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HSPの人が心の悩みで精神科・心療内科に行くべきタイミングは?

私(ぽん乃助)
今回は、HSPの人が心の悩みを抱えたときの精神科・心療内科に行くべきタイミングについて、お伝えします。

 

 HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(HSPの詳しい解説は、こちらからご覧ください。)

 そして、私もHSPのひとりです。

 さて、前回の記事では、HSPの人が精神疾患に陥りやすいのではないかという考察をしたうえで、予防や回復のヒントを書きました。

 詳しくは、以下のリンクからご覧ください。

 

 

 最近、Twitterなどでは、「私はうつ病かもしれないと感じるのですが、どのタイミングで病院に行けば良いのでしょうか?」という質問が、HSPの方から寄せられるようになりました。

 心の病気に関しては、病院で言うと精神科・心療内科が専門となりますが、初めて行く人にとってはハードルが高く、行くべき”タイミング”というのは見計らうのが難しいのではないかと思います。

 そこで今回は、私のうつ病の経験を踏まえながら、心の悩みを抱えている方が病院に行くべきタイミングについて、考えていければと思います。

 ぜひ、最後までご覧ください。

 

私がうつ病になったとき、病院に行くのが遅すぎた

 私は以前、会社の人間関係が原因でうつ病になったことがあります。

 私自身、心療内科の通院経験がありますが、今思うと、はじめに行くタイミングが遅かったなと思っています。

 以前の記憶になので、自分が覚えている範囲にはなりますが、ここからは、自分がうつ病になった経緯について、綴っていきたいと思います。

 そして、皆さんは「どのタイミングで病院(精神科・心療内科)に行くべきだったのか?」という観点から、ご覧いただければと思います。

 社会人1年目…それは、新しい環境に、不安と期待に溢れる瞬間でもあります。

 私自身も、社会人生活に不安と期待を、感じていました。

 ただ、私自身、極度な不安症だったため、入社式前日の夜は眠れなかったのですが…。

 今思えば、この不安症というのが、私がうつ病になった原因のひとつだとも思っています。

 『何事も、真面目にしっかりと取組まなければいけない。』

 『周囲と穏やかに、温和にやっていかなければいけない。』

 そういった強い気持ちが、心の底にはありました。

 恐らく、HSPの繊細で敏感な気質にも通ずるところがあるのではないかと思います。

 ただ、この気持ちは、仕事をしていくうちに打ち砕かれていくことになります。

 例えば、仕事の資料作り。

 社会人1年目だと、どうしても考えることが多くなってしまって資料作りに時間がかかってしまいます。

 そして、上司に資料を確認してもらったときには、「作るのが遅い上に、こんなレベルが低い資料なのか!」といわれ、原型を留めないほど赤字で直されていました。

 また、仕事での打合せの際。

 打合せの最後に、自分の宿題を確認するため、「私はこれをやればいいということですね?」と聞いてみました。

 その場は教えてくれたものの、後から先輩から「何であんなレベルが低いことを確認するの?」と指摘されました。

 これまで、本当に真面目に生きてきた人間だったので、こういった指摘を受けることがなく、どんどん自信を失っていきました。

 気づけば、『明日会社に行きたくない。』という気持ちで頭がいっぱいになり、夜は眠れなくなりました。

 また、朝になると、下痢が止まらなくなっていました。

 人間は、チームの中で『この人はできない』というレッテルが貼られると、一挙手一投足に指摘が入るようになります。

 正しいことをしていたとしても、誰も『良いことをしている』と思わなくなります。

 むしろ、ダメなところばかりを見られるようになります。

 でも、社会人1年目の私は、この状態が”詰み”だということを知らず、真っ正面で戦うことしか考えられません。

 ただ、会社での出来事は、日に日にパワーアップしていきます。

 自分の仕事に関して、毎日個室で1時間以上詰められる。

 毎週、自己啓発系の本を渡され、宿題として課せられる。(感想を伝えたところで、何を言っても叱られる。)

