄を確保され、20日逮捕状が出ました。男は40リットルの携行缶にガソリンを入れて持ち込み、床にまいて火をつけたとされています。
引用:Yahoo!ニュース「京都アニメーション放火殺人事件の犯罪心理学:Pray For Kyoani」(アクセス日:2019年7月21日)
ここでも分かるとおり、多数の方の被害を生んだこと、そして日本で昨今のアニメブームを生んだ京都アニメーション(京アニ)が被害を受けたこと…このことによって、日本だけではなく世界から悲しみの声があがっています。
そして、私もそのひとりです。
私は、アニメのファンになったのは、京都アニメーションが制作した『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメがきっかけであり、当時人間関係で苦労していた私の心の支えになりました。
そして、今でも京都アニメーションの作品から、力をもらっています。
そんな私が、このニュースを見たとき、仕事に手がつかないほど、心のショックが大きいものでした。
世の中では、この事件限らず、日々悲しい事件が起きています。
そして、感受性が強いHSPの人は、こういった悪いニュースを見て、心を痛めるときがあると思います。
だけど、一番ツラいのは被害者や関係者であり、胸を痛めたところで無力感や悔しさが募るばかりです。
だからこそ、”真の意味”で支援をするためには、自分の心を綺麗にして、自分ができることに努めることが大事だと考えています。
今回は、記事にしようか本当に迷いましたが、私にとって「書く」ことが自分にとって出来るコトだと思ったので、記事執筆した次第でございます。
今後も必ず、悪いニュースは起きます。
そこで、私が今回の事件のニュースから、立ち直るために実施した方法をお伝えしたいと思います。
この記事の目次
悪いニュースを見ると、どうして心に悪い影響を及ぼすのか?
(1)人はネガティブに引き込まれる性質がある
既にご存じの方も多いかもしれませんが、人間はポジティブな記憶よりも、ネガティブな記憶の方が残りやすいと言われます。
以前も本ブログで紹介しましたが、その理由は、人間に「Negativity bias(リンク先:Wikipedia)」という特性が備わっているからです。
そして、ネガティブなニュースに引き込まれると、人間の心に悪い影響を及ぼします。
詳しくは、Gigazineによる研究紹介記事で書かれていたことがありました。
ニュースが人のメンタルに影響を与えることはこれまでも知られてきましたが、新たな調査で、災害や事件のニュースでメンタルに悪影響を受けた人は、その後に別の悪いニュースが報道された時により長い時間をニュースに割くようになるという「悲惨のスパイラル」が生まれることが示されました。
(中略)
4165人の被験者を対象とした調査から明らかになったのは、災害や事件などの「集団的トラウマ」のニュースを見れば見るほど人は将来に対して不安を覚えるようになり、それがさらに「災害や悲劇のニュースを見る」という行動にかきたてるということ。
この研究を行ったのはカリフォルニア大学アーバイン校の心理学者であるRoxane Cohen Silverさんらの研究チーム。Silverさんは研究結果を受けて、「テロが起こった時やハリケーンのような災害があった時に、人々が不確かな将来を不安に思うのは自然なことです」と述べています。
この研究は2013年に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件から2016年に起こったオーランド銃乱射事件までの3年間にわたるニュースのネガティブな影響を調査したもので、被験者は2013年から2016年までの間に4回のタイミングでアンケートに回答しました。過去にも「ネガティブなニュース」と「メンタルヘルス」の関連性を調査した研究は存在しましたが、今回の研究はより長期的な影響に着目したのが新しい点です。
分析を行ったところ、研究者は「ボストンマラソン爆弾テロ事件の後にニュースをよく見たこと」と「その6カ月後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)になること」の間に関連性を発見。そして、ボストンの事件でPTSDになった人は銃乱射事件の後にニュースを見る時間がより長くなることが判明しました。
「24時間常に流れ続け、モバイル技術によってどんどん増加していく事件の報道は、画像やビデオ、センセーショナルな物語とともに繰り返されることで、直接事件に関わる人以上の人々にインパクトを与えていきます」「集団的トラウマのニュースに繰り返しさらされることは、事件を直に経験しなかった人にもフラッシュバックのような症状を与え、長期にわたって悪影響を及ぼします」と研究を行ったRebecca Thompson氏は述べています。
