HSPの会社員が精神摩耗したらまず最初に何をするか?
久々のブログの更新となります。
私はここ最近、心身の負荷により、急に糸がプツッと切れてしまった感じで、精神摩耗してしまいました。
この状況は初めてではないため、今回は冷静に初動対応できたのではないかと思います。
HSPを自認している会社員の方で、精神摩耗したけど、どうすればいいのかわからず、「とにかく我慢」をしている人も多いのではないかと思います。
私自身、気持ちが落ちている状態にはおりますが、この状態だからこそ、読者の皆さんに参考になることが書ける気がしたので、自分の気持ちの整理も兼ねて、「精神摩耗したらまず最初に何をすべきか?」ということをテーマに、久々に綴っていこうと思います。
この記事の目次
まずは自分のSOSサインに気づくこと
(1)どこからが大丈夫で、どこからが大丈夫じゃないのか?
日々、お仕事をしていると、誰もが当然疲れることになります。
そして、自分の疲労度と関係なく、誰にも等しく明日が訪れるため、疲れている状態で働かなければいけないことも多々あります。
社会人として、「自分がどう思うか」という主観のみならず、「周りがどう思うのか」という客観を踏まえて生きていかなければいけないため、時にはエゴを我慢して生きていかなければなりません。
そうした中で、特に心の調子という意味では、「どこまでが大丈夫か、どこからが大丈夫でないのか」という境界が分かりづらく、気づいた時には、重度の精神疾患に陥っていることもあります。
また、「疲れる前に休むことが大事」だとも言われますが、「疲れる前」がどう言う状況かというのも曖昧です。
私は過去に2回ほど、精神的な不調に陥っていて、今回は3回目の精神的な不調となりました。
そんな私が、自分なりに「どこまでが大丈夫か、どこからが大丈夫でないのか」という点をまとめていきます。
結論から言うと、次の3点のいずれかの状況、あるいはいくつか当てはまる状況に陥ったら、何らかの特別な対処が必要だと思っています。
【自分自身のSOSサイン】 ①体の不調が現れること ②気分の自制がきかなかったり、無気力状態が現れること ③日常生活で億劫になること ※あくまで私自身の実体験に基づくものです |
「①体の不調が現れること」については、私の場合は、過敏性腸症候群という持病を持っており、それが悪化していました。
「②気分の自制がきかなかったり、無気力状態が現れること」については、私の場合は、職場で怒りや涙が抑えられないといった場面がありました。また、ボーッとする時間が増えるなど、無気力状態がよく発生するような場面もありました。
「③日常生活で支障が出ること」については、私の場合は、眠りづらくなっていたり、お風呂に入るのが億劫になっていました。
今回は、私はこの①〜③の状況になった瞬間に、我慢せず対処をとることにしました。
ただ、この①〜③は個人差があると思いますので、「いつもの自分と違う」という違和感が、自分のSOSだと考えて良いと思います。
おそらく昔の自分なら、この①〜③の状況であっても、さらに無理して、状況を悪化させていたと思います。
(2)心の不調には決して明確な原因があるわけじゃない
心の調子が良くないと誰かに伝えると、「原因はなに?」と、聞かれることが多いです。
ただ、実際には心の不調には、原因が不明であったり、原因がなかったりすることもあります。
有名なのは、Holmes(ホームズ)らが1968年に発表した出来事に対するストレスの指標です。
このストレスの指標自体は、古い概念であるため、信憑性自体は否定的にみられることもありますが、この指標での示唆は、「結婚」「妊娠」「特別な業績」といったポジティブな出来事であっても、ストレスになり得るということです。
私自身は、現在の職場で問題児とされる上司と同じ生活を送っていることや、プライベートで祖父の介護・婚活の失敗・試験の失敗などが重なり、これといった決定打となるストレスはなかったものの、気付かぬうちにストレスが溜まっていき、急に糸がプツッと切れたように心が脆くなってしまったという状況にあります。
ただ、このように原因を考えすぎたって、心の不調が良くなるわけではありません。
