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HSP働き方戦略室|明日から使える処方箋をあなたに。

【HSP対談vol.10】非HSPからHSPはどう思われている?

私(ぽん乃助)
今回は、「非HSPからHSPはどう思われているのか?」ということなどについて、対談を実施しました。対談で分かったことや気づいたことをまとめていきます!

 2019年9月21日に、HSPの働き方に関する10回目の対談を実施しました!

 HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)

 HSPの人は、繊細で敏感な気質がゆえに、仕事や私生活での環境や人間関係で生きづらさを抱えやすいと言われています。

 そのため、HSPにとっての最適な働き方を探るべく、色んな方々と対談を実施しています。

 前回の対談の模様も記事にまとめておりますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!

 

 

 今回は、人の悩みを基軸に、コミュニティスペースやフリースクールなどを運営している「ココトモ」の活動に参加させていただき、HSPとそうでない人が集まり、お話をさせていただきました。

 今回は、対談で見えてきた、「非HSPからHSPはどう思われているのか?」ということなどについて、お伝えしていきます。

 ぜひ、最後までご覧ください!




 

対談の概要について

日時:2019年9月21日(土)11時~14時

場所:ココトモハウス

 さて、今回は、私がカウンセリングを勉強させていただいている関係からお世話になっているココトモハウスさんが主催の「HSPを考える会」に参加してきました。

 「ココトモ」は、コミュニティスペースやフリースクール、そして掲示板・アプリ等で、「生きづらさ」を感じている方々などに、居場所を提供されています。

 さて、今回は、10名にてHSPの特性や生きづらさについて、話し合いました。

 今回の対談でいつもと違うのは、HSPの当事者だけではなくHSPではない方も集まって、「HSP」について考えることができたことです。

 そのため、得られた知見もかなり大きかったと自負しています。

 長時間にわたる対談の中で、このブログを見ていただいている方々にも参考になる情報がたくさんありましたので、ポイントを絞ってお伝えしたいと思います。

 

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対談を通じて分かったこととは?

(1)非HSPからHSPはどう思われているのか?

【参加者の主なご意見】

●非HSPの方の意見
・HSPという自分をカテゴリできる概念があることが羨ましく感じることがある。その一方で、自分のできないことを「HSPのせい」とするのは、非HSPにとってはズルいと思うときがある。
・HSPの人は、後ろ向きの人が多いと思っていたが、生きることに前向きな人が多いことが意外だった。

●HSPの方の意見
・HSPは病名ではなく、気質(≓性格傾向)である。
・HSPの人にも段階がある。うまくいかなすぎて悩む人の中には、HSPを知ることで安心することができる人もいる。更には自己防衛のため、HSPの枠にハマり続けたいという人も一定数いる。その一方で、自分をHSPの枠にはめすぎて、いつまでも「HSPのせい」と考えていると、自己成長を阻むと考えられる。
・以前の職場では、「自分はHSPです」と伝えたことがあったが、自分が特殊な人だという偏見で見られるようになり、逆に生きづらさを感じるようになった。
・HSPの人の中には、「HSPは味方・非HSPは敵」といった考え方を持つ人もいる。

 ここからは、参加者のご意見を踏まえた、私の考察です。

 意見に挙がっているとおり、ポイントとなったのは、「HSP」という枠をどう捉えるのかということでした。

 「HSP」という枠を自分に当てはめることで、他人からよく見られるようになるのか…?自分自身の「生きづらさ」の解決につながるのか…?

 答えは、HSPと非HSPの双方の意見を見ても、Noと言えるのではないかと思います。

 その理由は、「①HSPは病気(診断されるもの)ではないこと」「②HSPは個性の一部にすぎないこと」にあると考えています。

 そもそも、人間の個性は、HSPという言葉一つで当てはめられるものなのでしょうか。

 私は、決してそうではなく、人間一人ひとりが複雑な個性を持っていると思っています。

 そのため、自分自身をHSPの枠に当てはめすぎると、自己成長を阻むことのみならず、自分の個性を見失うことにもつながり、生きる意味が感じづらくなるのではないかと思っています。

