【HSP対談vol.1】繊細な人が向いている仕事や職場の特徴
2019年1月19日、新宿(東京都)の喫茶店で、HSPによる対談企画を主催しました!
HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な性格の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)
HSPの人は、繊細で敏感な性格がゆえに仕事で悩みを抱えやすく、「どのような仕事が向いているのか?」ということについては、大きな課題とされてきました。
本ブログでは、HSPの人に向けて幸せな働き方などについて情報提供してきましたが、今回はHSPの人たちと対談することで、よりリアリティのある情報を得ることができました。
恐らく、仕事に焦点をあてて、HSPの人たちが複数人で集まって対談するという機会は、これまでに例を見ない機会だと思います。
今回は、対談で見えてきた「繊細な性格のHSPの人が向いている仕事や職場」などについて、記事にまとめていきたいと思います!
この記事の目次
対談の概要について
(1)対談の趣旨
日時:2019年1月19日(土)17時~19時 場所:珈琲西武(新宿) 参加者:転職もしくは独立経験のあるHSPの4人+私 |
今回は、東京都の新宿にある、「珈琲西武」という喫茶店の個室で対談を実施しました。
新宿三丁目の繁華街にある喫茶店なのですが、店内は古き良き静かな雰囲気の喫茶店で、行列の並びができるほど人気なお店です。
さて、今回の対談に至る経緯をご説明したいと思います。
HSPの人は、繊細で敏感な性格がゆえに仕事で悩みを抱えやすく、「どのような仕事が向いているのか?」ということについては、インターネット上で多くの回数が検索されており、大きな課題になります。
HSPの人にとっての適職は、本などでは次のとおり、記載されています。
【HSPの人にとっての適職】 ・画家や音楽家、詩人、小説家、写真家、俳優、舞台監督や映画監督などの芸術家(HSPの持つ豊かな情感やイマジネーション、鋭い感受性やひらめきを活かせる仕事) ・デザイナー、カメラマン、コピーライター、イラストレーターなどのクリエイティブな業種(ひらめきやセンス、感受性といったものが要求され、1人で机や作業台に向かって自分のペースで行える仕事) ・企画営業などの自身の企画をクライアントに提案する職種(一般組織における、アイデアやひらめきを大切にする仕事) ・商品の開発や商品の欠陥チェックなどの敏感なセンサーを用いる職種(一般組織における、敏感な感覚や直観力、粘り強さを活かせる職種) 参考:長沼睦雄(2016)『「敏感すぎる自分」を好きになれる本』青春出版社 |
でも、私ははじめてこれを見たときに、HSPの人がこうした適職に就くのはハードルが高いんじゃないかと思ったんですね。
職場の状況なんて、会社の中に入ってみないとわかりません。
そして、日本はジョブローテーションを行う会社も多いですから、もし自分に合う仕事にありつけたとしても、その仕事をやり続けることは難しい状況にあります。
その問題意識が私にはあったため、適職を求めて、転職や独立をしたことで、逆にミスマッチで後悔したHSPの人も多いのではないかと思っていました。
そこで、Twitterで、転職などを行ったことのあるHSPの人を対象に、アンケートをとってみました。
そうすると驚くべき結果が分かりました…!
転職など、働く環境を変えた経験のある #HSP の方にご質問です。
働く環境を変えることで、以前よりも働きやすくなりましたか?
HSPの方が気になる質問だと思いますので、是非リツイート&回答いただけますと嬉しいです!
— ぽん乃助@HSP働き方戦略ブロガー (@suke_of_pon) 2018年11月25日
なんと、「転職などを行ったことで、働きやすくなった」と答えた人が、85%以上も占めていたのです!
「以前の環境の方が良かった」と答える人がもっと多いと思ったので、この結果には驚くばかりでした。
そして、この結果を見て、私は「HSPの人が適職を求めて、転職などを行うことは合理的!」だという結論に至りました。
そのため、転職経験のない私は、次のことを知りたいと思いました。
【HSPが転職などをするにあたっての課題】 ① 何が適職なのか?どのように適職を見つければ良いのか? |
そこで、今回は、転職経験のあるHSPの人を迎え、対談を行いたいと思い、この会合を開かせていただきました。
(2)対談の参加者
①カイガさん
・Twitterの紹介文が短く、謎のヴェールに包まれていましたが、すごーくいい人でした!
