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HSP働き方戦略室|明日から使える処方箋をあなたに。

【HSP対談vol.4】HSPの適職と働きやすい職場を見抜く方法

私(ぽん乃助)
HSPの働き方に関する4回目の対談を実施しました!対談で分かったことや気づいたことをまとめていきます!

 

 2019年4月9日、HSPの働き方に関する4回目の対談を実施しました!

 HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な性格の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)

 HSPの人は、繊細で敏感な性格がゆえに仕事で悩みを抱えやすく、「どのような仕事が向いているのか?」ということについては、大きな課題とされています。

 そのため、HSPにとっての最適な働き方を探るべく、色んな方々と対談を実施しています。

 前回の対談の模様も記事にまとめておりますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!

 

 

 今回は、HSP専門キャリアコンサルタントとしてご活躍されている、みさきじゅりさんをお相手に迎えました。

 2018年末には本の出版もされて、HSP界隈では、かなり有名な方でもあります。

 今の働き方や就職に悩むHSPの人々と向き合ってきたみさきじゅりさんだからこそ、お話にリアリティがあり、HSPの人の働き方を考えるにあたって、参考になるお話をたくさんうかがうことができました。

 当日の対談は大変盛り上がり、気づいたら2時間経っている…という状況でした。笑

 対談で見えてきた「HSPの適職や仕事の悩み」や「働きやすい職場を見抜く方法」について、書き綴っていきたいと思います。




 

対談の概要について

(1)対談の趣旨

日時:2019年4月9日(日)14時00分~16時00分

場所:澤井珈琲店(銀座)

 さて、今回は、東京都の銀座にある、「澤井珈琲店」という喫茶店で対談を実施しました。

 銀座の賑やかな町中にあるにもかかわらず、店内は程よく静かな雰囲気で、非常に対談がしやすい雰囲気にありました。

 鳥取県発の珈琲店と言うことで、コーヒーも美味しくいただきました。

 

 さて、いつもと同じく、今回の対談に至る経緯をご説明したいと思います。

 HSPの人は、繊細で敏感な性格がゆえに仕事で悩みを抱えやすく、「どのような仕事が向いているのか?」ということについては、インターネット上で多くの回数が検索されており、大きな課題とされています。

 HSPの人にとっての適職は、本などでは次のとおり、記載されています。

【HSPの人にとっての適職】

・画家や音楽家、詩人、小説家、写真家、俳優、舞台監督や映画監督などの芸術家(HSPの持つ豊かな情感やイマジネーション、鋭い感受性やひらめきを活かせる仕事)

・デザイナー、カメラマン、コピーライター、イラストレーターなどのクリエイティブな業種(ひらめきやセンス、感受性といったものが要求され、1人で机や作業台に向かって自分のペースで行える仕事)

・企画営業などの自身の企画をクライアントに提案する職種(一般組織における、アイデアやひらめきを大切にする仕事)

・商品の開発や商品の欠陥チェックなどの敏感なセンサーを用いる職種(一般組織における、敏感な感覚や直観力、粘り強さを活かせる職種)

参考:長沼睦雄(2016)『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』青春出版社

 

 でも、私ははじめてこれを見たときに、HSPの人がこうした適職に就くのはハードルが高いんじゃないかと思ったんですね。

 職場の状況なんて、会社の中に入ってみないとわかりません。

 そして、日本はジョブローテーションを行う会社も多いですから、もし自分に合う仕事にありつけたとしても、その仕事をやり続けることは難しい状況にあります。

 その問題意識が私にはあったため、適職を求めて、転職や独立をしたことで、逆にミスマッチで後悔したHSPの人も多いのではないかと思っていました。

 そこで、Twitterで、転職などを行ったことのあるHSPの人を対象に、アンケートをとってみました。

 そうすると驚くべき結果が分かりました…!

 なんと、「転職などを行ったことで、働きやすくなった」と答えた人が、85%以上も占めていたのです!

