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HSP働き方戦略室|明日から使える処方箋をあなたに。

【自己診断付】親の期待に縛られた人が生きづらさを脱する2つの方法

私(ぽん乃助)
子どもの時に親の期待に縛られすぎていたあなたが、生きづらさを脱する方法をお伝えします!

 

 本ブログでは、心が繊細なHSPの方をはじめ、“生きづらさ”を感じる当事者やその支援者に向けて、心理学などの記事を綴っています。

 さて、最近、「毒親」という言葉を聞きますが、この言葉が流行ったのは、親の影響で“生きづらさ”を感じている人が多いからだと思います。

 多分、今この瞬間で親からの過度な期待で悩んでいる方も多いと思いますが、子どものときに親から受けた影響で大人になってから弊害が生まれている人も多いと思います。

 それほどまでに、自分の人生において、親からの影響というのは非常に大きいものなのです。

 私は、社会人になってからうつ病になってしまったこともありますが、これは子どもの時に親から過度な期待を寄せられていたことが一つの原因だったと思っています。

 それでは、親の期待に縛られ続けてきたら、“生きづらさ”から脱することはできないのでしょうか?

 結論から言います。

 脱することができます。ただし、自分自身で決断する必要があります。

 今回は、著書『ストレスマネジメント-実践的セルフケア』を参考に、親の期待に縛られ続けてきたあなたが、“生きづらさ”を脱する方法をお伝えしていきます。

 ぜひ、最後まで、ご覧ください。




 

親の期待に縛られ続けると、なぜ大人になってから“生きづらさ”を感じるのか?

 親からすると、子どもには人生がうまくいってほしいと願う人が多いと思います。

 そして、自分の今までの経験で成功してきたこと・失敗してきたことを振り返り、「もっと自分がこうしておけばよかった」ということを念頭に、子どもを育てる人も多いと思います。

 だけど、無意識的に子供に寄せる思いが、子どもにとっては過度な期待としてプレッシャーとなることがあります。

 このように、親が発するメッセージと子どもが受け取るメッセージには、齟齬が起きることが多々あります。

 著書には次のとおり、書かれています。

ドライバーは、幼少期に受け取った、親からの教育目的で発せられたメッセージが元になっています。「人には親切にしなさい」「自分の力で頑張りなさい」「急いで!」「お兄ちゃんは(お姉ちゃんは)泣かないで(我慢しなさい)」「最後まできちんとやりなさい」など、メッセージそのものは、教育的で一般的なものです。ところが、ドライバーは未熟な子ども時代に受け取っているため、大人の判断がうまくできないままメッセージに従って成長し、私たちの内に根付いていくことになります。

(中略)

ドライバーは、「もし誰かを喜ばせることができたらよいのに」「もし一生懸命取り組んだら認められるのに」「もし誰よりも早くできたら満足なのに」「もし相手に弱みを見せなければ尊敬されるのに」「もし完全にできれば認められるのに」など、強い誘惑をもって、数秒から数分の短時間で私たちを駆り立てます。その理由は、「もし~したら(他人(親)を喜ばせたら、一生懸命やれば、急げば、強くあれば、完全であれば)OKだけど、そうでなければお前はOKでないよ」という、条件付きのOKのメッセージが隠れているからです。また、ドライバーが発動された当初は、一時的に爽快感などのポジティブな感情を伴うことがあるかもしれません。しかし、いくら求めても、「他人(親)を喜ばせ続けられない」「いくら努力しても満足できない」「いくら速くこなしても満足できない」「強い自分を装い続けられない」「完全ではあり続けられない」ことから、最終的に破綻をきたしやすいのです。

ドライバーは、大人になってからもさまざまな局面で無意識的に想起され、私たちを駆り立てます。

引用(一部改変):山本晴義(監修)・押川聖子(著者)(2019)『ストレスマネジメント-実践的セルフケア』新興医学出版社

 さて、ここで説明されている「ドライバー」とは、アメリカの臨床心理学者であるデイビー・ケイラー氏が発見し、1970年代初頭に発表した心理学的な用語となります。

 そして、「ドライバー」の意味は、端的に言うと、自分の行動や心を駆り立てるものです。

 著書の内容を踏まえて考えてみると、自分の行動や考え方の特性は「ドライバー」が影響しており、そして、「ドライバー」の形成にあたっては親からの教えが大きく関わっているということが言えます。

