【HSP対談vol.3】HSPと内向型の違いと長所を活かす働き方
2019年3月31日、オンライン上で、HSPの働き方に関する3回目の対談を実施しました!
HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な性格の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)
HSPの人は、繊細で敏感な性格がゆえに仕事で悩みを抱えやすく、どのように働いていくべきかということについては、大きな課題とされてきました。
そのため、HSPにとっての最適な働き方を探るべく、色んな方々と対談を実施しています。
前回の対談の模様も記事にまとめておりますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!
【HSP対談vol.2】繊細な性格のHSPの人が合わない仕事を辞めるタイミングとは?人間関係から自分を守る方法も
今回は、初の1対1の対談ということで、内向型の方々に対して発信されている、堤ゆかりさんをお相手に迎えました。
実は前々から、HSP以外の界隈の方と対談を実施したいと思っていまして、今回対談させていただいた堤ゆかりさんは、「HSP」と近い分野でもある「内向型」の分野でご活躍しています。
とはいえ、元々は、堤ゆかりさんから私への取材で対談をしていたのですが、無理を言って時間を延ばしていただき、色々と私からもご質問をさせていただきました。
「HSPと内向型の違い」など、有用なお話をうかがうことができ、さらには「自分の強みを活かした働き方」について、夫婦で独立して会社経営している堤ゆかりさんだからこそ、面白いお話がたくさん伺えました。
ご覧になっている皆さまにも、ためになる情報が詰まっていると思いましたので、対談の模様について、綴っていきたいと思います。
この記事の目次
対談の概要について
(1)対談の趣旨
日時:2019年3月31日(日)19時00分~20時30分 場所:オンライン上での対談 |
さて、今回の対談の趣旨は、冒頭でもご説明したとおり、「HSP」と「内向型」の違いが主なテーマです。
既に、本ブログをご覧になっている方は、「HSP」という概念をよく知っていると思います。
一方で、「内向型」というコトバをよく聞くこともあると思いますが、何となく「HSP」と近いイメージを持ちつつも、その違いについてはあまり語られてきませんでした。
そこで、今回は、「内向型」に詳しい堤ゆかりさんをお相手に迎え、「HSP」と「内向型」の違いについて、お話ししました。
また、「内向型」の仕事のツラい部分やどういう仕事が合っているのか…という点についてもお話ししました。
転職経験があり、なおかつ今は夫婦で独立した働き方を選んでいる堤ゆかりさんだからこそ、「自分の強みを活かした働き方」が見えてきました。
(2)対談のお相手(堤ゆかりさん)について
・自分自身が内向型で悩み、それを強みに変えてきた経験を踏まえ、「内向型コンサルタント」として、内向型の方々に向けて講座や研修を実施していらっしゃいます。
・前職がハードで悩んでいたこともあり、副業で始められた物販のお仕事が今では本業を超えて、夫婦で会社経営に至るとのこと…本対談を通じて色々とお聞かせいただきましたが、なんだか今でも想像がつきません!笑
・親しみやすく、お話しするのも聞くのも、両方とも上手な方でした。穏やかながらも、信念や芯の強さを感じる方でもあり、大変楽しく対談をさせていただきました。
堤ゆかりさんのブログ→こちら 堤ゆかりさんのlinktree→こちら 堤ゆかりさんのTwitter→こちら ※堤ゆかりさんは、小学館が発行するトレンドマガジン「DIME」が運営するWebサイト「@DIME」の記事にも取り上げられています。→記事はこちら |
スポンサーリンク
対談を通じて分かったこととは?