 「以前の環境の方が良かった」と答える人がもっと多いと思ったので、この結果には驚くとともに、この結果を見て、私は「HSPの人が適職を求めて、転職などを行うことは合理的!」だという結論に至りました。

 このアンケートの結果を踏まえ、たくさんの仕事が溢れる中で、HSPのより良い働き方を追い求めるべく、HSPの方々などを対象に対談を続けて実施しています。

 

(2)対談のお相手(みさきじゅりさん)について

・ご自身がHSPの気質で仕事に悩み、後に受け入れられた経験を踏まえ、キャリアコンサルタントとして、主にHSPの方々を対象に、一人ひとりの働き方に向き合っています。

・アーロン博士(HSPという概念の生みの親)の「HSP専門家認定プログラム」に日本で初めて合格した人でもあり、HSPの働き方に関する本も出版されています。何よりも多くのHSPの方々の働き方に関して向き合っているということもあり、お話される内容も濃く、とても説得力がありました。

・とはいえ、とても気さくでお話ししやすく、本音トークの詰まった対談になりました。以前は、外国人相手にキャリアを取り扱う仕事をされていたということで、恐らく英語がペラペラなんだろうな~…と思いました。笑

みさきじゅりさんの公式HP→こちら

みさきじゅりさんのTwitter→こちら

【みさきじゅりさんの著書】

 

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対談を通じて分かったこととは?

(1)HSPの人に共通する仕事の悩みについて

 数多くのHSPの人の働き方に向き合ってきたみさきじゅりさんに、まずは、HSPの人に共通する仕事の悩みがあるのかを聞いてみました。

私(ぽん乃助)
HSPの人に共通する仕事の悩みはあるのですか?

みさきじゅりさん
HSPの人は、働き始めに苦労し、仕事を覚えてくると誰よりも仕事ができるようになる傾向があります。企業の中には、成長を待ってくれないところもあるので、働き始めて間もないときに周りから責められ続け、その結果、「この仕事は私に向いていないのではないか…?」と悩まれている方をよく見かけます。

 

 これには、私もかなり共感しました…。

 みさきじゅりさんは、HSPの人の成長曲線を、著書の中で次のとおり図解しています。

【上記画像はクリックすると拡大表示されます】

 私もそうなのですが、慎重タイプの多いHSPの人は、断片的な情報で仕事を進めるのは不安になってしまう傾向があるのではないかと思います。

 だからこそ、情報が少ない働き始めのときは、苦労される方も多いのではないでしょうか?

 逆に、長く続けられた場合には、周囲の人と同等に、もしくはそれ以上に仕事ができる経験をしている人も多いのではないでしょうか?

 恐らく、不安がゆえに、人一倍情報を覚えようとするからではないかと思います。

 だからこそ、たくさんの情報を自分のものにして、花開くときには、一気に爆発的に成長するのではないかと思います。

 私の経験では、これは仕事に限らず、スポーツでもこんな傾向にありました。

 以前に、みさきじゅりさんが提唱したこの成長曲線の解説とこれを踏まえた働き方の戦略について、以前に記事にまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。

 

 

 さて、HSPの人は働き始めの成長が遅く、周りから責められしまってツラい傾向にあるということでしたが、これをうまく回避する方法はあるのでしょうか?

 社会人1年目のときに、パワハラという形で上司から応酬を受けていた私も気になる点でしたので、聞いてみました!(笑)

私(ぽん乃助)
私も働き始めは苦労した経験がありますが、このツラさをうまく回避する方法はあるのでしょうか?

みさきじゅりさん
大事なのは、入社前から自分の成長ペース(最初は成長が遅くて、花が開くと活躍できるということ)を主張することです。そうすることで、働き始めの期待値が下がり、周りからも責められにくくなります。

 

 これには、なるほど…と思いました。

 企業としては、働き始めの成長が遅いことを承知のうえ、採用していることにもなりますし、確かに周りからは責められにくくなると思います。

 これは、入社後も自己紹介などのときに、新しく入る職場でも周りに伝える意味で、言っておくことも大事になりそうですね。

 「即戦力」というコトバをよく耳にしますが、そのコトバに触発されて、自分も「即戦力」になれないかという観点で、就職活動や転職活動をする人も多いのではないかと思います。