 また、HSPなどの枠組みに自分や他人を当てはめると、参加者の意見にもあったとおり、色眼鏡で見られることにもつながります。

 そもそも、HSPは病気でもありませんので、他人に主張したところで配慮が得にくいものだと考えられます。

 これらのお話については、精神医学系の文献などをもとに、記事にまとめておりますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。

 

 

 

 また、最後の意見にもあったとおり、Twitterなどでは、HSPの人と非HSPの人とを分断する意見も散見します。

 物事をシンプルに考えられるため、こうした意見は共感を得られることが多いです。

 ただ、それは事実を歪曲してしまう場合もあります。

 マスコミでも、この手法がとられることが多いです。

 例えば、事件が発生した場合、「被害者」と「加害者」を明確に分断して報道されることがよくあります。

 だけど、そういったシンプルな構図を作ることで、事件の背景がすべて見えなくなってしまい、本当の真実が隠されてしまうことは日常茶飯事です。

 HSPの話に戻します。

 HSPと非HSPのボーダーというのは、どこなのでしょうか?

 それは、明確ではないと思います。

 HSPの傾向の強弱は、HSPの人の中でも分かれるものであります。

 たまに、「この人、本当はHSPじゃない!」といった意見を見ることもありますが、とても悲しく感じるときがあります。

 もともと、HSPを提唱したアメリカの心理学者であるアーロン氏も、マイノリティ運動(社会運動)を促していたわけではなく、生まれつき繊細で敏感な気質の人の生きづらさを乗り越えられることが目的だったのではないかと思います。

 実は、こうした分断して物事を考えてしまうのは、人間の本能でもあります。

 そもそも、「非HSP」という表現も、分断した考え方を加速化させてしまう表現なのかもしれません。

 こういった心理的なバイアスについて語られたのが、昨今ベストセラーとなった『FACTFULNESS』という本です。

 以前、同著に基づき、HSPに関して誤解されやすいことについて、記事にまとめたことがありますので、気になる方は以下のリンクからご覧ください。

 

 

 さて、私はHSPの人に会ってきた中で、HSPの人でもうまくいっている人とそうでない人の違いがあると思っています。

 仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人は、「個性(変えられない部分)を変えることは諦める」と同時に、「心(変えられる部分)を変えること」を諦めていない人が多いように見受けられます。

 つまりは、努力する方向性を絞ると同時に、努力を怠っていない人が多いように感じています。

 具体的に、努力する方向性を絞る方法などについても、記事にまとめたことがありますので、気になる方は、以下のリンクからご覧ください!

 

 

(2)HSPの人にとって心療内科やカウンセリングは役に立つのか?

【参加者の主なご意見】

●心療内科やカウンセリングを活用する立場の意見
・最初に心療内科やカウンセリングに行くときは、とても勇気が必要だった。
・メンタル不調のとき、色んな心療内科に行ったが、医者との相性はとても大事だった。
・相性が大事なのは、心療内科のみならず、カウンセラーも相性の合う・合わないが大事である。

●カウンセリングを行う立場の意見
・カウンセリングに求めるものは、人によって違う。カウンセラーをとっかえひっかえで、自分の異常性を認めてほしい(解決に目が行かない)人は、カウンセリングが自分にとって有用でないものだと気づき、行かなくなる傾向にある。

 ここからは、参加者のご意見を踏まえた、私の考察です。

 今回の対談では、メンタルの問題から、心療内科やカウンセリングを利用したことのある人が多く、また、カウンセラーの方もいらっしゃったので、この点についても参考になる知見を得られました。

 私自身も、パワハラでうつ病になったときに、心療内科やカウンセリングを活用したことがありますが、やはり医者やカウンセラーとの相性はとても大事だと思っています。

 また、カウンセリングに求めるものが人によって違う…というのは、カウンセラーの仕事の大変さを知ることができたと同時に、カウンセリングで助けられる人には一定の限界があるとも感じました。

 とはいえ、メンタルで不調のときには、すぐに心療内科やカウンセリングを活用することを、オススメしたいと私は考えております。

 それは、メンタルの問題を自分だけで乗り越えようとするのは、難しいこともあるからです。

 私も最初、心療内科やカウンセリングを活用するのは勇気がいりました。

 だけど、実際に医者やカウンセラーと話してみると、とても安心できる環境が広がっていました。

 悩みを抱えている人は、自分で抱えすぎず、解決に向けて足を踏み出してみてはいかがでしょうか。

 ちなみに、以前にカウンセリングを活用した感想や活用するにあたって大事なことを記事にまとめたことがありますので、気になる方は、以下のリンクからご覧ください!