(1)HSPと内向型の違いについて
「内向性」という概念は、過去の心理学者であるユングが提唱した人間の「タイプ論」の中で、大衆化されました。
ユングの時代(1875-1961)ということを考えると、HSPよりも長い歴史を持つ概念と言うことになりますね。
さて、このユングのタイプ論では、人間の性格を、「外向性」と「内向性」の2つの指標で表しています。
Wikipediaでは次のとおり書かれています。
外向性は、社交的、話好きであり、活発な振る舞いをする傾向がある一方、内向性は、孤独な振る舞いをし、外向性と比較してもっと控えめな傾向がある。外向性と内向性は、比較的一つの連続体とみなされるが故に、一方が高くなるためには、もう片方を低くせねばならない。
引用:Wikipedia「外向性と内向性」(アクセス日:2019年4月2日)
これを見ると、「外向性」は人と一緒に何かをしたり活発的に行動したりすることを好み、「内向性」は一人で何かをしたり穏やかな生活をしたりすることを好むということが言えそうですね。
そして、これは堤ゆかりさんも仰っていたのですが、「外向性」と「内向性」は相反する要素でありつつも、人は誰しも「外向性」と「内向性」の両面を持っています。
だけれども、どちらかに偏りが強い人もいて、「内向型の人」というのは、「内向性」の要素が非常に強く、「外向性」の要素が著しく低い人を指すということが言えるのだと思います。
さて、そう考えてみると、「内向型の人」は、「HSPの人」と似ている部分もあるように考えます。
Twitterでも、「内向型」と「HSP」の両方を主張される方も多く見られます。
この点について、対談の中で次のとおり、堤ゆかりさんとお話をかわしました。
何となく、この会話だけではイメージがつかない方もいらっしゃると思いますので、堤さんのご意見と私の意見を掛け合わせて、「HSP」と「内向型」の違いについて考察し、さらには「発達障害」の概念も一部踏まえ、次のとおり図で整理してみました。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
あくまで一考察ではありますが、HSPと内向型は厳密に言うと違う概念であるものの、HSPと内向型で被っている人は多いといえるのではないでしょうか?
なお、以前にHSPの中でも外向的な気質であるHSSについて、本ブログの記事にて、生き方戦略をまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください!
また、HSPと発達障害の違いについて、こちらも以前に記事にまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください!
繊細だけど外向的なHSS型HSP特有のつらさと4つの克服方法とは?
「HSP」と「大人の発達障害」の似ている点は?相性や決定的な違いも
(2)HSPと内向型に共通する大事なこと
HSPは先天的(生まれつき)な気質であり、内向型は先天的(生まれつき)要素もあれば、後天的(生育環境)要素にも影響される性格であることをお伝えしてきました。
遺伝のような先天的(生まれつき)なものは、後天的(生育環境)要素よりも、揺るがないものだと一般的には言われています。
だけれども、私は、後天的(生育環境)要素の中でも、長い生育環境の中で影響されてきたものを変えるということも同様に、とても難しいものだと思っています。
人間の性格や意識は、氷山で例えられることがあります。
次の図をご覧ください。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
氷山は、目に見える部分が一部であり、沈んでいる部分が大半を占めています。
私は、人間の性格や意識も、目に見える(他人から認識される)部分は一部であり、自分でも認識することができない部分が大半なのではないかと思っています。
そして、自分でも認識することができない大半の部分が、先天的(生まれつき)な気質であったり、長い生育環境で染みついた性格なのではないかと考えます。
人間の性格や意識は、目に見える(他人から認識される)部分は変えやすく、自分でも認識しづらい部分は変えづらいのだと思います。
もし、今の生活で生きづらさを感じているのであれば、自分の性格や意識において、目に見える(他人に認識される)部分をまずは変えるべきだと考えています。
だけれども、これでは表面的な部分(他人から見た自分)が改善されただけなので、長期的な解決にはつながりません。
そのため、根本的な解決のためには、変えることが難しい見えない部分を受け入れて、それに合わせて働く環境などを構築することが大事なのではないかと思います。
(3)内向型に学ぶ自分の強みを活かした働き方について
さて、HSPと内向型という概念が近いということを述べてきました。
そして、先述のとおり、HSPと内向型について、共通する大事なことがあると考えました。