 「あの人はできない新人だ」と、違う部門の人からも噂されるようになる。

 このとき、私の思考や感情は完全に崩れていました。日々、『自分には生きている価値がない』と考えるになりました。

 思うように、言葉を発することができない。

 思うように、歩くことができない。

 思うように、笑うことができない。

 気づけば、誰かと話す途中で涙を流してしまうときや、自分のデスクで泣いていることもありました。

 でも、誰も助けてくれません。

 私は、帰宅する途中に、何度も線路に飛び込もうとしたことがありました。線路が輝いて見えたのです。

 どのように家に帰ってきたのか、覚えてないときもありました。

 アルコールを飲んで、外に寝ていたこともありました。

 ただ、私には”逃げる”という選択肢がありませんでした。

 というのも、私にはこんな思考が頭に巡っていたからです。

 『全部、自分が悪いんだ。』

 『私が逃げて、他の人に迷惑をかけてはいけない。』

 『入社3年以内に、逃げてしまうとその後のキャリアに悪い影響が出る。』

 だからこそ、私はこんな状況の中、ずっと会社に通い続けていたわけです。

 ただ、そんなあるとき、大学の同僚と話をしていると、次のことを言ってくれました。

 「お前、明らかに調子がおかしいぞ。病院(精神科・心療内科)に行った方がいいぞ。」

 実は、それまでも、電車の中で見知らぬ人から、心配の声をかけてくれる人もいました。

 『自分は精神的におかしい』という自覚はあったものの、『うつ病は甘えだ』という考えが自分の頭にはあったため、自ら病院に行くことはありませんでした。

 また、病院の精神科や心療内科というところが、どういうところか想像もつかなかったため、行くまでのハードルが高かったと言うこともありました。

 ただ、友だちから勧められ、そこで初めて病院に行ったというのが、私の経験になります。

 そこで、「うつ病」と診断されるわけですが、今思えば、当時の私は本当に他人に頼るのが下手だったな…と思っています。

 

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HSPの人が心の悩みで精神科・心療内科に行くべきタイミングとは?

 恐らく、私の経験を見た人の多くが、「病院に行くのが遅すぎる!」と思うのではないでしょうか?

 でも、実際に精神科・心療内科に行ったことがある人には、この気持ちが分かってくれる人も多いのではないでしょうか。

 そう、精神科・心療内科って、行くまでのハードルが本当に高いんですよね。

 でも、行ってみたら、普通の病院とはあまり変わらず、待合室の様子も、私の想像とは遙かかけ離れて「普通」だったというのが、正直な感想です。

 だから、精神科・心療内科に行くにあたって、特別に気負う必要はないのです。

 とはいえ、「自分の心の悩みが、病院に行くレベルなのか?」という迷いがあって、なかなか病院に行けない人も多いのではないかと思います。

 あくまで私の主観ですが、「心の悩みで生活に支障をきたしている」というのが、病院に行くラインだと考えています。

 私の経験に照らし合わせると、「不眠」や「下痢」が常態化している時点で、病院に行くべきタイミングだったと、私は考えています。

 ちなみに、ベストセラーとなった著書『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』には、うつ病の危険サインとして次のとおり記されています。

【5つのうつ症状のうち3つ以上当てはまっていたら危険です!】

☑ 眠れない
 ベッドに入って1時間たっても眠れない状態が1週間以上続く。

☑ 食欲がわかない
 好きな料理を目の前にしても食べたいと思わない、また何を食べてもおいしくないと感じる。

☑ 仕事に行きたくない
 会社に行く日の朝が憂鬱で仕方なかったり、吐き気のような症状が出たりする。

☑ 好きなことや趣味が楽しく思えない
 今まで好きでたまらなかったことが、面倒に思ったり、楽しくなくなったりしてきた。

☑ 死について考えることが増えてきた
 インターネットで死について検索したり、電車のホームを見たら飛び込みたくなったりしてきた。

参考:汐街コナ(2017)『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』あさ出版

 上記はうつ病の場合の事例であり、上記に限らず、繰り返しとなりますが、「生活に支障をきたしているのか?」というのが、病院に行くサインなのではないかと私は思います。

 

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精神疾患は病院に通院してからの付き合い方も大事!

