【対談】HSPの人が働きやすい環境を考える#02
HSPの人は、繊細で敏感な気質を持つと言われます。(正確には、良くも悪くも環境の影響を受けやすい気質のことを指します。)
HSPコミュニティの活動を積極的にされているばっしーさんと、「HSPと働く環境」をテーマとしたTwitterのスペースの第2回を開催し、HSPの方々に参加いただき、色々なご意見をいただきました。
そして、スペースを終えて、大事だと思ったポイントをTwitterにまとめてみました。
皆さん、ありがとうございました!
私が今日学んだことは、「会社」にも「上司」にも「部下」にも「自分」にも、まだまだできることがあるってことです。
また来月、お楽しみに! https://t.co/3H9FyIIGyN
— ぽん乃助|繊細な人の働き方戦略家 (@suke_of_pon) November 20, 2021
今回の記事では、ここに挙げたポイントについて、さらに深く考察していきたいと思います。
この記事の目次
「自分」が環境を変えること
(1)上司に具体的に環境改善を伝える
私は、今回のスペースでこうしたお話をお聞きして、「自分」の力で環境を変える努力をすることは非常に大事だと思いました。
実際に、「もっと環境がこうなれば良くなるんだろうな」という漠然な思いのまま自分の胸にしまったまま、我慢している人って多いと思うんですよね。
でも、会社とかだと、「自分の思いを察してほしい」というスタンスだと、誰も見向きしてくれないですよね。
私は非常に大事だと思っている考え方は、仕事などで支障があった場合に、「HSPだから○○」というふうに伝えるのではなく、「自分は●●に困っているから、環境改善してほしい」等というように、具体的な困りごとを伝えることが大事だと思っています。
相手(伝えられる側)の立場に立ってみても、具体的に困りごとを言ってもらったほうが、動きやすいですよね?
それと、Takahiroさんのご意見として、「ノイズキャンセリングイヤホンの使用」というのが職場で認められたのは、非常に大きい話なのではないかと思います。
私自身、騒然とした職場で、耳からいろんな情報が入ってくる中で働くのはすごく苦手なのですが、過度な聴覚過敏の人にとっては誰にも理解されないつらさがあると思うんですよね。
最近はテレワークを常時認める会社が増えてきましたが、会社の中でもコミュニケーションが適切に取れれば、働き方の多様性は認められるべきだと思っています。
なので、「これまでのしきたりとしてダメに決まってるだろ!」ではなくて、「一度ためしてみるか!」といったチャレンジングな職場が増えるといいなとも思っています。
(2)成果を出せるように努力をする
インターネット上ではいろんな意見が飛び交っていますが、地に足をつけて物事を考えてみると、吉田さんが仰るとおり「会社などの組織の中で一定仕事ができないとポジションを築けない」というのは、事実なんですよね。
だからこそ、『成果を出せるように努力をしなければいけない』という視点は、重要な概念として揺らがないわけです。
ただ、死ぬほど一生懸命頑張っても、成果を出せない人を私は見てきました。
吉田さんがおっしゃる通り「努力の仕方を変える」ということも大事ですし、私は「戦うべきフィールドを変える」ということも大事だと思っています。
例えば、SNS上だと、ブロガー・ライター・イラストレーターなどの仕事を勧める声も多いですが、私も一人のブロガーとして思うのは、毎年500人以上が自分よりも優秀な人が生まれる世界で本業にするのは、すごく難しい話なんですよな。
なので、そういう世界で正々堂々と戦っていても成果は出づらいですし、成果が出ても一過性に終わることもあります。
大事な視点は、もし自分の「書く」というスキルを活かすのであれば、「どこであれば競合が少ないのか?」といった戦略思考を考えることが大事です。
そのため、成果がなかなか出ない人は、「努力の仕方を改善する」ということに加えて、「どのフィールドであれば自分の代わり(ライバル)が出現しづらいのか?」ということを考えてみると良いと思います。
そうすることで、努力が成果に現れやすくなると思います。
(3)職場の内外に味方をつくる
たかやんさんのお話を聞いていて感じたのは、HSPの長所を活かしながら、職場の内外に味方を作ることが大事だと思いました。
私自身、会社の新入社員の時に四方八方から責められた経験があり、「自分が苦境に追い込まれるほど誰も助けてくれない」ということを学びました。
そういうときに、手を差し伸べてくれる人がいるかどうかは、普段から仲間がいるかどうかだと思っています。
たかやんさんが仰るとおり、HSPの良いところの一つは、人が落ち込んでいるところを察することができる優しさだと思っています。
そこで、落ち込んでいる人に対して、勇気を持って行動として手を差し伸べれば、そこに強い信頼が生まれると私は思っています。
逆に、自分がつらかった時に、手を差し伸べてくれた人への恩は、ずっと覚えていたりしませんか?