・転職・独立経験は5~6回あり、今は人材紹介&キャリアカウンセラーの仕事をされているとのこと。クライアントへの思いは、絶対強い方だと思います!
・HSPだと気づいたきっかけは、昔メンヘラ彼女と付き合ったことがきっかけだとのこと。インパクト強すぎです!笑
カイガさんのTwitter→こちら |
②ハヤこさん
・気さくさとオシャレさを兼ね備えた人で、話しやすさ満点!今年は、HSPの人に会っていく方針とのこと。
・デザイナー ⇒ ディレクター ⇒ デザイナーの転職経験あり。今はスマホアプリのユーザーインターフェイスのデザインを主に仕事にしているとのこと。専門用語が多く、たくさん質問してすみませんでした。笑
・HSPだと気づいたきっかけは、ディレクター時代の抑うつ状態がきっかけだったとのこと。やっぱり、仕事をきっかけに気づくケースは、多そうですね…。
ハヤこさんのTwitter→こちら ハヤこさんのnote→こちら |
③れんさん
・聞き上手で、とても優しい方。Twitterのアイコンを先日変えたようで、とてつもなく可愛い!
・最初の仕事は営業職で、今は学習塾の講師&運営をされているとのこと。生徒受け良さそうです…。
・HSPだと気づいたきっかけは、指導している生徒を通じて、自分を重ね合わせたことがきっかけのようです。きっかけとしては、すごく稀なケースなのではないでしょうか!
れんさんのTwitter→こちら |
④ワヲンさん
・HSP界の有名人、才能に溢れる独特のオーラがすごい。何故か、対談の中で、この人を笑わせなければいけないという衝動に駆られてしまいました…。笑
・最初の仕事は営業職で、今は社内のマーケター(経営コンサルに近い)の役割をされているとのこと。感情コントロールと自己プロデュースが、とてつもなく上手なんだろうなぁ…と思いました。
・HSPだと気づいたきっかけは、小さいときからの感覚の敏感さがきっかけで、とある書籍から自分を重ね合わせたとのことでした。
ワヲンさんのTwitter→こちら ワヲンさんのブログ→こちら |
⑤ぽん乃助(本ブログの筆者)
・最初は緊張したものの、皆さん優しい方だったので、安心して対談ができました。初めての経験だったこともあり、後半の1時間は疲れが見えてしまい、失礼しました。笑
・私だけは、転職未経験者の社畜ということで、皆さんに色々と教えていただく観点で、対談のコーディネートをしていました。
・所々ウケを狙いにいったが、少し滑った部分もあり。苦肉の策で出した、ホリエモンのニュースのネタが突き刺さって、すごく嬉しかった…。
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対談を通じて分かったこととは?
(1)繊細な性格のHSPの人が向いている仕事や職場の特徴について
①HSPの人は仕事の裁量が大きい方が良いのか?小さい方が良いのか?
自分に合う仕事の指標として、よく挙げられるのが、裁量の大きさです。
私が就職活動をしていたとき、「裁量の大きい方が自分に合うから、ベンチャー企業に行きたい!」という人もいれば、「裁量が小さくても安定志向だから、大企業に行きたい!」という人もいました。
さて、HSPの人はどちらが合っているのか?
それは、対談の中でヒントがありました。
なるほど、これは確かにと思いました。
HSPの人は、仕事において、「決まっていた予定や方向性などが突然変更された場合に対応することが苦手」と言われています。(参考:長沼睦雄(2018)『大人になっても敏感で傷つきやすいあなたへの19の処方箋』SBクリエイティブ)
そして、ワヲンさんは、こうも仰っていました。
これらの話しを受け、「HSPの人は、裁量が大きい仕事のほうが向いている」といえるのではないかと思いました。
これは、他人に影響されやすいというHSPの人の特性から考えてみても、一人で出来るコトが大きいというのはストレスが少ない環境だと言えそうです。
でも、私はひとつ気になることがあったので、質問してみました。
この質問の意図は、一般的に裁量が大きい会社ほど、仕事量が多いイメージがあったからです。
HSPの人は、仕事において色んな事を気にするため、疲れやすいという性質もあります。
そのため、労働時間や労働量が短いことも大事なファクターと、本などでは語られることが多いです。
でも、仕事を選ぶにあたっては、何でもかんでも自分が望む労働条件を得られるわけではありません。
ワヲンさんはあくまで一例ですが、労働時間や労働量よりも、裁量が大きいほうが大事と言えるのかもしれません。
②時間の使い方は制約がある方が良いのか?ない方が良いのか?