 精神疾患は、病院に行けばすぐに治るかというと、そうではありません。

 精神科・心療内科は、間違った自己対処をしないための治療に向けた指針を示してくれる場所だと認識しています。

 その意味も踏まえ、私の病院の経験も踏まえ、以下の2つのことが大事だと私は考えています。

①医者には、自分の「しんどい」ことを本音で伝える(自分のことをよく見せようと、嘘をつかないこと)

②医者の指示は守る(疑念があったら質問をしたり、セカンドオピニオンを検討すること)

 私もそうだったのですが、恐らく心の悩みを抱えている人の多くは、どうしても他人に頼るのが苦手な人が多いのではないでしょうか。

 だから、医者を前にしても、自分のことをよく見せようとしてしまうことがあります。私もそうでした。

 だけど、医者にはきちんと自分の「しんどい」ことを伝えないと、間違った診断や診療の指針を受けることがあります。

 だからこそ、医者にかかるときは、自分のことをよく見せようとせずに、本音で伝えていくことが大事です。

 それから、医者の指示は必ず守ることです。

 私自身、当時は人間不信に陥っていたこともあり、担当の精神科医も事務的な印象だと感じたため、信頼がおけませんでした。

 その結果、薬を勝手にやめたり、挙げ句の果てに、自己判断で病院に行かなくなったりしていました。

 これは、自死につながるため、絶対にNGです。

 もし、医者の指示に信頼がおけないのであれば、その場で質問したり、他の医者に行ってセカンドオピニオンを受けたりしましょう。

 このように、病院に行ったら終わりではなく、病院に通院してからの精神疾患との付き合い方が本当に大事です。

 著書『アウトプット大全』の著者でも有名な精神科医の樺沢紫苑さんのYouTubeの動画では、「うつ病と戦おうとするのではなく、受け入れる。そして、これからできることを考えることが大事。」と述べられています。

 精神疾患は、うつ病をはじめ、一度寛解したと思っても、再発する病気も多くあります。

 そのため、うつ病を経験した私自身も、「精神疾患は治そうとせずに、付き合い方を覚えていくこと」が大事なのではないかと、考えています。

 先日、Twitterで次のように私がツイートしたのも、この考え方によるものです。

 また、当時の私は、心理カウンセリングによって救われた部分もあります。

 もし、心の悩みを抱えている方は、カウンセリングを活用するのも一つの手だと思います。

 以前に、私のカウンセリングの経験を記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。

 

 

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他者の精神疾患に気づくためには?

 私が自分の心の異常性に気づき、病院に行ったのは友だちから通院を勧められたことにあります。

 そんな経験も踏まえて、もし自分の周りに心配な方がいらっしゃったら、ぜひお声がけいただきたく、私としては考えています。

 ただ、他者の心の異常性に気づくというのは、難しいことでもあります。

 少し本題と離れますが、最後に、他者の心の異常性に気づくためのヒントをお伝えしたいと思います。

 精神疾患には、うつ病に限らず、色々な病気があります。

 そのため、精神疾患を一括りで説明するのは難しいですが、著書では精神疾患に通ずることとして、次のとおり記されています。

物事の優先順位が、常識や良識から逸脱するとき。

これが、精神を病むことの意味だと思っている。キーワードは「優先順位」である。

(中略)

うつ病の場合を考えてみよう。

彼は気分が沈んだり、億劫感が強かったり、不眠で苦しんだり、取り越し苦労に悩まされる。そのことはお気の毒としか言いようがない。ただしここで周囲から見て問題となるのは、たとえば自殺することが最優先事項となってしまったりしかねないことである。さもなければ、自己を卑下し、責めるあまりに、こんな調子では同僚に迷惑がかかるからと辞表を出してしまいかねないことである。正常な状態であったら、死を選ぶとか会社をやめるといった事柄は、優先順位のうちでは最下位に属することに違いないにもかかわらず。

おおむね、精神を病むと判断力が狂う。現実検討能力が失われがちとなる。自分ではきわめて論理的に考えているつもりでも、他人からすればバランスを欠いた思考しかできなくなる。その挙げ句、優先順位がおかしくなる