 「即戦力」であることをアピールした方が、企業にとってもウケそうなイメージもありますが、HSPの成長曲線を考えると、もし入社できたとしても、入社後にツラい思いをすることに繋がってしまうのではないかと思います。

 そのため、HSPの成長曲線(最初はなかなか成長できずにうまくいかなくて、続けていると誰よりもうまくなる)を証明できるようなエピソードがあれば、それを採用面接時や入社直後に、率直に伝えることが大事なのではないかと思います。

 これは、対談中にみさきじゅりさんが仰っていたのですが、採用においては、企業側も、就職活動(転職活動)側も、公平に考えることが大事だということでした。

 もちろん、採用面接や職務経歴書などでは自分をどのように見せるかということは大事ですが、企業に合わせて自分を演出するのではなく、自分のことを率直に伝えることが、入社してから「この仕事が合わない…」と悩まされないためにも、大事なのだと思いました。

 そして、対談の中で、次のようなお話もいただきました。

みさきじゅりさん
HSPの人は、真面目で責任感の強い人も多く見受けられます。

私(ぽん乃助)
私自身も、ストレングスファインダーで上位に「責任感」が入っており、「~しなければいけない。」という気持ちが先行し、ツラいときもあります。うつ病になる人は、「責任感」が強い人も多いと言いますし…

みさきじゅりさん
「責任感」の強い人は、「責任を感じないようにしよう…」と思えば思うほど、ストレスがたまります。そのため、責任感の強い自分をありのまま認めることが大事なのだと考えています。

 

 HSPの人の生きづらさを軽減するための基本は、ありのままの自分を受け入れることだと言われます。

 「責任感」の部分も同じであり、自分が「責任感」が強い人だと認識し、それを受け入れることで心の余裕が生まれるのだと思いました。

 逆に、周りと比べすぎると、「自分も、あの人のようにならなきゃいけない…」という気持ちが強くなって、心の余裕がなくなり、生きづらさにつながるのだと思いました。

 

(2)HSPの人の適職について

 さて、多くの人が気になるであろう「HSPの適職」について、伺ってみました。

私(ぽん乃助)
HSPの方々の働き方に向き合ってきた中で、「HSPの適職」といえるものはあるのでしょうか?

みさきじゅりさん
HSPとはいっても、一人ひとり性格も生まれも違うため、これと断言できる「適職」はありません

私(ぽん乃助)
たしかにそう考えると、一概に「これが適職」だといえるものは無いですよね…。

みさきじゅりさん
それぞれの人にとって、職場に求めるものが違うし、それをすべて満たす会社もありません。そのため、職場に求めるものの優先順位をつけることが大事です。ただ、HSPの人にとっては「やりがい」、「休日」、「人間関係」や「給料」など、仕事に求める色んな条件を優先順位で割り切ることが難しいため、キャリアコンサルタントとしてはそこに難しさを感じています。

 

 たしかに、自分に置き換えてみても、仕事に求める条件を割り切ることは難しいと感じます。

 HSPの人は、些細なことが色々と気になってしまうため、どうしても、一概に「これが適職」だと言えるものはないと思いました。

 キャリアコンサルタントの立場として、みさきじゅりさんは、次のことも仰っていました。

みさきじゅりさん
キャリアコンサルタントとしては、クライアントと一緒に、潜在的な部分も含めて、本人の性格や能力を徹底的に見つけ出すようにしています。企業から採用されるためにも、入社後のミスマッチを防ぐためにも、この点は大事にしています。

 

 仕事で自分らしさを発揮するためには、その会社に自分の能力を活かせるフィールドがあるかどうかということが大事であり、そのためにも、ありのまま伝えられる自分の性格や能力を発掘することが大事なのだと思いました。

