HSPの人が転職せずにマルチタスクを克服するたった1つの方法
HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(HSPの詳しい解説は、こちらからご覧ください。)
そして、私もHSPのひとりです。
HSPの人は、繊細で敏感な気質がゆえに、色んな事が気になってしまい、マルチタスクが苦手と言われます。
私も以前に記事にしましたが、マルチタスクに対抗するため、todoリストを工夫するというのは一つの手段です。
そもそもマルチタスクでない仕事に転職するというのも、一つの手段かと思います。
だけれども、todoリストを工夫してもマルチタスクの苦手さから脱却できない人も多いかと思います。
また、転職をするにしてもハードルが高いし、転職をしても、結局転職先でもマルチタスクの問題に悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
実は、私も以前は3つのプロジェクトを同時に抱えているだけでも、しんどい思いをしてきました。
その一方で、今では10以上のプロジェクトを並行して、進めることができています。
私は転職をしていませんし、仕事量は単純に増えているものの、工夫を凝らして乗り越えることができています。
今回は、HSPの人がマルチタスクが苦手な理由を考えつつ、私の経験を踏まえて転職せずにマルチタスクから脱却するための方法についてお伝えしたいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください。
HSPの人はマルチタスクがどうして苦手なのか?
HSPの人は、繊細で敏感な気質がゆえに、色んな事が気になってしまい、マルチタスクが苦手だと言われます。
でも、脳科学者の意見を見ると、HSPの人に限らず、そもそも人間はマルチタスクができないと言われることが多いのです。
一点集中とマルチタスク、どちらのほうが仕事の効率は上がるのか。脳神経科学者として、迷わず「一点集中」と答えます。
脳はマルチタスクが苦手で、「人間は本質的にマルチタスクはできない」といったほうがいいくらいなのです。例えばA・B・Cという3つの活動を、脳は厳密な意味で同時に進めることはできません。このようなマルチタスクをすると、いや正確にはマルチタスクをしていると思いこんだ行動をしていると、脳内でストレスホルモンのコルチゾールが増えていきます。
(中略)
マルチタスクでは、AからBへ、BからCへと行ったりきたりすることも、効率が悪い。まずAという活動を止めるのにエネルギーが必要ですし、AからBへと切り替える時間、アイドリングのタイムロスも生まれます。BからCに行くか、Aに戻るかという判断にも脳はリソースを割かないとなりません。そして、切り替えが頻繁になるほど、ストレスホルモンの分泌は増えていきます。
一方で、複雑な社会活動は脳を鍛える効果もあることから、必要なのは、いわば戦略的なマルチタスク。つまりA・B・Cを同時に進めるのではなく、いかに「一点集中×3」で終わらせるかが重要なのです。いかに一点集中で1つずつ仕事を片付けていくかの計画をたて、労力を割り当てる。プロジェクトの段取りをつけることなどは、より戦略的なマルチタスクといえるでしょう。
引用:PRESIDENT Online「人間は本質的に”マルチタスク”はできない」(アクセス日:2019年11月11日)
上記は、ビジネス系雑誌(電子版)からの抜粋です。
恐らく、日本においては、多かれ少なかれ、どんな仕事であってもマルチタスクを求められることになると思います。
そして、人間の脳はマルチタスクが苦手なのですが、マルチタスクがうまくいっている人というのは、上記の通り、A・B・Cを同時に進めているのではなく、「一点集中×3」で終わらせているのです。
逆に言えば、HSPの人がマルチタスクが苦手なのは、「一点集中×3」に変換することが苦手だからだと考えられます。
その原因は、HSPの人は繊細で敏感な気質を持つがゆえに、Aという仕事をしていても、BやCの仕事の進捗が過度に気になってしまうからだと思います。
なので、「今、何をしなければいけないのか」ということに集中することができれば、HSPの人もマルチタスクがこなせられるのではないかと考えられるわけです。
そのため、マルチタスクを管理するためのtodoリストを使った方法を、記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクをご覧ください。