 

 

(3)HSPの人の仕事の悩みごととは?

【参加者の主なご意見】

●HSPの方の意見
・いろいろ仕事をしてきたが、人間関係や職場環境などが原因で続かなかったことが多く、自分が社会不適合者だと思うときもあった。ただ、結婚して専業主婦になったが、それはそれで物足りなさを感じた。1人で完結する仕事をするときはうまくいくため、フリーランスとして働く道を模索している。
・接客業をしているが、人が並んでいるときに、いろんな人から声をかけられるのがとてもツラくて、手が震える時もある。また、お客さんの表情が気になり、心的負荷が大きいときがある。

 ここからは、参加者のご意見を踏まえた、私の考察です。

 まずは、HSPの働き方についてです。

 今回の参加者からの意見にもありましたが、仕事がなかなか続かない…という悩みを、最近は多く寄せられるようになりました。

 本などでは、HSPの適職として、クリエイティブな職場や対人関係の少ない職場などが挙げられますが、実際にはハードルが高いと感じております。

 それは、クリエイティブな職場であればこれまでのキャリアが問われますし、対人関係はどの職場でも発生しうると考えられるためです。

 また、日本の多くの企業では異動を伴うことが多く、自分の望む職であり続けることも難しいとも思います。

 先述のとおり、私はHSPは個性の一部に過ぎないと考えていて、同じHSPでも個性は千差万別だと、私は考えております。

 そのため、適職についても、HSPという要素だけでは語れないと思っています。

 これまでのHSPに関する働き方の記事をたくさん書いてきましたが、「適職」という意味で特に参考になると思う記事をピックアップしてみましたので、気になる方は以下のリンクからご覧ください!

 

 

 

 また、今回の参加者からの意見にもありましたが、HSPの人は、臨機応変な対応が問われるなど、仕事で苦手な場面がある人も多いことでしょう。

 さらには、職場に苦手な人がいて、自分らしく働けなくて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

 苦手な場面や苦手な人を克服するためには、自分の中でいつでも対策を引き出せるようにしておくことがとても大事になってきます。

 そうすると、「悪いことが起きないでほしい…」という思考から、「こういうことが起きたらこうしよう」という思考に変えることができ、不安を和らげて仕事に臨むことができるからです。

 苦手な場面や苦手な人の対策については、以前、記事にまとめたことがありますので、気になる方は以下のリンクからご覧いただければと思います!

 

 

 

(4)孤独感を癒やす方法とは?

【参加者の主なご意見】

●孤独感に悩む方の意見
・喧噪としていた職場は合わず辞めて、今は静かな環境の職場で仕事をしている。その一方で、今は仕事で、人とコミュニケーションを交す機会も少なく、孤独感を感じるときがある。また、プライベートでも、孤独感を感じることが多い。旧友から連絡があったが、今の気持ちを共有できる人がほしい。

●孤独感を乗り越えている方の意見
・孤独感を感じる人は、他人から積極的に誘われるようになると、その悩みを払拭できるのではないか。何かに一生懸命になって生きている人は、魅力があると感じ、誘いたいと思う。
・孤独感を解消するために、SNSをはじめるのはやめたほうがいい。SNSをはじめると、「いいね!」の数など、余計に他人と自分を比較してしまい、孤独感をより強く感じてしまうことにもつながる可能性がある。

 ここからは、参加者のご意見を踏まえた、私の考察です。

 今まで、「孤独感」に焦点を当てて記事を書いたことがありませんでしたが、確かによく考えてみると、孤独感に悩むHSPの人は多いような気がします。

 例えば、恋愛でも、HSPの人は依存関係に陥りやすいと書籍などで指摘されることもあり、それは孤独感からくるものなのかもしれません。(HSPの人の恋愛については、以前にブログ記事にまとめたことありますので、気になる方は以下のリンクからご覧ください。)

 

 

 今は、ひとりの時間が大好きな私ですが、今回の対談を通じて、昔は孤独感を強く感じていたことを思い出しました。

 以前は、メールの返信がないことをいつまでも不安に感じていたり、集団の中で会話に入れないとすぐに孤独を感じたり、今思えば、私も孤独感に悩むひとりだったと思っています。

