【HSP対談vol.11】HSPの生きづらさを乗り越えるには?
2019年11月18日に、HSPに関する11回目の対談を実施しました!
HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)
HSPの人は、繊細で敏感な気質がゆえに、仕事や私生活で生きづらさを抱えやすいと言われています。
そのため、HSPにとっての生き方を探るべく、色んな方々と対談を実施しています。
前回の対談の模様も記事にまとめておりますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!
【HSP対談vol.10】非HSPからHSPはどう思われている?
さて、今回はなんと、今年発売された著書『HSPの教科書』の著者である上戸えりなさんと対談を実施しました!
上戸えりなさんは、HSPについて4年間発信されており、ブロガーやTwitterとして非常に有名な方です。
今回は、発信者としての先輩でもある上戸えりなさんと、「HSPの生きづらさを乗り越えるには?」といったテーマで、色々とお話をしました。
今回の対談では、著書に書いていないお話も、たくさんうかがうことができました。
対談で見えてきたことについて、簡潔にお伝えしていきますので、ぜひ、最後までご覧ください!
この記事の目次
対談の概要について
(1)対談の趣旨
日時:2019年11月18日(月)11時30分~13時30分 場所:オンラインにて対談 |
私は、HSPの1人でありますが、仕事や人間関係で悩みを抱えたことをきっかけに、自分がHSP(繊細で敏感な気質)だと気づきました。
おそらく多くのHSPの方々が、悩み(≓生きづらさ)をきっかけに、自分がHSPだと気づいた人が多いのではないかと思っています。
これまでも、HSPなどの“生きづらさ”を抱える方々や発信者の方々と対談を実施し、現実的に悩みを乗り越えられる方法を考え、発信してきました。
今回は、『HSPの教科書』の著書である上戸えりなさんをお相手に迎え、HSPについて長く向き合い、発信してきたからこそできるお話をうかがってきました。
(2)対談のお相手(上戸えりなさん)について
・沖縄生まれ沖縄育ちで、大学では心理学を専攻。卒業後、企業でウェディングプランナーとして働き、退職後はフリーランスとしても活躍(フリーランスの時は、英語を使って仕事をしていたそうです!)。今は、育休をとって育児に専念しつつも、HSPの方々への発信に努められています。
・自分がHSPだと知ったきっかけは、キャリア・結婚の大きな決断をしたときに、自分の幸せと真剣に向き合ったことにあったそうです。HSPとしての「生きづらさ」を感じたことがない(気質は正確でカバーできる)というお言葉が、とても印象的でした。
・本当にとても気さくで、お話ししやすい方でした。著書・ブログ・Twitterで感じる印象以上に、自分に対して素直で、裏表のないとても魅力的な方でした。
上戸えりなさんのオフィシャルHP→こちら 上戸えりなさんのTwitter→こちら |
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対談を通じて分かったこと
(1)HSPに対する捉え方について
HSPの気質による生きづらさを考えるにあたって、まずは、HSPに対する捉え方を聞いてみました。
上戸えりなさんは、続けてこのように仰っていました。
これは、私自身も発信を続けている中で、とても同感できる意見でした。
私も色んな人に会う中で、人間の個性は、とても複雑だと感じています。
そもそも、私の思いとしても、「一人の個性が、HSPという言葉だけで決めつけられてたまるものか!」と考えております。
私がHSPの方々とお話ししてきた中で、うまくいっている人は、自分自身の個性をHSPで決めつけていない人が多いように感じます。
この点については、以前、記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。
HSPで仕事や人間関係がうまくいく人といかない人の2つの違い
さて、私は自分がHSPであることを、生きづらさがきっかけで気づいたこともあり、「生きづらさを感じたことはない」という上戸えりなさんの言葉には驚きを感じました。
そのため、その真意を聞いてみました。
これまで、HSPの方々を見てきましたが、「みんなと同じでなければいけない」という同調圧力を感じたときに、必要以上に気を遣ってしまい、生きづらさを感じる人が多いように思います。
言い換えると、HSPの人が生きづらさを感じるのは、周囲と自分の違いを感じたときにあるのではないかと思っています。
だからこそ、HSPの人が生きづらさを乗り越えるためには、周囲と自分の違いをそのまま受け止められるようになれることが、とても大事なように思えます。
日本人は遺伝的に不安症な人が多いため、こういった同調圧力を過度に感じる人が多いようにも思えます。
なので、HSPは5人に1人と言われますが、日本人はもっと多いのではないかとも思っています。
これに関連して、以前に、HSPは本当に5人に1人なのかという点について考察したことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。
繊細で敏感な気質(HSP)は遺伝する?本当に5人に1人なの?