 さて、本ブログの前回の記事では、人の性格や意識について、次のとおり考察しました。

【上記画像はクリックすると拡大表示されます】

 人の性格や意識、そして能力も、氷山のように自分自身でも認識しづらい部分が多く占められていると思っています。

 キャリアコンサルタントのお仕事というのは、お客さん(クライアント)と一緒に、その部分を見つけることなのだと思いました。

 今のままの仕事を選ぶのも、違う仕事を選ぶのも、最後にその選択を委ねられるのはお客さん(クライアント)自身ですが、入社後のミスマッチを防ぐ意味でもキャリアコンサルタントの存在というのは、とても大事なのだと思いました。

 

(3)HSPの人が働きやすい職場を見抜く方法について

 さて、HSPの人にとっての適職は人それぞれだということが分かりましたが、HSPの人にとって働きやすい職場の特徴はあるのではないかと思い、質問してみました。

私(ぽん乃助)
HSPの人にとって、これだけは外せないといえる「働きやすい職場の特徴」というのはあるのでしょうか?

みさきじゅりさん
HSPの人にとって一番大事なのは、職場の雰囲気です。具体的には、その職場の雰囲気として、じっくりと考えることが許されたり、小休憩を取ることが許されたり、自分のペースが保つ余裕があることが何よりも大事です!

 

 たしかに、私も職場では、ペースを保つために色々な工夫をしており、HSPの人にとってはペースを保つことが本当に大事だと思っています。

 そもそもペースを保てる雰囲気が職場にないと、体力や気力が続かないですからね…。

 でも、会社の雰囲気って、就職活動時や転職活動時に、見抜くことができるのでしょうか?

 大体、企業の採用広告や企業説明会では、良いことばかりを並べていて、参考にならないことがとても多いですよね!

 なので、質問をぶつけてみました。

私(ぽん乃助)
でも、職場の雰囲気って外から見抜くのは難しいですよね?見抜く方法ってあるのですか?

みさきじゅりさん
外からは見抜くことはできません。そのため、採用面接の時に聞いてしまえばいいのです

私(ぽん乃助)
え、そんなことってありなんですか!?

みさきじゅりさん
以前に企業の面接官もやっていたことがありますが、本音で職場の雰囲気を聞いてくれた方が、真剣味を感じるものですよ。

 

 これは本当に目からウロコでした!

 採用面接の途中で、面接官が自由に質問をしてもよい時間を取ってくれることも多いですが、変に探られると思って質問をしなかったり、採用側にウケるような質問をしてしまうことも多いのではないでしょうか。

 でも、確かに、面接官の立場で考えてみると、本音で質問をしてくれた方が、真剣味を感じますよね!

 ここまでも、採用面接のあり方について、みさきじゅりさんから色々とお話がありましたが、次の考え方が根底にあるため、こんな発想が生まれるそうです。

みさきじゅりさん
採用面接は、採用側と面接を受ける側が公平であるべきだと思っています。

私(ぽん乃助)
…というと?

みさきじゅりさん
採用側は能力や性格を引き出して、そこに惹かれたら採用しているので、面接を受ける側も同様に採用側(企業)の情報を引き出すことも大事だと思うのです。

私(ぽん乃助)
でも、入ってみて違う場合もあると思います…。

みさきじゅりさん
そんな会社は、その程度の会社だと思って、割り切ってやめた方が良いと思っています。

 

 はじめは大胆な発想だと思いましたが、採用面接では双方が公平にあるべきというのはとても合理的であり、更には双方にとって一番気持ちの良いコミュニケーションが交わせるのではないかと思いました。

 就職活動や転職活動を経験した私にとっては、もっと早く知りたかったという思いでおりました…笑

 とても実践的で参考になるアドバイスだと思いましたので、就職活動や転職活動をこれからする人は、ぜひ、採用面接では双方が公平にあるべきという考えを参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

(4)HSPの人が長所を活かすための働き方について

 HSPの人の特徴として、DOESというものが挙げられます。

 このDOESについて、ざっくり次のとおり解説します。

【HSPの4つの特徴】

D(Depth of processing、処理の深さ):
ある事柄に対して深く考える特徴

O(Overarousal、神経の高ぶりやすさ):
気分の上下が激しい特徴

E(Emotional intensity、強い感情反応):
相手の気持ちへの共感力が強い特徴

S(Sensory sensitivity、感度のするどさ):
些細なことを察知する特徴

※引用(一部改変):みさきじゅり(2018)「ささいなことに動揺してしまう敏感すぎる人の『仕事の不安』がなくなる本」秀和システム
青字は、本ブログ主の解釈部分

 さて、この特徴を強みに変えて仕事に活かせないものかと思い、質問をしてみました。

私(ぽん乃助)
HSPの人の特徴として、DOESが挙げられると思いますが、これを強みとして活かせる働き方はあるのでしょうか?