次に、(1)と通ずる部分があるかもしれませんが、時間の使い方についても、仕事選びにあたっての大事な指標です。
この点についても、対談の中でヒントがありました。
やはり、時間の使い方も自由度が高いほうが良いと言えそうです。
HSPの人は、仕事において「1度に複数の仕事をこなすこと(マルチタスク)」や「時間制限が設けられること」が苦手だと言われています。(参考:長沼睦雄(2018)『大人になっても敏感で傷つきやすいあなたへの19の処方箋』SBクリエイティブ)
そのため、「HSPの人は、自分で考えられる時間が長くとれる仕事のほうが向いている」といえるのではないかと思いました。
また、ハヤこさんからは、こんなコメントもありました。
恐らく、繊細で敏感な性格のHSPの人にとっては、満員電車がキツいと思っている人も多いかと思います。
こういう意味では、家で仕事の一部を作業できたり、出社・退社時間が選べたり、「労働場所や労働時間の制約が少ない」ということも、HSPの人にとって向いている仕事の条件の一つとして言えるのではないかと思いました。
③会社の人数規模は多い方が良いのか?少ない方が良いのか?
仕事を選ぶにあたって、会社の人数規模の大小についても大事な指標です。
こちらも、対談の中でヒントがありました。
これも、なんとなく予想していた答えでしたが、やはり実際に数社を渡り歩いた方からコメントをいただくと、その大事さがよく分かります。
そして、カイガさんは、このようなコメントもされていました。
そうなんですよね。
仕事においては、やはり自分の生活もかかっていますから、自分一人では絶対不安になると思います。
更には、少人数の規模の職場でも気兼ねなく話せる相手同士でなければ、毎日が苦痛で仕方ないと思います。
そして、ワヲンさんは、次のことをコメントされていました。
また、ハヤこさんは、次のことを仰っていました。
ここから分かったのは、会社の規模の大小よりも、実際に働く職場環境で同時に居る人の数が少ないことが大事だということです。
つまり、「HSPの人は、同じ環境に気兼ねなく話せる人が少し居る(2~5人程度居る)職場」が向いていると言えそうです。
④ノルマなどの量的目標があった方が良いのか?ない方が良いのか?
仕事においては、ノルマなどの量的目標があった方がモチベーションが湧くという人もいますし、逆効果だという人もいます。
この点についても、仕事選ぶにあたって大事な指標と言われており、HSPの人がどちらが向いているのかということについて、対談の中でヒントがありました。
れんさんの他にも営業職の経験がある方が多かったので、このトークについては非常に盛り上がりましたが、恐らく、「HSPの人は、ノルマなどの厳しい量的目標がある営業職などは向いていない」と言えそうです。
そして、れんさんは次のようなコメントも仰っていました。
更に、対談の中でこんな話もありました。
これは、HSPの本にもよく載っていることではありますが、やはりHSPの人は、他人であっても間近で怒られていたりすると、自分のことのように感じてしまうようです。
これを受けて、私はこう思いました。
恐らく、HSPの人は、量的目標自体がキツいのではなく、量的目標があると厳しい上司や圧迫的な職場の雰囲気がつきまとうので、営業職などが向かないのではないかと思いました。
これに関連しますが、以前、私もクラッシャー上司にパワハラに遭い、非常に苦しい経験をしました…。
以前、本ブログにて、このことについてまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!
クラッシャー上司のパワハラでうつ病になった場合のたった一つの対処法は?
(2)HSPの人にとっての上手な退職の仕方について
「明らかに今の職場は辞めた方がいい…、でも、辞めることができない。」と悩んでいるHSPの人は多くいらっしゃるのではないかと私は思っています。
それは、仕事を辞めるにあたって、大きい労力がかかるからです。
私は、転職経験が無いため、この点についても突っ込んで聞いてみました。
なるほど…めちゃくちゃリアリティがあって、良いアドバイスだと思いました!