引用:Gigazine「悪いニュースは精神を害しさらに悪いニュースを見るようになる「悲惨のスパイラル」を生み出す」(アクセス日:2019年7月21日)
悪いニュースが、視聴者にとって心に悪い影響を与えるということが、この研究でよく分かると思います。
そして、この記事内では、メディア側はセンセーショナルな悪いニュースを報道しすぎるのはやめた方が良いということが書かれています。
とはいえ、会社として視聴数を高めなければならないミッションも持つ各メディアとしては、悪いニュースを報道しないわけにはいきません。
ただ、悪いニュースの報道は、視聴者にとって、事実を歪曲することにつながることもあります。
昨今、ベストセラーになった著書『FACTFULNESS』でも、メディアに振り回されることの危険性が繰り返し伝えられていました。
メディアや活動家は、あなたに気づいてもらうために、ドラマチックな話を伝えようとする。そして、悪いニュースのほうが、良いニュースや普通のニュースよりもドラマチックになりがちだ。また、なんらかの数字が長期的には伸びていても、短期的に落ち込むことがあった場合、それを利用して「危機が迫っている」という筋書きを立てるのはたやすい。
(中略)
良い変化のほうが悪い変化より多かったとしても、良い変化はあなたの耳には入ってこない。あなたが探すしかない。
引用:ハンス・ロスリング他(2019)『FACTFUNLESS』日経BP社
メディアの立場からすると、悪いニュースを報道した方が視聴者の目を引けるので、良いニュースよりも悪いニュースを報道する力が働き、良いニュースについては視聴者から見逃されやすいというわけです。
ただ、メディアの立場もあまり批判できない…という風にも、私は思います。
それは、ニュースを作る記者も、ひとりの人間であり労働者であり、「事実を伝えたい」という使命を持って働いている方も多いと思うからです。
だからこそ、自分自身で悪いニュースから心を守る工夫が必要だと私は思うわけです。
(2)悪いニュースにとらわれずに冷静になろう
人間は、悪いニュースに引き込まれやすく、心に悪い影響を与えると言うことがわかりました。
そして、特に感受性の強いHSPの人にとっては、悪いニュースが与える心へのショックが大きいのではないかと思います。
ただ、Twitterなどを見ていて思ったのは、「悲しみ」という感情が「憎悪」という感情に変わってしまうことも多いと思いました。
怒りのやり場がなく、憎悪が溜まった結果、不謹慎発言を指摘するようなコメントを見て、私は少し悲しくなりました。
「憎悪」は、誰にとっても良い結果をもたらさない感情であり、私は何よりもまず、悪いニュースにとらわれず自分の心を浄化することが大事だと思います。
そして、冷静になり、自分に出来るコトを考えることが、「本当の支援」なのではないかと考えています。
より良い人生を生きるための思考法をまとめた、ベストセラーになった著書『Think Clearly』でも、このように書かれています。
世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう
(中略)
「世界をより良いものにする」という目標を掲げる世界経済フォーラムのような組織でさえ、これまでのところその役目を果たせているとはとても言えない。富裕層や権力層との太いパイプを有する世界経済フォーラムですら、客観的に見れば創設以来、何ひとつ達成できていないのだ。
だからあなたも、自分の力を過信しない方がいい。言ってしまえば、あなた一人の力で難題の解決などできるものではない。
(中略)
災いは、時も場所も選ばない。この世からなくなることもない。
(中略)
世界で起きていることは、あなたの責任ではない。
(中略)
きちんと生産性のある生活をしていれば、あなたは人でなしということにはならない。世界をよくするために、あなたもあなたなりの方法で貢献しているのだから。
(中略)
各地で起きていることすべてに心を痛め、そのたびにああすればよかった、こうれすばよかったと考えていたら、罪悪感であなたのほうがまいってしまう。あなたが精神的な苦痛を覚えても、現実に起きていることは何も変化しないのに。
引用:ロルフ・ドベリ(2019)『Think Clearly』サンマーク出版
自分の心を正常に保つためには、世の中の悪いニュースにとらわれすぎない方が良いということがここでも分かると思います。
ただ、世の中のIT化が進み、四六時中情報を取り囲む私たちの世界においては、情報を完全にシャットダウンすると言うことは不可能に近いとも思っています。
だからこそ、悪いニュースを見た後に、どのように心を綺麗にするのか…ということが、何よりも大切だと思っています。
そこで、私が心のショックから立ち直るために実施した方法を、お伝えしたいと思います。
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HSPの人が悪いニュースから自分の心を守るための方法とは?