そのため、内向型である自分に悩み、それを強みに変えることを実現している堤ゆかりさんの働き方に、HSPの方々にとっても生きづらさを解消するためのヒント(変えることが難しい目に見えない自分の性格や意識の部分に合わせて、働くフィールドを探すためのヒント)があるのではないかと思い、色々と伺いました。
なるほど…と思いました。
確かに、組織で働く私は痛いほどよく分かりますが、自分で仕事を「選ぶ」ということは、ほとんどできません。
一方で、独立した働き方は、仕事を「選ぶ」ことができるという点においては、自分の強みを活かしやすいのではないかと思いました。
そして、独立した働き方に関して、もう一つ質問してみました。
独立した働き方を考えている方は、ひとつヒントになるかもしれませんね。
ある意味、副業としてやりたいことを始めれば、少し失敗したところで金銭面ではあまり痛手にはなりません。
そのため、実験的に色んなことを試すことができて、本当に自分が合っているものも探しやすいのではないかと思います。
私は、独立した働き方について、もう一歩深く伺ってみました。
私は、このことを聞いて、必ずしも組織から独立した働き方だけが正解ではないと思いました。
独立した働き方に関して、憧れの声も聞くことが多いですが、やはり仕事は仕事ということでシビアな部分もあると感じました。
組織から独立した働き方は、仕事を「選ぶ」ことができるものの、自己管理が非常に問われるので、人によってはツラさが勝る働き方になってしまうのではないかと思いました。
そして、強みを活かすという意味では、内向型の人にとっても、HSPの人にとっても、「一人のお客さんに細かい対応が向き合える」という部分は、組織で働こうが独立して働こうが、強みを活かすフィールドとして、重要な要素なのではないかと思いました。
さらに、堤ゆかりさんは、夫婦で会社を経営されているということで、気になるこの質問をしてみました。
これは、夫婦の関係のみならず、仲良い人同士で独立した働き方を目指す場合は「役割分担」をするということが大事だなと思いました。
私も会社で働いていると、同じ職位でも仕事が集中する人とそうでない人を見てきており、フラストレーションを抱えることもありますが、どうしても組織内の仕事の偏りを解消するのは、なかなか難しいことなのです。
ある意味、少人数で独立をした場合は、「役割分担」がしやすい環境に置かれていると思いますので、その辺をなぁなぁにやるのではなく、ハッキリと境界を設けることが大事なのだと思いました。
互いの仕事ぶりに不満を感じ始めたら、仕事になりませんからね!
そして、堤ゆかり家では、家事も「役割分担」をされているとのことでした。
仕事のお話とは離れてしまいますが、夫婦の絆を強くするためにも、「役割分担」というのは大事なのかもしれませんね!笑
なお、以前にHSPの人が、好きなことを仕事にするための戦略や自分らしく生きるための働き方について、本ブログの記事にまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。
HSPの人が好きなことを仕事にするための戦略とは?自分に合う働き方診断も
自分らしく生きたいHSPの人が目指すべきクリエイティブな働き方とは?著書『直感と論理をつなぐ思考法』より
スポンサーリンク
まとめ
【本対談で分かったこと(推測含む)】 ①HSPと内向型の違いは、次のとおり
②HSPと内向型に共通する大事なことは、次のとおり
③内向型に学ぶ自分の強みを活かした働き方は次のとおり
|
スポンサーリンク
おわりに
さて、今回の対談でも、大変有意義な時間を過ごすことができました。
対談にご協力いただいた、堤ゆかりさん、本当にありがとうございました。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
今回は、本ブログでの企画では初めてとなる、HSP以外の界隈で活躍されている方との対談となりました。
今回のテーマである「内向型」は、「HSP」とはかなり近い分野ということもあり、「内向型とHSPの違いは何なんだろう?」ということが気になっている方も多かったのではないかと思います。
そのため、今回は、堤ゆかりさんとの対談を通じ、私なりに「内向型」と「HSP」の違いと似ている部分を考察してきました。
更には、自分の強みを活かすために、フリーランスや起業といった「独立した働き方」を考えている人にとっても、今回の記事は参考になったのではないでしょうか。
今後も、HSPの人にとっての理想の働き方を追い求めるべく、引き続き対談を実施していきたいと思います。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
※2019年4月9日に、第4回対談を実施しました!
【HSP対談vol.4】HSPの適職や仕事の悩みとは?働きやすい職場を見抜く方法も
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。