私は、こうした部分でHSPの長所を活かせば、現実的な働きやすさにつながると思いました。
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「会社」や「上司(管理職)」が環境を変えること
(1)管理能力への疑問
どんなに優秀な人であっても、上司との相性が合わないとうまくいきません。
そういう人をたくさん見てきたし、自分自身の経験としても、上司によって働きやすさが全然違いました。
例えば、私自身の例としては、自由放任主義の上司のもとだと結果を出しやすいですが、徹底管理主義の上司のもとだと全く結果を出せなくなります。
『他人を変えられないなら自分を変えよ』という意見は、現実的かつ正論ではあるものの、その一方で、組織や相手が変わらないといけない事例もあると思っています。
先日、Twitterでこのようなツイートをしました。
「繊細さん」という表現には違和感を感じるけど、「繊細さんは言い訳だ」という器の小さい人のほうが、もっと違和感を感じるんだよね。
そもそも、「繊細さん」という表現が必要としてる人が多い理由を考えてみようよ。
この問いを考えずに排他的になってる人がいるから、生きづらいんじゃないかな。
— ぽん乃助|繊細な人の働き方戦略家 (@suke_of_pon) November 22, 2021
世の中で生きていると、言葉に出さなくても「弱い人は排除すべきだ」という価値観で行動している人が見受けられます。
HSPだと自認している人の中には、こうした人への苦手意識が、足枷になっている人が多いのではないでしょうか?
また、職場の風潮として、「協力」よりも「淘汰」を優先しているところもあります。
そうした風潮が、今の世の中の「生きづらさ」の声につながっていることも、あるんじゃないかと思います。
最近は、『心理的安全性』の概念も有名になりましたが、恐れずに本音で意見ができるという風潮が、チームとして成果を出すためにも、とても大事だと私は考えています。
日本企業の特性ですが、担当業務ができる人が出世して管理職になる仕組みなので、必ずしも管理能力がある人が管理職だというわけではありません。
なので、「人に合わせて部下を育成する」という方針ではなくて、「部下を自分の基準に満たすようにする」という方針を持って社員に接する管理職も、多く見受けられます。
ただ、実際そうした文化の中で企業は成長できておらず、(あらゆる原因がありますが)日本の産業力は落ちる一方です。
私は、現代の社会背景を踏まえても、多様性が受け入れられるように、「自分」だけでなく、「会社」や「上司(管理職)」のあり方が変わらなければならない部分があるとも、思いました。
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。
今回は、ばっしーさんと一緒に開催した、「HSPと働く環境」をテーマとした2回目のTwitterのスペースを踏まえて、記事にまとめました。
お話しいただいた方々・お聞きになっていただいた方々、貴重なお時間を割いていただき、本当にありがとうございました。少しでも、参考になることがあれば、大変幸いです。
なかなか答えが出るテーマではありませんが、今後も月1回程度の頻度で、ばっしーさんとスペースをやっていく予定です。
Twitterのスペースに参加したことがなく不安な方もいるかもしれませんが、ラジオ感覚で参加できますので、ぜひ、いらっしゃってください。
次回は、12月17日(金)19:30からスペースを実施する予定ですので、以下のリンクから私のTwitterアカウントをフォローいただき、ぜひいらっしゃってください!
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