HSPが集団生活で生きづらい理由は○○!?どうすればいい?
HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)
そして、私もHSPのひとりです。
さて、HSPの人は生まれつきの気質がゆえに、集団生活の中で生きづらさを感じやすいと言われています。
それではなぜ、HSPの人は集団生活の中で生きづらさを感じやすいのでしょうか?
そして、どうすれば生きづらさが改善されるのでしょうか?
今回は、哲学思考をまじえて考察してみました。
ぜひ、最後までご覧ください!
HSPが集団生活で生きづらい理由は○○!?
HSPの人は一人で好む傾向にあります。
その一方で、集団生活で生きづらさを感じる人も多いのではないでしょうか。
それは何故でしょうか?
結論から言いましょう。
私は、「HSPが集団生活で生きづらい理由は、深い思考と気にしすぎてしまう思考の2つを共存をさせて持ち合わせているから」だと考えています。
さて、次の図を見てください。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
職場でよく見るようなこの構図ですが、何となく「みんなが同調しているけど、これって本当に正しいのかな…」って思うときはありませんか?
このほかにも、仕事で失敗したときにチームで悪者探しが行われ、責任を特定の人に押しつける場面に遭遇し、「この仕事の失敗は、本当にこの人のせいなのかな…?」って思うこともあるかもしれません。
職場以外にも、例があると思います。
例えば、TwitterやYoutubeでたくさんの「いいね!」が得られている投稿でも、その内容がモラルの観点で疑問が残るものであれば、「これって本当に正しいのかな…」って思うことがあるかもしれません。
私は、HSPの人はこういう思考になる傾向があると考えており、それは深い思考をもっているからだと考えています。
その一方で、気にしすぎてしまう思考も併せ持つため、空気を読みすぎてしまい、疑問があっても言い出せないというモヤモヤした気持ちが残ることが多いのではないかと思います。
それこそが、HSPの人の集団生活で生きづらさを感じる理由なのではないかと、考えております。
それでは、自分の深い思考を捨て、「みんなが言っていることが正しいんだ…」と思い込み、集団に迎合することが幸せなのでしょうか?
私は、そうは思いません。
恐らく、妥協しようと思っても、妥協できないHSPの人が大半なのではないかと思います。
実は、思考を捨てると言うことは、周囲の人のためにもならないことがよくあります。
ここからは、哲学思想を踏まえて考えていきましょう。
ドイツ生まれの哲学者で、ハンナ・アレント(1906-1975)という方がおりました。(上の写真はアレント)
アレントは、ナチスからの迫害を受け、アメリカに亡命して国籍を得ており、ナチズムの心理的な基盤を分析し、哲学思想を語っています。
アレントの哲学思想について、著書には次のとおり、書かれています。
アレントは、「全く思考していないことが、最大の犯罪者のひとりになる素因だった」と述べる。ごく平凡な人間が、思考を止めることによって周囲に染まり、悪となる――。実は、「悪」ではないにせよ、集団で生きるうえでそういったことはざらにある。「みんなが賛成なら」という軽い気持ちで、同じ価値観を信じて安心することはないだろうか。学校や職場の人間関係の中で、ヒエラルキー(階層組織)が生まれ、徐々に「正しい」価値観が共有されていく…。そんな、どこにでもある情景に対して、アレントは鋭く指摘する。「人は考えることをやめてはいけない」。
引用:監修 平原卓/イラスト 柚木原なり(2019)『マンガで実用 使える哲学』朝日新聞出版
つまり、ナチズムの悲劇のように、「みんなが賛成なら」と周囲に同調してしまい、自分の疑問を捨ててしまうと、集団生活の中では悪が正義となってしまうことがあるということです。(悪の定義は、ここでは置いておくこととします。)
これは会社にも言えることで、体制がずさんで不祥事が起こるのは、偉い人への忖度から隠蔽することが当たり前になっている…というのが原因であることが、よくあります。
そのため、HSPの人は、集団における「当たり前だと思っているけど、本当は変えるべきこと」を気づける能力を持っているとも言い換えられるのではないかと思っています。
だからこそ、この深い思考は短所なのではなく、世の中にプラスの価値をもたらす長所以外のなにものでもないと考えています。
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HSPの深い思考や気にしすぎる思考はどのように活かしていけばいいのか?
自分のチームにカリスマ的存在がいる…。
明らかにモラルに欠けた意見だけど、みんなが同調している…。
私はこのモヤモヤを抱えながら、過ごしていかなければいけないのか…?
こんなとき、勇気を出して、こう言えば解消することはできるのでしょうか。
【直接的な伝え方(NG例)】
このように直接的に相手を否定したとしても、それでは自分の意見を潰されて、良い結果は得られないでしょう。
それだけ、多数派を説得するというのは、難しいのです。
それでは、どうすればいいのでしょうか?