つまり、「退職の意を会社に伝えるときには、自分も相手も、退職という事実から逃げられない状況を作っておく」ということが大事だと言えそうです。
でも、「やっぱり上司とうまく折り合いをつけられず、退職することは難しい…。」と考える人もいることでしょう。
そんな疑問に対して、対話の中で、面白い情報が得られました。
最近、「退職代行サービス」が流行っていると聞きますが、実際に使ったことがある人は見たことがなかったため、このサービスを使おうと考えている人にとっては、とても耳寄りの情報なのではないでしょうか。
5万円程度で面倒な労力を省いてくれるということを考えると、うまく辞められずに悩んでいる人にとって、とても有用なサービスだといえると思います。
また、私は、更に疑問があったため、聞いてみました。
ここから分かるとおり、「今の労働市場においては、転職の回数ではなく、転職の質が、採用にあたっては重要視される」ということが言えるのではないでしょうか。
そのため、転職するにあたっては、逃げの理由だけではなく、”ポジティブな理由”をしっかり持っておくことが大事なのだと思います。
そして、カイガさんは、次のことも仰っていました。
逃げの転職を繰り返すと、癖になってしまい、負のループに陥ってしまうことがあるということですね。
繰り返しになりますが、転職にあたっては、”ポジティブな理由”を持っておくことが大事だと言えそうです。
(3)HSPの人にとっての最適な人間関係の構築方法について
本対談では、仕事やプライベートにおける人間関係の構築方法についても話題がおよびました。
皆さんに共感が得られたこととして、対談中に次のコメントがありました。
HSPの人は、仕事において、配慮しすぎてしまい苦しい状況を自ら生んでしまう節があります。
その一例が、この話にあらわれていると思いました…。
本ブログでも、以前このことについて、記事にまとめましたので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください!
また、仕事に限らず、恋愛についても、人間関係の構築について話題がおよびました。
私も、恋愛などのプライベートの人間関係においては、一定距離を保つということがとても大事だと思っていますので、この会話にはとても共感できました。
HSPにとって、「恋愛」というテーマは、「仕事」というテーマと同等に、話題として挙げられることが多く、その理由はまさに、共依存関係を引き起こしやすいことにあると思っています。
このことについても、以前、本ブログにて、記事にまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください!
HSPの人が恋愛で疲れたり失敗しないためのたった2つの方法とは?
そして、HSPの人間関係の構築にあたって、ワヲンさんが非常に大事なコトを仰っていました。
これについては、私も非常に同感しています。
というのも、HSPの人にとっての普通は、「相手に気を遣いすぎてしまう状態」であるため、ドライでいるくらいがちょうどいいのです!
これは、HSPの人にとっての人間関係の構築にあたって、共通していえることだと思っています。
この点についても、以前、本ブログの記事でまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください!
気を遣いすぎて疲れてしまうHSPの人がドライな一面を持つための第一歩とは?
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まとめ
【本対談で分かったこと(推測含む)】 ①繊細な性格のHSPの人が向いている仕事や職場の特徴は次のとおり!
②HSPの人にとっての上手な退職の仕方は次のとおり!
③HSPの人は、仕事でも恋愛でも人間関係の構築にあたって、ドライで居るくらいがちょうど良い! |
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おわりに(対談の感想)
さて、今回は初めての対談企画の主催と言うことで、かなり緊張しましたが、実際に話してみないと分からないことがたくさんわかり、本当に機会を設けて良かったなと思っております。
改めてこの場を借りて、ご参加いただいた、カイガさん、ハヤこさん、れんさん、ワヲンさん、ありがとうございました!
皆さん、聞き上手&話し上手なので、対談の雰囲気はとてつもなく良かったです…!
HSPの人にとって、向いている仕事に就くということは、幸せに生きるためにとても重要な要素だと思っています。
でも、本やインターネットの情報を読んでいるだけでは、どうしても、そのための答えにはたどり着くことが難しいです。
そのため、今後も対談を実施し、皆さまに有用な情報をお伝えできればと考えております。
それにしても、幹事をしながら、対談のコーディネーターをしながら、メモを取るというのはとても難しかったです…。
今回、うまく話が回せなかった部分があったかもしれず、ご迷惑をおかけしましたが、自分にとっては本当に良い経験になりました。
場数を踏んで、上手になっていければと考えております。
また、今回はグループ対談の形を取りましたが、今度は形を変えてみるのもありかな…とも思っています。
何はともあれ、皆さまに有用な情報がお伝えできるように、引き続き尽力して参りますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
※2019年2月24日に、HSPによる第2回対談を実施しました!
【HSP対談vol.2】繊細な性格のHSPの人が合わない仕事を辞めるタイミングとは?人間関係から自分を守る方法も
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- 2019年 8月 07日トラックバック:HSPだと発覚してから試した7つのこと 終 | HSPびより。
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