…と、ここまでは前座で、きっといくらtodoリストを工夫しても、マルチタスクを乗り越えられないというHSPの人も多いのではないかと思います。
その理由は、次のとおり、考えています。
①そもそも、一人で抱える仕事量が多すぎる(本来はやらなくていい仕事までやっている) ②上司や関係者との調整が長引いてしまい、一つの仕事を終えるのに時間がかかってしまう |
そう、HSPの人がマルチタスクが苦手である本質的な理由は、ここにあるのではないかと思っています。
HSPの人は、人の顔色を見すぎる傾向にあります。
だからこそ、頼まれる仕事が断るのが苦手で、一人で抱える仕事量が多くなってしまうこともあります。
さらには、打合せなどでもビクビクしてしまい、なかなか発言することができず、上司や関係者が求めるものが曖昧なままで、仕事が進んでしまうこともあります。
おそらく、会社で勤めるHSPの人の多くが、この点に悩むのではないかと思います。
私自身も、以前は3つのプロジェクトを同時に抱えているだけでも、しんどい思いをしていました。
でも、その理由を考えてみると、問題の本質はこの点にあったと思っています。
逆に、どうして今は、10以上のプロジェクトを並行して進められるようになったか?
それは、”誰かに仕事をコントロールされないようになったから”です。
逆に言えば、①や②のような問題が起きていたのは、誰かに仕事をコントロールされていたからなんです。
つまりは、HSPの人は、誰かに仕事をコントロールされやすい性質を持っているのではないかと考えています。
Twitterなどを見ると、多くのHSPの人が、フリーランスに関するツイートに共感する風潮が見受けられます。
また、HSPに関する書籍やブログの記事などでも、適職としてフリーランスを推奨する意見も散見します。
その理由は、誰かに仕事をコントロールされない状況を作り出すことにあるのではないかと思います。
逆に言えば、会社で勤めていても、誰かにコントロールされない環境を作ることができれば、マルチタスクをうまく乗り越えられるのではないかと思います。
転職をしても、マルチタスクから逃れることができず、悩んでいるHSPの方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、実は誰かに仕事をコントロールされる状況から脱却できないことが、問題なのかもしれません。
そこで、今回は私の経験を踏まえ、転職をせずともマルチタスクを克服するための、たった1つの方法をお伝えしたいと思います。
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HSPの人が転職せずにマルチタスクを克服するたった1つの方法とは?
さて、会社の中でマルチタスクを克服するためには、誰かに仕事をコントロールされない状況を作り出すことが大事だと言いました。
それでは、マルチタスクを克服するためには、誰かをコントロールすればいいのでしょうか?
きっと、その考えでは難しいと思います。
そもそも、繊細で敏感な気質のHSPの人は、相手に威圧を与えることが苦手な人も多く、誰かをコントロールするなんて、もってのほかなのではないかでしょうか。
なので、少し工夫して、誰かに仕事をコントロールされない状況を作り出すことが大事なのです。
HSPの一人で、小心者の私でも実践できるたった1つの方法。
それは、”上司や関係者から仕事の状況を確認される前に、先手を打つこと”です。
言い換えると、そもそもマルチタスクが発生しない状況を作り出すのです。
もう少し、具体的にしましょう。
私が実際にやっている具体的なことは、次のとおりです。
①打合せの中で、自分のやるべきことを曖昧にしたままにせず、「私は○○まで(締切)に、○○(タスクの内容)をやればいいと言うことですね?」というように、自分のタスクだけは必ず確認する(不安なときは、打合せが終わった後に、自分がやるべき事を上司や関係者から確認する) ②上司や関係者に相談するときは、「どうすればいいですか?」ではなく、「私は○○だと考えるので、○○(タスクの内容)を○○まで(締切)にやる方向ですか?」というように、提案型の質問をする ③締切までにタスクがこなせないときは、その理由(例:他の仕事の締切が短くなってしまった 等)を明確にしたうえで、”超特急”で上司や関係者に相談する |
私は、誰かから仕事をコントロールされる前に、具体的には上記のことを実践しています。