 そして、この「ドライバー」は大人になっても、自分の中で生き残り続けるわけです。

 さらに、著書では次のとおり、書かれています。

ドライバーの中には、ストレスを感じていない状況では、ポジティブで健康的な心理状態を保ちやすいものもあります。「一生懸命やれ」には、目標を掲げ自己決定した負荷としての出来事に前向きに対処しようとする傾向があり、弱いながらストレス耐性を養成することが認められています。しかし、多くはストレスが高まると心理状態が悪化することがわかっています

引用:山本晴義(監修)・押川聖子(著者)(2019)『ストレスマネジメント-実践的セルフケア』新興医学出版社

 そう、つまり、親から受けた影響による“生きづらさ”の原因のひとつは、子どものときに形成された「ドライバー」だと言えるのではないでしょうか。

 そう考えてみると、「毒親」による“生きづらさ”の多くは、「毒親」によって形成された自分の内面に“生きづらさ”の原因が隠されていると、言い換えることができるかもしれません。

 それではこれから、親の期待に縛られ続けたあなたが“生きづらさ”を脱する方法について、お伝えしていきます。

 

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親の期待に縛られ続けたあなたが、“生きづらさ”を脱する2つの方法とは?

(1)【自己診断付】ドライバーが発動されたら、逆のメッセージを自分に語りかける

 先ほど説明した「ドライバー」は、次のとおり、大きく5種類に分かれます。

【5つのドライバー】

①他人(親)を喜ばせよ

②一生懸命やれ

③急げ

④強くあれ

⑤完全であれ

参考:山本晴義(監修)・押川聖子(著者)(2019)『ストレスマネジメント-実践的セルフケア』新興医学出版社

 人によって、このドライバーの傾向は、異なります。

 この傾向を測ることのチェックシートを以下に掲載しますので、ぜひ、試してみてください。(メモとペンをご用意ください。)

【ドライバーズチェック】

・以下の(1)~(48)の項目について、あなた自身が最もあてはまる点数をつけてください。

・あまり考えずに、直感で答えてください。3:どちらともいえないばかり選んでしまうと、変化の乏しいものになってしまうので、できるだけつけないほうがよいでしょう。

1:まったくあてはまらない、2:どちらかというとあてはまらない、3:あてはまらない、4:どちらかというとあてはまる、5:非常にあてはまる

(1)相手の態度や表情を、気をつけて見るようにしている

(2)相手の言動にはたえず注意を払っている

(3)相手のちょっとした気分の変化でも敏感に感じてしまう

(4)私は、贈り物をした相手が喜ぶ様子を見るのが、好きだ

(5)困っている人を見ると、何かしてあげたいと思う

(6)自分がまわりの人にどう思われているのかが、気になってしまう

(7)まわりの人から、あの人はいい人だと思われたい

(8)他人の評価はあまり気にならない

(9)迷っているときは、他の人に「これいいですか」と確かめてから決断したい

(10)自分の話題が相手を楽しましているのかが気になる

 

(11)私は、誰かに言われたとおりにするよりも、失敗してもいいから自分の思うようにやりたい

(12)自分の人生は、自分自身で決定したい

(13)自分自身で決断したほうが、よい結果を生むと思う

(14)自分はそのままで、存在価値がある

(15)私は、決して他の人にはとって代わることのできない存在であると思う

(16)努力すれば、たいていの場合、自分の力で乗り越えられる

(17)幸福になるか不幸になるかは、自分の努力次第である

(18)高い目標を持つほうが、自分のためになると思う

(19)ものごとは、一生懸命やればなんとかなるものだ

(20)いつも何か目標を持っていたい

 