原因を考えたくなる気持ちはわかるものの、これという原因が分からない場合は、ポジティブな出来事でさえストレスにつながることもありますし、原因が複数絡み合っている場合もあるので、あまり考えすぎない方が良いと思っています。
なお、私は過去に、パワハラをきっかけに心身の不調に陥ったことがあり、こうした明確な原因がある場合は、これから伝える内容とは異なる対処法が必要だと思っています。
パワハラに悩んでいる方には、以前、対処法を記事にまとめたことがあるので、そうした方は以下リンクの記事をご参考にしていただければと思います。
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会社員が精神摩耗したらまずすべきこと
(1)すぐに休んで病院に行く
さきほど、私が考える自分自身のSOSサインを挙げましたが、これに関わらず何らか異変を感じたら、すぐに会社を休んで、病院(心療内科もしくは精神科)に行くことを検討しましょう。
ただ、心療内科や精神科が混んでいる場合もあり、その日や次の日に予約を入れられない場合もあるので、できる限り早い日で予約しておくことが大事です。
病院に行くと、「どういうことに困っているのか?」という問診を受けることになりますが、特に初めての人の場合だと、精神的な症状を伝えることは難しいです。
混んでいる病院の場合だと、長い時間の診察を受けられない場合もあり、端的に症状を伝えることが大事になってきます。
そのため、病院に行く前に、医師に伝えたいことをメモにまとめておくと良いと思います。
特に、「どういう症状で困っているのか?」「日常生活でストレスとなっていること(無い場合は無理に考える必要はない)」をまとめておくと、診察でスムーズにコミュニケーションすることができます。
特に、精神的に参っているときは、問診の場で自分の状況を冷静に伝えることが難しい場合もあるため、簡単でも良いのでメモでまとめておくと、「あとでこれも伝えておけばよかった」ということが少なくなります。
私の場合、今回は、「気分の制御がきかない場合があり、職場で感情が抑えられなかったり、不眠などの生活的な支障がある」という伝え方をしています。
そして、医師から、薬の処方と、会社に伝えるべきこと(業務を制限すること)を教えてくれる形となりました。(初診の場合は、血液検査等が行われる場合もあります。)
(2)会社の上司と人事に、病院に行っていることを伝える
病院に行っていることを隠しながら働くという選択肢もありますが、あまり私は好ましくないと思っています。
当然、病院に行っていることをネガティブに捉えられる場合もあり、また会社に告げることも心的負荷が大きいですが、会社に自分の状況を知ってもらうことで安心感につながりますし、実情として業務の調整等が行われないと余計に状況が悪化する場合もあると思っています。
特に、HSPの方は、良くも悪くも「環境」に影響を受けやすいとされています。この「環境」については、対人関係も含まれていることが示唆されています。
差次感受性の枠組みは、感受性と対人社会的な環境との関係を考えるうえでも有益な見方を提供してくれる。この枠組みにもとづけば、感受性の高い個人は、対人関係の質に応じて「良くも悪くも」影響を受けやすい。たとえば、感受性が高い個人が、自身と非適合的な集団に置かれたとき、ネガティブな結果が生じやすいだろう。一方で、自身と適合的な集団のなかでは、それによる良好な影響を受けやすく、良いパフォーマンスを発揮するかもしれない。
引用:飯村周平(2021)「HSP(Highly Sensitive Person)の考え方」 臨床心理学122,209-215
そのため、業務量のみならず、対人関係でストレスを抱えているのであれば、職場の人間関係を含めて、会社にきちんと自分の状況を伝えて、調整していくことが好ましいと考えられます。
また、諸事情で、会社の上司に伝えたくない場合は、人事に直接伝えることが好ましいと思います。
ただ、上司に伝えずに、人事に直接伝えると、若干の荒波が生じる可能性もあるため、上司に伝えることが可能な場合は、人事のみならず、並行して上司に伝えたほうが無難です。
(3)休職すべきか?業務の調整にとどめるべきか?これまでどおり働くか?