みさきじゅりさん
どんな会社でも、自分のDOESに着目すれば、仕事に活かせる部分があると思います。たとえば、E(共感性)に着目すれば、人の反応を踏まえた対応が上手である(もしくは上手になる潜在能力がある)といえると思います。

私(ぽん乃助)
それは、確かに私も得意だと思いますし、周りの人にもそう言われます。

みさきじゅりさん
今後、AIによって仕事が置き換えられるとも言われますが、このような人間の些細な反応まで見て行動するということは、AIにもできないと思いますし、ますます重要になってくると思います。

 

 なるほど、確かに自分のDOESに着目して考えてみると、強みとして仕事に活かせる部分がたくさん自分の中に眠っているのかもしれません。

 自分のDOESを信じるとともに、自分に眠っている強みを引き出すために、「今日は、D・O・E・Sのどれか一つに着目して、仕事をしてみよう…。」みたいな形で、実際の行動に移してみることが大事だと思いました。

 私は、さらに、こんな質問もしてみました。

私(ぽん乃助)
対談の冒頭の話題でもありますが、HSPの人は能力を発揮しづらい働き始めの時期は心に余裕を持てないため、自分の強みどころか、何とかついていくだけでも精一杯になるかもしれませんよね?

みさきじゅりさん
お話のとおり、働き始めでは強みを活かすということも考えづらいかもしれません。同じ仕事を長く続けることで強い力を発揮することのできるHSPの人は、仕事において好きなことや向いていることを追い求めるのではなく、体力や気力が続く働き方をすることが何よりも大事だと思うのです。

 

 これは、本当に身に沁みる意見でした。

 仕事観において、野球選手のイチローは「好きなことを見つけることが大事」と言っており、テレビで活躍中の林修先生は「好きなことではなく、向いていることを仕事にするのが大事」と言っています。

 成功している2人が、矛盾していることを言っているようですが、そうではありません。

 2人とも、好きなこともしくは向いていることを追い求めた結果、「続ける」ことができたわけです。

 まさに、みさきじゅりさんはこのことを仰っているのではないかと思いました。

 HSPの人は疲れやすい特性があるので、体力や気力が「続く」働き方が何よりも大事…これは、今後のキャリアアップを考える意味でも、意識していかなければいけないと思いました。

 

(5)HSPの人が今の仕事を辞めるかどうかの判断について

 さて、現在、お仕事をされている人の中にも、「転職したいけど、なかなか今の仕事を辞める判断がつかない」と考えている人がいるのではないでしょうか。

 過去の対談でも聞いてきましたが、HSPの人が今の仕事を辞めるかどうかの判断について、質問してみました。

私(ぽん乃助)
みさきじゅりさんのもとには、今の仕事に悩む人も多くいらっしゃると思いますが、その人が辞めるべきかどうかの判断はどのように考えているのでしょうか?

みさきじゅりさん
辞めるべきかどうかは、最終的にはご自身に判断いただくこととなります。キャリアコンサルタントとしては、嘘偽りのない本当の気持ちを引き出すことをサポートするのが使命であり、そのうえで判断してもらっています。例えば、その人にとって、今の仕事を辞めた場合の細かいシミュレーションをやってみたりします。

 

 やはり仕事を辞めるというのは、最後は自分で決断しなければいけないですし、人によって生活への影響度も違うため、勢いで決断するのはダメだと思いました。

 そして、みさきじゅりさんは次のことも仰っていました。

みさきじゅりさん
ハラスメントされているのであれば、すぐに辞めた方がいいです。理由は、もっといい会社があるのが明白だからです。

 

 私もパワハラをされた経験がありますが、当事者になると、自分を過度に責めてしまい、なかなか仕事を辞められないものなのです。

 だからといって、ガマンし続けると、心身に大きな傷を残すことになります。

 そのため、このみさきじゅりさんのコトバはとても心強く感じました。

 私自身もハラスメントの被害者だった経験がありますが、そのときにガマンしすぎた自分への反省も込めて、ハラスメントで悩んでいる方には退職も視野に入れて、身の振り方を考えることをオススメしたいです!