逆に言えば、私が誰かから仕事をコントロールされているときは、このことができていませんでした。
その結果、一人で抱える仕事量が多くなってしまったり、上司や関係者との調整が長引いたりすることがよくありました。
言葉で簡単に書いてきましたが、この①~③をやるのには勇気がいりますし、周囲との人間関係がしっかりとできあがっている必要もあります。
でも、これが達成できなければ、いつまでもマルチタスクを克服することができないのではないかと、私は思います。
そのため、ここはHSPの人にとって、勇気の出しどころなのではないかと考えています。
また、どうしてもその職場の人間関係や雰囲気的にコミュニケーションすることが難しいのであれば、転職することも一つの手段だと思います。(私が職場において人間関係が一番大事だと思う理由は、ここにあります。)
ただ、HSPの人は大器晩成型の人が多いため、どんな仕事に就いたとしても、「今の仕事、私に向いていないのではないか?」という悩みから避けることは難しいと考えられます。
でも、長くその仕事をやっていると、誰よりも仕事ができるようになるとも言われています。
そう考えてみると、HSPの人が仕事において大器晩成型なのは、勇気を出せるまでに普通の人よりも時間を要するからなのかもしれません。
少し話はそれてしまいましたが、もし、会社の中でマルチタスクに悩んでいる方は、こういった形で”先手を打つ”勇気を出して、実践してみてはいかがでしょうか。
また、HSPの人が大器晩成型であることについては、以前に記事にまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください。
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まとめ
●HSPの人はマルチタスクがどうして苦手なのか?
●HSPの人が転職せずにマルチタスクを克服するたった1つの方法とは?
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。
今回は、私の実体験も踏まえながら、HSPの人が転職せずにマルチタスクを克服する方法を考えてきました。
「HSPの人はマルチタスクが苦手だ」と言われますが、マルチタスクが苦手なのは人間すべてに言えることであって、問題の本質はHSPの人が他者からコントロールされやすいことにあるのではないかと、本記事では結論づけました。
というのも、ここを深掘りしなければ、HSPの人がマルチタスクを乗り越えるための方法を、正確にお伝えすることが難しいと思ったからです。
恐らく、この点について言及している書籍やブログの記事は、存在しないと思っています。
記事の本文にも書いてきましたが、Twitterなどでは、フリーランスのような独立した働き方に憧れるHSPの人を多く見受けます。
今回書いた内容は、こういう話題にも繋がってくるのではないかと思っています。
ただ、フリーランスのような独立した働き方は、安易に選択できない人も多くいらっしゃると思います。
私としては、フリーランスのような独立した働き方にはリスクも伴うので、「会社の中で働きながらも、他者からコントロールされない状況を目指すこと」を、現実的な考えとして提示したいと思っていました。
今回は、その点についても言語化できたので、良かったと思っています。
そして最近では、多くの方から「何度転職してもうまくいかない」という悩みを寄せられることが多くなりました。
そういった方々への希望にもなればと思い、今回の記事を執筆してきました。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
コメント
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まさに転職活動中で,自分の中にある確かな軸があるのだけれどまた上手くコントロールできずに対応できないのでは無いか…最終的なゴールとして組織に属さず働きたいが今すぐには現実的には難しい…。できる限り組織で上手く対処しながら働いて行きたいと考えていましたので本当にありがとうございます。直ぐに辞める、道を変えることは難しくのでまずは今いる環境で対応できることはないか試行錯誤してみようと思えました!
気づきにつながったのであれば、非常にありがたい限りです。おっしゃる通り、今できる環境でできる範囲で頑張ってみて、それでも駄目なら道を変えるという順序が基本だと思います!陰ながら応援しています!