(2)HSPの対人関係について
HSPの捉え方についてうかがったところで、次にHSPの人が悩みを抱えやすい対人関係について、お話をうかがってみました。
この対談で、キーワードとして何度も出てきた言葉が「嫌われる勇気」でした。
アドラー心理学をテーマとした著書『嫌われる勇気』がベストセラーとなったことで、広まった言葉でもあります。
私は、HSPの人に一番読んでもらいたい本として『嫌われる勇気』を挙げています。
対人関係に不安を抱えているHSPの人にとって一番大切なのは、著書のタイトルのとおり、「嫌われる勇気」だと思っています。
著書『嫌われる勇気』については、HSPの人にとっての大事なエッセンスを記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。
(3)HSPの恋愛・結婚について
人間関係の話の流れから、恋愛や結婚についても、会話のテーマとなりました。
HSPの人は、こだわりを捨てきれず、ツラくなってしまう場面が多々あるのではないかと思います。
まさに、恋愛でもなかなか妥協ができず、苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。
特に結婚となると、「覚悟と妥協が大事」という上戸えりなさんの言葉は、私の胸に強く突き刺さりました。
私も以前に、恋愛に疲れてしまったり失敗してしまったりするHSPの人に向けて、記事を書いたことがあります。
気になる方は、以下のリンクからあわせて、ご覧いただければと思います。
(4)HSPにとっての時間軸について
さて、HSPにとって生きづらさを抱えやすい場面である、人間関係について考えてきました。
ここで、テーマの核心となる、HSPの生きづらさを乗り越えるためのヒントをうかがってみました。
お話ししていて、確かに、HSPの人の生きづらさの理由が独特な時間軸にあることは納得できました。
ただ、この独特な時間軸を緩和するためには、どうすれば良いのでしょうか?
この点も聞いてみました。
シンプルですが、明快な回答でした!
HSPの人は、深い思考を持つ傾向にあるため、どうしても自分の直感を信じることができない人が多いのではないかと思います。
だけど、正しいか正しくないかは置いといて、たまには自分の直感に従って行動するということも大事だと思いました。
例えば、人間関係をひとつとってみても、「こんなこと聞いていいのかな?」と思って勇気を出して聞いてみると、別に相手が気を悪くしないで答えてくれる…なんてことはよくあります。
HSPの人はもともと気を遣える傾向にあると思いますので、自分の直感に従ってみても、大きく道を外すことはないと思っています。
生きづらさを乗り越えるために、”自分の直感を信じる”ということは、とても大事なことだと思いました。
(5)HSPにとっての優先順位について
HSPの人が生きづらさを乗り越えるためのヒントについて、もう一歩踏み込んでお話をいただきました。
HSPの人にとって、“優先順位”というキーワードは、とても大事なのではないかと思います。
精神医学系の著書においても、精神疾患の方がしんどくなってしまう理由は、”優先順位”が狂ってしまうことにあると指摘されています。
物事の優先順位が、常識や良識から逸脱するとき。これが、精神を病むことの意味だと思っている。キーワードは「優先順位」である。
引用:春日武彦(2019)『援助者必携 はじめての精神科』医学書院
この点から考えてみても、HSPの人がしんどくなってしまう理由は、”優先順位”が間違っていることにあるのだと思います。
そのため、上戸えりなさんの仰るとおり、「今、自分にとって大切なことは何か?」と問うことは、生きづらさを乗り越えるためのヒントに直結するのではないかと思います。
そして、こだわりを捨てて素直になるというのは、自分にとって本当に大切でないこと(優先順位が低いこと)を妥協していくことなのかもしれません。
完璧主義になりやすいHSPの人にとってのこだわりを捨てることの大切さについて、以前に私も記事にまとめたことがありますので、気になる方は以下のリンクから、あわせてご覧ください。
(6)HSPの発信者や心理支援者にとっての大事な考え方について