 なお、私のパワハラされた経験や教訓をまとめた記事は以下にまとめておりますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください!

 

 

 

(6)「HSP」が有名になってきたことについて

 さて、最近は「HSP」自体の認識が高まってきました。

 そのことについて、以前から「HSP」に向き合ってきたみさきじゅりさんと、改めて「HSP」について語り合いました。

私(ぽん乃助)
「HSP」って最近、有名になってきましたよね。私は自分の生きづらさがHSPに起因するものだと分かったことで救われ、成長するきっかけになりました。一方で、Twitterなどを見ると、HSPによる繊細で敏感な気質を言い訳にするようなコメントを散見するようになりました。私は、自分が「HSP」だと知り、そこに泣きつくのではなく、それをどう未来に活かすのかが大事だと思っています。

みさきじゅりさん
私は、「HSP」に泣きつく時期があっても良いと思っています。ただ、長期的に「HSP」に泣きつくのは私もダメだと思います。「HSP」のドキュメンタリー映画”Sensitive – The Untold Story”でも触れられていましたが、「HSP」がマイノリティ運動になることは、私も、不本意だと考えています。

 

 この点については、とても良いお話ができました。

 人は悲しいことや苦しいことがあると、すぐに立ち直ることができず、時間とともに心が回復していきます。

 自分がHSPだと気づくのは悩みがきっかけの場合が多いため、そこに泣きつく時期(逃げる先)があるのは心の平穏にもつながるので、大事だと思います。

 一方で、HSPだと言い訳し続けても、誰も助けてはくれません。

 どこかで、自分を変える(もしくは環境を変える)タイミングがないと、根本的な生きづらさを改善することにつながらないと思うのです。

 HSPが有名になってきた今、もしかすると、「自分はHSPだ…」と意識するのではなく、「自分らしさを活かすためにはどうすれば良いのか…?」という考え方に徐々に変えていくことが大事かもしれませんね!

 以前、本ブログの記事に、HSPを言い訳にすべきでない理由をまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください!

 

 

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まとめ

【本対談で分かったこと(推測含む)】

①HSPの人に共通する仕事の悩みについては次のとおり!

・HSPの人は、仕事で大器晩成(遅咲き)タイプの人が多いため、働き始めは成長が遅く、周りから責められしまってツラい傾向にある。

・この対策としては、採用面接時や入社直後において、自分の成長タイプ(最初はなかなか成長できずにうまくいかなくて、続けていると誰よりも成長できること)をエピソードとともに伝え、自分の働き始めにおける周囲からの期待値を下げておくことが大事である。

・また、HSPの人は責任感が強い人も多い傾向にある。「責任を感じないようにしよう…」と思えば思うほど、ストレスがたまるため、責任感の強い自分をありのまま認めることが大事である。

 

②HSPの人の適職は、次のとおり!

・HSPとはいっても、一人ひとり性格も生まれも違うため、これと断言できる「適職」はない。

・大事なのは、潜在的な部分も含めて、自分の性格や能力を徹底的に見つけ出すことであり、その点を採用面接でうまく主張することである。その点を評価して採用した会社は、自分の性格や能力が活かせるフィールドがあると判断できる。

 

③HSPの人が働きやすい職場を見抜く方法は次のとおり!