(1)日々の良い習慣を崩さないこと
スポーツや楽器などの趣味、読書や勉強など、自分の生活に彩りをもたらすために、生活の中に良い習慣を取り入れている人も多いのではないかと思います。
先述のとおり、四六時中情報に囲まれている私たちにとっては、悪いニュースを見ることから避けることは難しいですし、ショックを受けることは当たり前だと思います。
ただ、その状態から心を綺麗にし、立ち直るためには、生活を普段どおり、良いリズムに保つことが大事だと思っています。
良いリズムに保つことにあたって大事なことは、良い習慣を続けることになります。
だから、心がしんどいときこそ、良い習慣を続けるというのはとても大事なことなのです。
そして、私が特に悪いニュースから心を守るためにやったこと…それは、マインドフルネス瞑想でした。
京アニの放火事件については、心へのダメージがかなり大きかったこともあり、1時間以上マインドフルネス瞑想を続けていました。
各所で科学的に効果があると言われるマインドフルネス瞑想ですが、今回の件を踏まえて、改めて自分の心に冷静さを取り戻す(ストレス軽減する)にあたって、マインドフルネス瞑想は本当に効果があると思いました。
そして、マインドフルネス瞑想は、手軽ですぐにその場で、実践することができます。
マインドフルネス瞑想のやり方を含め、生活の中のストレスを軽減するための良い習慣を以前に記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。
【誰でも続けられる!】HSPの人が日々の疲れを半減させるための7つの習慣とは?
(2)とにかく良い未来を祈ること
「祈る」というと、少し抵抗感がある人も多いと思います。
それは、宗教的なイメージが思い浮かぶと思うからです。
私自身も無宗教であり、宗教的考えは少し抵抗感があるものの、「祈る」ということ自体は、科学的に心に良い効果をもたらすと言われています。
とあるブログでは、次のとおり説明がなされています。
祈りと精神的健康の関係に関して300以上の心理学、神経科学、医学的研究データをレビューした研究結果によると、祈りは私たち人間に多くのポジティブな影響を与えることが分かっています。
例えば、326個中256個の研究、つまり79%の研究で、神への祈りが私たちの精神的健康あるいは幸福感を高めることが報告されています。
意外に感じられるかもしれませんが、祈りをささげる事で精神的健康や幸福感が低下することを報告している研究は1%未満だということも発見されています。
引用:日常を心理学する「神への祈りがあなたを救う?」(アクセス日:2019年7月21日)
さて、先ほどは、「悲しみ」という感情が「憎悪」の感情に変わってしまうと、良い結果をもたらさないということでお伝えしてきました。
なので、私は「悲しみ」の感情を受けたときこそ、とにかく良い未来を祈り、自分の心を正常に保つことが大事なのではないかと思うのです。
そして、自分の心を正常に保つことができれば、本当に自分がすべきこと(人のためになること)が見えてくるのではないかと考えます。
今回の京アニ放火事件では、世界中から、#PrayForKyoaniというハッシュタグのもと、応援・支援の声が寄せられています。
まさに、このハッシュタグの”Pray”は「祈る」という意味です。
この活動の一環で、秋葉原の駅ビル「アトレ」で、メッセージボードで寄せ書きを募っています。
#PrayForKyoani アトレ秋葉原では「京都アニメーション」へ想いを届けたいと思っております。2階ハンズ・ビー前にメッセージボードを設置致しましたので、皆さまのご参加お待ちしております。 pic.twitter.com/bmeCp0pkpH
— アトレ秋葉原公式 (@atre_akiba) July 19, 2019
また、全国のアニメイトで募金活動を募っており、海外でも募金活動で既に多数の支援が寄せられているようです。
どんな形であれ、私は「祈る」ということが、自分の心を落ち着かせ、そして何よりも、今回の事件で被害を受けられた方々への支援になるのではないかと私は思います。
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まとめ
●悪いニュースを見ると、どうして心に悪い影響を及ぼすのか?
●HSPの人が悪いニュースから自分の心を守るための方法とは?
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おわりに
まずは、京都アニメーションの放火事件の被害者・関係者の皆さまにおかれましては、お悔やみを申し上げます。
今回は、私なりに「いま自分ができること」として、今後こういう事件がおきないように、また事件に対する良い支援がおこなわれることを信じて、記事を書いてまいりました。
残念なことに、本件に関しては多数の方がネット上で記事を書かれていますが、「憎悪」を増長している記事も多く散見します。
ただ、記事の中でも執筆したとおり、「憎悪」はだれにとっても良い結果をもたらさないので、影響力がないブログではありますが、良い方向に社会を導く一助となればと思い、記事執筆をしてまいりました。
また、感受性が強いHSPの人にとっても、心に大きいショックを感じた人も多いのではないかと思い、ぜひこの記事を参考にしていただければと思っています。
私自身も、今後自分が出来るコトとして、より一層人の心に向き合っていけるよう、一段と務めてまいります。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
また次回も、よろしくお願いいたします。
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