引用:春日武彦(2004)『援助者必携 はじめての精神科』医学書院

 そう、ここに記されているとおり、「優先順位がおかしくなっていないか?」というのが、他者の心の異常性に気づくための視点なのではないかと思います。

 この視点を持つことで、周囲の方の心の悩みに気づき、そして、悩んでいる人が救われるきっかけとなるかもしれません。

 HSPや発達障害に関しては、その理解が広がり、ブログやTwitterで発信される方やカウンセリングなどを通じて支援される方が増えています。

 そういった方々にも、とても参考になる視点なのではないかと思います。

 また、このほかにも著書を参考に、発信者や支援者が参考になる情報を記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。

 

 

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まとめ

●HSPの人が心の悩みで精神科・心療内科に行くべきタイミングとは?

・「自分の心の悩みが、病院(精神科・心療内科)に行くレベルなのか?」という迷いがあって、なかなか病院に行けない人も多い。心の悩みで病院に行くべきタイミングは、「生活に支障をきたしているのかどうか?」という点がポイントだと考えられる。例えば、生活への支障の一例としては、不眠や下痢が常態化する等といったことが挙げられる。

・また、精神科・心療内科は、他の病院の科と比べて診察や待合室の環境に大きな差がなく、精神科・心療内科に行くにあたって、特別に気負う必要はない

 

●精神疾患は病院に通院してからの付き合い方も大事!

・精神疾患は、病院に行けばすぐに治るかというと、そうではない。あくまで、精神科・心療内科は、間違った自己対処をしないための治療に向けた指針を示してくれる場所である。

・医者の診察にあたっては、「①医者には、自分の「しんどい」ことを本音で伝える(自分のことをよく見せようと、嘘をつかないこと)」「②医者の指示は守る(疑念があったら質問をしたり、セカンドオピニオンを検討すること)」が大事である。

・病院に行ったら終わりではなく、病院に通院してからの精神疾患との付き合い方が大事である。精神疾患は一度寛解しても再発するケースが多いことから、こういう観点からも、「精神疾患を治そうとせずに、付き合い方を覚えていくこと」が重要だと考えられる。

 

●他者の精神疾患に気づくためには?

・心の異常性は自分自身で気づけないこともあり、周囲の人が気づいて、声がけすることも大事である。

・他者の心の異常性に気づくためには、その人にとっての「優先順位がおかしくなっていないか?」といった視点を持つことが大事である。

 

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おわりに

 さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。

 今回は、私の実体験に基づく反省も踏まえながら、自分の心の悩みとの向き合い方の一つとして、精神科・心療内科に行くべきタイミングを考えてきました。

 記事内にも書きましたが、病院に行ってすぐに精神疾患は治るものではありません。

 でも、病院に行くことで、間違った自己対処をしないための治療に向けた指針を示してくれます。

 例えば、心の悩みを自己対処しようとした結果、アルコール依存症や自傷行為に走ってしまうケースも多くあるようです。

 また、最悪の結果としては、自死を招く結果にもつながりかねます。

 恐らく、心の悩みを抱えている人の多くは、他の人を頼るのが苦手な人が多いと思います。

 そのため、自分一人で抱え込んでしまい、病院に行くのをためらってしまう人も多いのではないかと思います。

 私自身もそういった考えを持っていたことにより、病院に行くのが遅くなってしまった経緯にもつながっています。

 だからこそ、今回はそんな私の失敗経験を踏まえ、心の悩みを抱えるHSPの方々に向けて、記事を書いてきました。

 それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。

 もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。

 それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!

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プロフィール

 

名前:ぽん乃助

 

社会の荒波に揉まれ、猫の皮を被ることになった繊細な人間。世の人間たちの間では、繊細な気質のことをHSPと謳って色んな情報が溢れる中、猫の穿った目線で処世術のヒントっぽいことを呟く。猫パンチのない、穏やかな世界が好き。箱の中で生死を待つのではなく、箱の外に出ることを選択するシュレーディンガーの猫になりたい。

 

 

 

 

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