・HSPの人にとって一番大事なのは、職場の雰囲気として、じっくりと考えることが許されたり、小休憩を取ることが許されたり、自分のペースが保つ余裕があることである。

・そのような職場の雰囲気があるかどうかを見抜く方法は、採用面接時に聞いてしまうことである。採用面接のときに、遠慮せずに聞くことで、採用側にとっても真剣度が伝わりやすい。

・このように、採用面接の場では、採用側と面接を受ける側が公平な立場であるべきである。採用側は能力や性格を引き出して、そこに惹かれたら採用しているので、面接を受ける側も同様に採用側(企業)の情報を引き出すことも大事である。

 

④HSPの人が長所を活かすための働き方は次のとおり!

・HSPの特徴である、DOESに着目して働いてみると、長所を仕事に引き出せるようになる。

・たとえば、E(共感性)に着目すれば、人の反応を踏まえた対応が上手である(もしくは上手になる潜在能力がある)といえる。

「今日は、D・O・E・Sのどれか一つに着目して、仕事をしてみよう…。」みたいな形で、実際の行動に移してみることで、自分の長所を仕事に引き出せるようになる。

・また、同じ仕事を長く続けることで強い力を発揮することのできるHSPの人は、仕事において好きなことや向いていることを追い求めるのではなく、体力や気力が続く働き方をすることが何よりも大事である。

 

⑤HSPの人が今の仕事を辞めるかどうかの判断は次のとおり!

・仕事を辞めるのは、自分の心にしっかりと問い、決断しなければいけない。人によって生活への影響度も違うため、勢いで決断するのはダメ。

・ただし、ハラスメントされているのであれば、もっと良い職場があるため、すぐに辞めた方がいい。

 

⑥「HSP」が有名になってきたことへの見解は次のとおり!

・人は悲しいことや苦しいことがあると、すぐに立ち直ることができず、時間とともに心が回復する。

・自分がHSPだと気づくのは悩みがきっかけの場合が多いため、そこに泣きつく時期(逃げる先)があるのは心の平穏にもつながるので、大事である。

・しかし、HSPだと言い訳し続けても、誰も助けてくれず、どこかで自分を変える(もしくは環境を変える)タイミングがないと、根本的な生きづらさを改善することにつながらない。

・HSPが有名になってきた今だからこそ、「自分はHSPだ…」と意識するのではなく、「自分らしさを活かすためにはどうすれば良いのか…?」という考え方に徐々に変えていくことが大事だと考えられる。

 

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おわりに

 さて、今回の対談でも、大変有意義な時間を過ごすことができました。

 対談にご協力いただいた、みさきじゅりさん、本当にありがとうございました。

 この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

 今回は、HSPの方々の働き方について、誰よりも向き合っているみさきじゅりさんだからこそ、とても説得力のあるコメントが多々ありました。

 特に、「採用面接の場は公平であるべき」という考え方は今まで持っておらず、採用(企業)側にとっても、面接を受ける側にとっても、雇用のミスマッチを防ぐためにはとても大事だと思いました。

 また、みさきじゅりさんの職業であるキャリアコンサルタントという仕事は、日本ではあまり馴染みがない方も多いと思います。

 キャリアコンサルタントに限らず、個人的にコンサルタントやカウンセラーを利用するという機会は、あまりないかもしれません。

 しかし、今回の対談を通じて、コンサルタントやカウンセラーの職業的意義を感じることができましたし、もっと気軽に利用できる風潮が社会にもできると良いなぁ…と思いました。(私も以前に、メンタルカウンセリングを受けたことがあり、とても有用だったので…。)

 今後も、HSPの人にとっての理想の働き方を追い求めるべく、引き続き対談を実施していきたいと思います。

 それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。

 もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。

 それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!

 

※2019年4月27日に、第5回対談を実施しました!

 

 

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プロフィール

 

名前:ぽん乃助

 

社会の荒波に揉まれ、猫の皮を被ることになった繊細な人間。世の人間たちの間では、繊細な気質のことをHSPと謳って色んな情報が溢れる中、猫の穿った目線で処世術のヒントっぽいことを呟く。猫パンチのない、穏やかな世界が好き。箱の中で生死を待つのではなく、箱の外に出ることを選択するシュレーディンガーの猫になりたい。

 

 

 

 

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