(21)どうしても私は、他の人よりすぐれていたいと思う

(22)ほかの人に先を越されると、ひどくがっかりする

(23)勉強や仕事の努力をするのは、他の人に負けないためだ

(24)他人に、自分の弱みを指摘されると、とても腹が立つ

(25)結果や内容はともあれ、他の人より先にできることが大切だ

(26)相手が話をしている最中でも、ついさえぎるように話してしまう

(27)自分の話し方は、はや口だと思う

(28)仕事は早いが、雑になったり、うっかりミスをしたりしてしまう

(29)貧乏ゆすり、指で机をたたくなど、何もしないでじっとしていられない

(30)あれこれ一度に手をつけてしまい、お手上げになって困ることがある

 

(31)相手が自分をだますのではないかと、疑ってしまう

(32)気をつけていないと、まわりの人は私の弱みにつけこもうとするだろう

(33)自分で自分をしっかり守っていないと、壊れてしまいそうな気がする

(34)人は自分のためなら、簡単に相手を裏切ることができるだろう

(35)気軽に頼ったり、頼られたりすることができる

(36)知らない相手でも、すぐに親しくなるほうだ

(37)たいていの人は、わたしのことを好いてくれていると思う

(38)友人関係を維持するのは、苦にならない

(39)本音や感情を語ることは、気がすすまない

(40)ありのままにふるまうことに抵抗を感じる

 

(41)何かを決めるとき、時間をかけて慎重に考えるほうだ

(42)用心深いほうだ

(43)どんなことでも完璧にやりとげることが、私のモットーである

(44)何でもよく考えてみないと、気がすまないほうだ

(45)きちんと計画どおりに進まないと気に入らない

(46)一度確認したことでも、念のためもう一度確認せずにはいられない

(47)何をしても、これで十分だろうかという不安があり、もう少し念のために何かやっておこうかと思うことが多い

(48)テストなどは、制限時間ぎりぎりまでがんばりとおす

(1)~(10)の合計点:あなたの「他人を喜ばせよ」の傾向

(11)~(20)の合計点:あなたの「一生懸命やれ」の傾向

(21)~(30)の合計点:あなたの「急げ」の傾向

(31)~(40)の合計点:あなたの「強くあれ」の傾向

(41)~(48)の合計点×1.25:あなたの「完全であれ」の傾向

赤字の項目(8)(35)(36)(37)(38)は逆転項目なので、1→5に、2→4に読み替えて計算してください

引用(一部改変):山本晴義(監修)・押川聖子(著者)(2019)『ストレスマネジメント-実践的セルフケア』新興医学出版社

 ちなみに、私の場合は上記チェックシートに基づくと、「他人(親)を喜ばせよ」といった意識が、他の要素に比べて、非常に強い傾向にありました。

 そして、この5つのドライバーは、ストレスがかかっている状態だと、心理状態が悪化すると述べました。

 それでは、どうすればよいのでしょうか?

 それは、自分のドライバーが発動されたことに気づいたら、逆のメッセージ(解放されるためのメッセージ)を自分に語り掛ければいいのです。

 具体的には、次のとおりです。

5つのドライバー解放されるためのメッセージ
「他人を喜ばせよ」自分を喜ばせていい
「一生懸命やれ」それをしさえすればいい
「急げ」十分時間を取っていい
「強くあれ」オープンであり自分の欲求を表現していい
「完全であれ」今のままで十分いい

 そう、私の場合は、ついつい仕事の場面では、相手に気を遣い過ぎようとしてしまいます。

 こんな感じで、「他人を喜ばせよ」というドライバーが発動して、自分を追い詰めようとしてしまうことがあるので、そういう時は自分の心の中で、「自分を犠牲にせず、自分だって喜んでもいい」と思うようにしています。

 なんというか、Twitterで共感が得られやすいツイートは、上記に挙げたようなメッセージが多い気がしませんか?

 多分それは、こうしたドライバーで“生きづらさ”を感じている人が、たくさんいらっしゃるからだと思います。

 あくまで推測ですが、チェックシートの質問項目を踏まえると、繊細で敏感な気質を持つHSPの人は、「他人を喜ばせよ」というドライバーを強く持っている傾向にある気がします。

 なお、「他人を喜ばせよ」から脱却するためには、自分の心の中にドライな一面を持つことも大事だと思っています。

 以前に、このことについて、ブログにまとめたことがありますので、気になる方はぜひ以下のリンクからご覧ください!