ここで、HSPの人の「気にしすぎる思考」が活きてくるのです。
きっと、HSPの人は、間違った意見を言っている人を見ても、その特定個人を表立って否定するのは、心の制御がかかって難しいと思うのです。
だからこそ、みんなが傷つかない形で言い換えてあげるのです。
著書には、次のとおり書かれています。
人にアドバイスする際の「とっておきのパターン」
それは、「褒める」→「アドバイス」→「褒める」という黄金リレー。
まず褒めて、修正ポイントやどうしたほうがいいかというアドバイスを伝え、最後はまた褒めて締める、というやり方です。
引用:星渉(2019)『神トーーク「伝え方しだい」で人生は思い通り』株式会社KADOKAWA
人は、褒められると相手の言うことを聞きやすくなりますし、最後に褒めて締めると、相手にポジティブな印象を与えたまま話を終えることができます。
それでは、実際に言い換えてみましょう。
【間接的な伝え方(OK例)】
先ほど、相手の意見がおかしいと伝えた場合に比べて、いかがでしょうか。
きっと、相手の立場からすると、グッと受け入れやすくなったのではないでしょうか。
また、ここで大事なポイントは、「アドバイス」の部分は、間違っていると思うことをそのまま提示するのではなく、相手に気づいてもらうように誘導することです。
著書には、次のとおり書かれています。
「否定をしない」+「気づかせる」+「答えを言わない」+「正さない」
この4つのルールをセットで日頃から実践できるようになれば、信頼を得るというレベルではなく、あなたの周りに自然と多くの人が集まり、あなたの味方となり、あなたのために何か協力できることはないかと向こうからお願いしてくるような状態になります。
引用:星渉(2019)『神トーーク「伝え方しだい」で人生は思い通り』株式会社KADOKAWA
人は、否定されると、行動する気が起きなくなります。
また、誰かに言われるよりも、自分で気づいた方が行動に移しやすくなります。
そのため、自分で気づいてもらうように誘導することで、相手のプライドを傷つけないように自分の意見を伝えることができるのです。
さて、繰り返しになりますが、HSPの人は、他の人と比べて「おかしいな?」と感じる力を持っているのではないかと思います。
その力を仕事で活かすためには、コミュニケーション能力(聞く力と伝える力)を鍛えて、周囲の人の心に影響を与えられるようになることが大事なのではないかと私は考えます。
以前に、HSPの人がコミュニケーション能力を高めるための方法について、記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!
HSPの高い共感力を仕事に活かすための2つの必要スキルとは?
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HSPの人が集団生活を生き抜くための処方箋とは?
HSPの人は集団生活の中で、「これって本当に正しいのかな…」と感じる力があります。
その力を活かすためには、コミュニケーション能力を鍛え、周囲の人の心に影響を与えられるようになることが大事だと述べました。
とはいえ、コミュニケーション能力を鍛えても、どうしてもメンタル的な問題から、自分の意見を声にして相手に伝えるのが怖い…と思う人も多いのではないでしょうか。
こういったメンタルの問題は、苦手な人や苦手な場面を前にしたときにうまく対処する方法を持っていないことに起因しているのではないでしょうか。
逆に、苦手な人や苦手な場面の対処法を知っていれば、現状から一歩踏み出し、集団生活の中でも自分の意見を声に出して伝えやすくなるのではないかと考えています。
そこで、以前に苦手な人や苦手な場面を対処する方法について、記事にまとめたことがありますので、以下のリンクからあわせて読んでみてください!
また、HSPの人の中には、他人から怒られるのが怖くて、なかなか自分の意見を声に出せない人もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、集団生活で生きている以上は、怒られることは絶対にあります。
そのため、怒られるのが怖いという気持ちを軽くするためには、怒られたときの対処法を知っておくことも大事です。
この点についても、以前に記事にまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクから読んでみてくださいね!
HSPの人は、たくさん気づいてしまうからこそ、仕事ではツラく感じてしまうことが多いでしょう。
特に集団生活の中では、「みんなが同調しているけど、これって本当に正しいのかな…」というモヤモヤな気持ちを抱えながら仕事をするのは、本当にツラいですよね…。
でも、HSPの人のこのモヤモヤした気持ちは短所ではなく、長所にできるものだと思っています。
そのためには、現状維持ではなく、新たな一歩を踏み出す勇気が必要だと私は考えています。
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まとめ
●HSPが集団生活で生きづらい理由は○○!?
●HSPの深い思考や気にしすぎる思考はどのように活かしていけばいいのか?
●HSPの人が集団生活を生き抜くための処方箋とは?
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。
今回は、哲学思想から、HSPの人が集団生活で生きづらさを感じる理由と乗り越えるための方法を考えてきました。
私自身、集団生活というのは会社のみならず、学校もとても苦手でした。
それは、いじめ・暴力・存在の否定など、集団生活ではモラルが欠如していたり誰かを傷つけたりするような考え方が、時には正義になってしまうことがあったからです。
自分が被害者であればもちろんツラいですが、自分が被害者でなくても、こういった明らかに良くないことが起きると、繊細で敏感なHSPの人は気になってしまうことも多いのではないかと思います。
だけど、空気を読んでしまってなかなか自分の意見を言えずにモヤモヤした気持ちを抱えてしまう…ということが、HSPの人が集団生活で生きづらさを感じる理由につながっているのではないかと、私自身の経験を踏まえても、そう感じています。
私自身はサラリーマンとして、日々集団生活の中で生きていますが、最近ではこのモヤモヤした気持ちを声に出すことで、集団生活での生きづらさがとても軽くなりました。
だからこそ、今回は、皆さまの集団生活の中での生きづらさを少しでも解消できればと思い、記事にしてまいりました。
それでは、今回の記事は、この辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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