最近は、HSPの知名度が高まり、発信者やカウンセラーなどとして活動される方が増えてきました。
このことについて、上戸えりなさんとお話しをしていましたが、私も含めて今活動されている方々にとって、大事なことが知見として得られました。
おそらく、HSPに関して発信している方やカウンセラーをされている方にとっては、とても大事なことなのではないかと思います。
心理支援は端から見ると、感謝される仕事に思えますが、現実はそんなに甘くなく、心理支援者自身が精神疾患を抱えてしまうことさえあります。
上戸えりなさんが仰るとおり、心理支援者は“通過点”に徹する必要があり、依存されるのは禁忌です。
精神科医の方の話を聞いてみても、「どうしたら○○病を治せるのか?」と聞いてくる患者は治りづらく、実際には「いつの間にか治っていた」ということが多いようです。
そう考えてみると、自分の支援行動が相手の心にすぐに伝わることは少なく、心理支援者は感謝されづらいのです。
そして、心理支援をしていても感謝されることは少ないため、自己承認欲求は満たされにくいのです。
恐らく、多くの方々が、この点で認識の違いを持っているように思えます。
逆にいえば、自己承認欲求のために活動を続けていても、本当の意味で他人の心を救うことは難しいというわけです。
この点も含めて、以前にHSPの発信者や心理支援者に向けて、大事な考え方をまとめたことがありますので、気になる方は以下のリンクから、あわせてご覧いただければと思います。
HSPや発達障害に関する発信者や支援者の立場での大事な考え方は?
(7)今後の発信の方向性について
長く発信を続けていらっしゃる、上戸えりなさん。
皆さんも気になっているであろう、今後の発信の方向性について、最後におうかがいしました。
今後の発信の方向性を含め、本当に、良いお話をたくさんうかがえました。
上戸えりなさんの発信に勇気づけられている一人として、私も引き続き、発信等の活動に努めていきたいと強く思いました。
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まとめ
【本対談で分かったこと(推測含む)】 ●HSPに対する捉え方について
●HSPの対人関係について
●HSPの恋愛・結婚について
●HSPの人が生きづらさを乗り越えるために
●HSPの発信者や心理支援者にとっての大事な考え方について
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか?
今年からはじめた対談企画ですが、上戸えりなさんの発信に勇気づけられているひとりとして、ぜひともお話ししてみたいと思っていたところ、今回のその機会を得ることができました。
ありがたいことに、上戸えりなさんも私との対話を望んでいたようで、タイミングも合って、今回の対談がかないました。
育児でご多忙な中で、お話のお時間をいただきまして、ありがとうございました。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
さて、今回はHSPに対して長く向き合ってきた上戸えりなさんだからこそ、素晴らしい考え方をお持ちでした。
そして、本文にも書きましたが、本当に接しやすい柔和な方だったので、この対談では本当に色々なお話をうかがうことができました。
今回お話しした内容は、上戸えりなさんの著書『HSPの教科書』に書いた内容の枠を超えたお話となりましたが、生きづらさを乗り越えるにあたってのヒントは同著に詳しくまとめられていますので、ぜひ、著書の方も読んでみてはいかがでしょうか。
恐らく、今回の対談が今年最後となりますが、来年も対談企画を続けていければと思っています。
そして、来年に向けて、私自身の活動もアップデートし、ブログの内容をさらに濃く、そしてその他の活動もやっていければと考えています!
引き続き、生きづらさに悩んでいる方に対して、有用な情報がお伝えできるよう努めていきます。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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