 

 

(2)自分で自分の人生を「再決断」する

 先述のとおり、親が与える子どもの心への影響は大きく、そしてそれは、大人になっても残り続けるとお伝えしました。

 さて、それでは、その影響から根本的に逃れるためには、どうすればいいのでしょうか?

 著書には、次のとおり書かれています。

「幼時決断」とは、子どもの頃の経験から「このように生きて行こう」と決断し、無意識に生き延びるための選択をしているということです。例えば、子どもの頃、自由な感情表現をすると親から「うるさい子だ!静かにしなさい!」と叱られ、反対に黙って大人しくしていると「行儀のよい、いい子だ」とほめられたとします。その子は「感じたことを口にせず、じっと我慢することは、うまく生き抜くための必要な術である」と学び、「これからもこのように生きていこう」と決断するかもしれません。そして大人になっても身に着けた方法を手放さずにいたとします。就職して3年たったとき、次のようなストレスを感じたとしたら…会議の席で反対意見だったとしても、言えずに周囲に合わせてしまう、後輩指導すべきときに、その場で注意することができないなど…。

「幼時決断」は本人の未熟な子どもの中にある判断を用いているために、誤った決断であることが多いものです。しかもその決断を大人になった現在でも用いようとするために、不都合が起きることになります。私たちは、不合理で不都合な思い込みである「幼時決断」に気づいたら、いつでもそれから解放され新しい決断をすることができます。これが「再決断」です。私たちは「再決断」によって、自分の望む人生を手に入れること、すなわち「(人生)脚本」のシナリオを書き換えることが可能なのです。

引用(一部改変):山本晴義(監修)・押川聖子(著者)(2019)『ストレスマネジメント-実践的セルフケア』新興医学出版社

 そう、子どものときからの思い込みに気づくことができたら、大人になっても「再決断」することで、自分の感じ方や考え方を変えていけるということです。

 ただ、一つ言えるのは、「自分で気づき、自分の意志で変える」必要があるのです。

 例えば、悩んでいる人がカウンセリングに行ったとしても、カウンセラーから答えを与えられるわけではなく、最終的には自分で気づき、自分の意志で変えていかなければ、悩みを乗り越えることはできません。

 自分の思い込みに気づくというのは非常に難しいですが、その一つの方法として、客観視(メタ認知)を身に着けることが有効だと考えております。

 以前、客観視を身に着けるための方法を動画でまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下の動画リンク(YouTube)からご覧ください!

 

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おわりに

 さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。

 最近、「毒親」という言葉をSNSなどでよく見ます。

 おそらく、今現在、親との関係に苦労している人もいれば、その一方で親から受けた影響で大人になってから苦労している人も多いと思います。

 今回は、後者(親から受けた影響)に焦点を当てて、お話してきました。

 よく、生まれつきで性格が決まると言われますが、その一方で個人差はあるものの、育ってきた環境も大きく影響すると言われています。

 ただ、自分の性格を変えられないかというと、そうではありません。

 今回は、「自分を知り、自分を変える」ということにも言及しつつ、親の影響で身についた「思い込み」による“生きづらさ”からの脱却方法について、お伝えしてきました。

 ちなみに、生まれつき繊細で敏感なHSPの方に向けて、自分を変える方法についての考察記事を本ブログで書いたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。

 

 

 さて、本記事執筆にあたって参考にした著書『ストレスマネジメント-実践的セルフケア』は、少し専門的ではあるものの、今回ご紹介したこと以外のセルフケアの方法についても、端的でわかりやすく書かれておりますので、ぜひ、著書のほうも読んでみてはいかがでしょうか?

 ということで、今回はこの辺で終えたいと思います。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 また次回も、よろしくお願いいたします!

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プロフィール

 

名前:ぽん乃助

 

社会の荒波に揉まれ、猫の皮を被ることになった繊細な人間。世の人間たちの間では、繊細な気質のことをHSPと謳って色んな情報が溢れる中、猫の穿った目線で処世術のヒントっぽいことを呟く。猫パンチのない、穏やかな世界が好き。箱の中で生死を待つのではなく、箱の外に出ることを選択するシュレーディンガーの猫になりたい。

 

 

 

 

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