会社にこうしたことが伝えられない場合は、転職という選択肢もあると思います。
ただ、ここでは「転職しない」という前提の場合のことについて、お伝えしていきます。
精神的な不安を抱えた場合に、「休職すべきか?業務の調整にとどめるべきか?これまでどおり働くか?」といった、選択肢が現れます。
当然、この選択肢に関しては、医師や会社と相談して決めていくことになります。
ただ、実体験からすると、医師や会社から「あなたはどうしたいですか?」ということで、こちらの意思を確認される場合があります。
精神が摩耗している状態ですと、案外こういう質問に対して、自分の意に反して答えてしまったり、自分の本当の意思がわからない場合もあります。
SNSでは、この選択肢に関して、「とにかく休むべき(休職)」ということで一辺倒に語られることが多いです。
当然、状況が良くなければ『休職』が好ましい選択肢となります。
しかし、『休職』だけが、万人に当てはまる正解ではないということも押さえておく必要があると考えます。
それは、休職には、一定のデメリットもあるためです。
特に、私が最大のデメリットだと考えるのは、「復職が想像以上に大変」だということです。
自分の周りにも復職がうまくいっていない人がいますが、個人差はあるものの、仕事に生きがいを見出している人も一定数おり、「周りの人と同じように働くことができない」ということ自体に対しても、精神状況のさらなる悪化につながるケースもあります。
そのため、会社に業務を調整してもらいつつ働く、というのも一つの選択肢になるわけです。
一方で、精神的に悪化しているのに、今までどおりに働くということだけは、私はおすすめしません。
ただ、本当に状況が良くないのであれば、『休職』一択になります。
ここは自分の状況を最優先して、医師や会社と相談しつつ、決めることが大事だと思います。
少なくとも、医師や会社に気を遣って、自分の意に反する選択肢だけは取らないことが大事だと思います。
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私がこれからしていくこと
(1)よりストレスを受けづらい考え方にアップデートする
ここからは、私がこれからしていこうと思っていることを話します。
個人差が大きいと思う部分でもありますが、おそらく、似通った悩みの人も少なくないと思うので、自分の気持ちの整理も兼ねてお話していこうと思います。
こういう状況に陥ると、「今の自分の考え方が悪い」と考えてしまうのですが、そう考えてしまうと自責的思考が強くなってしまうので、「よりストレスを受けづらい考え方にアップデートする」ということを、カウンセリングも受けながら、これから考えていこうと思っています。
具体的には、私は以下の方向性で、考え方をアップデートしようと思っています。
①目標を高く掲げすぎない ②相手にノリを合わせすぎない |
まず、「①目標を高く掲げすぎない」ということです。
目標を高く掲げるということは良いこととされがちですが、私自身の経験では、努力をしてあと一歩のところで成功に手が届かないということが、あまりに多かったです。
この原因は、「努力不足」ではなく、「センス不足」のところに起因していることが、多かったなと思います。
目標を高く掲げることで、成長スピードは確実に早くなりますが、その一方で、成果が出ないと「焦り」というストレスを抱えることになります。
若いときは、成長をするために上を目指していくということも大事だと思うのですが、ある程度の歳になると、自分の限界が見えてきます。
私自身も、「理想」と「自分の限界」の乖離が見えるようになってきました。
また、私は30歳という節目を迎え、周りで大きな成功を掴んでいる人から煽られることもありますし、結婚についても煽られることもあります。
そうした中で、私は今年、高い目標が(かないそうで)かなわなかったり、婚活が(うまくいきそうで)うまくいかなかったり、いつものように、あと一歩のところで失敗をしてしまい、自分自身の生きている価値を疑うようになってしまったわけです。
でも、これは自分にとっていずれも、目標と高く掲げすぎていたのだと思います。
だから私にとっては、目標をどこに見据えるのかということが、今後の課題だと思っています。
次に、「②相手にノリを合わせすぎない」ということです。
自分では言い憚られるものの、私の特技は、基本的に相手のノリに合わせられます。
というより、「相手に合わせなきゃ」という本能が働き、相手のノリの温度感まで勝手に持っていってしまうのです。
これをすると、何が起こるかというと、何でもかんでも自分に質問などがされるようになってしまいます。
職場の電話やメールも、他の人に比べて2倍くらい多い状況にあり、ぜんぶ捌けてしまっていました。
これは、プライベートでも同じく、誰かに何かを頼まれることが多くて、学生の時から、頼られることが多かったのです。
ただ、自分のキャパシティを超えてしまったときに頼みを断ったり、相手の意見と違うことを言ったりすると、悪口を言われたり、急に嫌な態度を取られたり、ある意味、人間関係で標的にされやすい性質を持っています。
私は、長い間人間関係で悩むことが多かった中で、最近わかってきたのは、自分に仲良くしてくる人が「A.自分を踏み台として見ている人なのか?」もしくは「B.自分を一人の人間として認めてくれているのか?」、大きく分けるとこの2種類に分かれることです。
このA.の人に対しては、優しさで尽くしても、途中で裏切られて、逆に自分が攻撃の標的になることもあります。
なので、相手がA.だと思ったら、自分の意に反しても、優しくしなくてドライに接するということが、自分の課題だと思っています。