 でも、今は不思議と孤独感に悩むことはなくなりました。

 その理由を考えてみて、先日Twitterで、次のツイートをしました。

 そう、「人に裏切られても気にしない」ということが、私にとって孤独感から脱却するにあたって、とても大きかったと思っています。

 HSPの人は、他人に嫌われたくないから、顔色を気にしすぎる傾向にあると言われています。

 HSPの一人である私は、今でも他人の顔色を気にしすぎてしまうこともありますが、昔と比べると格段に生きづらさが減っていると思います。

 それは、私の人生を振り返ると、他人に気を遣ってきましたが、裏切られた経験の連続だったからだと思います。

 その経験から、良くも悪くも、「他人を信用しすぎない」という考え方が心の底に根付いている気がします。(ここが私の成長の余地なのかもしれませんが…)

 そんな私ですが、孤独感に悩む人に、生きづらさを軽減するための考え方をお伝えしたいと思います。

 それは、「去る者追わず」ということです。

 人間関係において、出会いもあれば、必ず別れもあります。

 私は、離れていく人を必死に呼び止めようとしたこともありますが、ただの徒労に終わり、一度もうまくいったことがありませんでした。

 なので、別れは、抗うことのできない自然現象だとも思っています。

 そんなことから、私は「去る者追わず」ということをとても大切にしています。

 そして、別れが怖くなくなったからこそ、たくさんの人と本音で交わせるようになりましたし、新たな出会いも積極的に向き合えるようになりました。

 交友関係は確実に減りましたが、残っている人たちは、本当に信頼できる仲間しかいません。

 だからこそ、ひとりでいても、孤独感を感じることがなくなったのかもしれません。

 あと、参加者のご意見でSNSのお話もありましたが、大事なことは、人間関係において、表面の言葉だけで相手を分かった気にならないことです。

 直木賞作品である朝井リョウさんの小説『何者』のセリフで、こうありました。

「だって、(SNSなどで)短く簡潔に自分を表現しなくちゃいけなくなったんだったら、そこに選ばれなかった言葉のほうが、圧倒的に多いわけだろ」

「だから、選ばれなかった言葉のほうがきっと、よっぽどその人のことを表してるんだと思う」

ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと」

引用(一部加筆):朝井リョウ(2012)『新潮社』新潮社

 言葉の向こうにいる人間そのものを見てあげる…これって、難しいですよね。

 でも、実は孤独感を感じている理由として、自分が他人に対してしっかりと向き合えていないということもあるのかもしれません。

 例にもなく、文献を引用せず、持論を展開してしまいました…。笑

 でも、もし「孤独感」に悩む人にとってヒントにつながるようであれば、大変幸いです。

 

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おわりに

 さて、今回の対談では、HSPの「生きづらさ」を乗り越えるにあたって、大事なことをたくさん知ることができました。

 今回この機会にお招きいただいた、ココトモ副管理人のジョジョさん(Twitterアカウントはこちら)、また、お話させていただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

 また、他の参加者であった、あいさんや眠り子さんも記事を書かれています。

あいさんの記事→こちら

眠り子さんの記事→こちら

 今回の私の記事は持論が多めになってしまったため、ぜひ、他の方の記事も参考にしていただければと思います。

 また、今回の対談では、「非HSPからHSPのことをどう思われるのか?」といったことや「HSPの孤独感」といった、これまで得られなかった知見が得られたのは特に大きかったと思っています。

 今後も、色んな人の働き方の事例を集め、HSPの人の理想の働き方を追い求めるべく、引き続き対談を実施していきたいと思います。

 それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。

 もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。

 それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!

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プロフィール

 

名前:ぽん乃助

 

社会の荒波に揉まれ、猫の皮を被ることになった繊細な人間。世の人間たちの間では、繊細な気質のことをHSPと謳って色んな情報が溢れる中、猫の穿った目線で処世術のヒントっぽいことを呟く。猫パンチのない、穏やかな世界が好き。箱の中で生死を待つのではなく、箱の外に出ることを選択するシュレーディンガーの猫になりたい。

 

 

 

 

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