逆に、相手がB.であっても、自分のキャパシティが溢れそうな時は、無理して相手に優しくしすぎないということも、自分の課題だと思っています。
あと、相手の本心としては何を言っているのか、ということを探りすぎる癖もあると思っています。
また、相手が笑ったとき、それが愛想笑いなのか、苦笑いなのか、心から笑っているのか、そういうことも非常に気にしてしまいます。
ただ、いちいちそういうことを気にしていたら、自分主体で物事が考えられなくなってしまいます。
なので、相手の本心を意識しすぎないようにすることも、大事なのではないかと思っています。
言葉で言うのは簡単ですが、これは私にとって、とても難しいことだと思っています。
だけど、今後うまく生きていくためには、こうした課題は乗り越えていくことが大事なのかなと、今は思っています。
(2)よりストレスを受けづらい習慣にアップデートする
最近、私は運動不足解消に、ランニングをしています。
いつもタイムを測りながら走っているのですが、日によって、1キロあたりのタイムが1分以上差があることもあります。
これを、スポーツトレーナーと話す機会があったので相談したところ、「非常によくない状況」だと言っていました。
具体的には、「いつも100%を出そうとしていて、0%になってしまう日があるのだと思います。日によって1分以上タイムが変わる人は、そうそういません。本来は70%で続けることが理想です。」というコメントをいただきました。
私はこのコメントをいただいたとき、このランニングのみならず、いつも100%を目指そうとしてしまうからこそ、精神的にも急に不安定になってしまうことがあるのだと思いました。
また、時に100%以上のパフォーマンスをしてしまう時もあるからこそ、周囲からは100%のパフォーマンスを期待されてしまい、自分の中で頑張りすぎてしまうという状況にも陥っていたのだと思います。
私の中で、「今日は調子いいぞ!」と感じたときは、「今日はあともう少し頑張ろう!」という習慣があります。
ただこの習慣が自分のペースを不安定にする原因だと思っており、「今日は調子いいぞ!」と感じたときは、「今日はこの辺で終えておこう!」と自制する習慣をつけないといけないと思っています。
そうすることで、生活や精神的なリズムも整ってくるのではないかと思います。
こうした習慣をアップデートするのも難しいと思っていますが、この点も自身の体力や気力の衰えに合わせながら、柔軟にやっていくことが大事なのだと思っています。
(3)趣味との付き合い方
精神的に落ちているときの趣味の付き合い方についても、三者三様な意見がある気がします。
このことに対して、私は、負担が小さく楽しめることについては続けるべきかなと思います。
究極言ってしまえば、そもそも趣味をできなくなるくらい心身が病んでしまうこともあるので、楽しめるときに楽しまないと後悔するかなと、思うからです。
なので、体が動くときは、楽しむということを大事にしたいと思っています。
ただ、一方で、趣味と言っても、ネットとの付き合い方には気をつけないといけないと思っています。
特にSNSについて、私は何年間かやってきて思ったのは、精神的にポジティブな影響よりも、ネガティブな影響の方が大きいと思ったからです。
理由は、良くも悪くも、主観性が強いメディアだからです。
私の知人に、ツイッターでのインフルエンサーがいるのですが、その人は基本、現実にあったことをかなり改竄したうえで投稿しており、それがかなり多くの人に共感を得ている状況にあります。
全員が全員、そこまで大規模な改竄をしているわけではないと思いますが、少なくとも自分に都合が良いように投稿する人が大半なんじゃないかと思います。
そういう主観性が強い投稿は、一般通念から乖離したことであっても、共感が多ければそれが正義になってしまうのがSNSであり、余計に現実を受け入れることが難しくなって、生きづらさを加速化するケースもあると思っています。
また、「結婚」したことと同じくらい、いや、それ以上に「離婚」したことについてバズるような、ネガティブ情報が多いメディアがSNSだと思っています。
精神摩耗しているときは、特にネガティブな情報を受け取りやすくなってしまうため、SNSとの付き合い方は気をつけた方が良いかなと思っており、私もSNSとの付き合い方は改めて考えていこうと思いました。
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おわりに
久々のブログ記事の更新となりました。
自分の弱みを晒すような整理をしたので、少し書くのは疲れてしまいましたが、でも、こうして文字にしてみると、気持ちが整理できるな…と、改めて思いました。
あと、やっぱり、私は文字を綴るのが好きなんだなと、思いました。
さて、今回の記事は、私自身の経験をベースに書いているため、断りは入れているものの、それこそ主観性が高い情報が多いです。
ぜひこの記事を見られた方は、コメント欄に、「精神的に落ちているときにこうしたら良かった!」ということがあれば、書いていただけると嬉しいです。(本ブログではコメントを承認制にしているため、すぐにコメントが反映されませんが、ご容赦ください。)
本記事のテーマについては、決して答えがあるわけではないと思っています。
なので、引き続き、本ブログがみなさんと一緒に、少しでも生きやすいような情報を作り上げていくメディアになっていくように努めていきます。
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