HSPで仕事や人間関係がうまくいく人といかない人の2つの違い
さて、本ブログでは、繊細で敏感な気質を持つHSP(詳細はこちらをクリック)の方に向けて、情報発信をしているのですが…。
よくHSPの人から、「仕事」や「人間関係」の悩みを聞くことがあります。
そのため、HSPの繊細で敏感な気質が原因で、「仕事」や「人間関係」で悩みを抱えやすいと考えられますが、逆にHSPの人でも「仕事」や「人間関係」の悩みが少ない人もいます。
その点を踏まえると、HSPの「生きづらさ」を解決するためには、「仕事」や「人間関係」がうまくいく人といかない人の違いを考えると良いのではないかと思い、今回はこのテーマでブログの記事を書くこととしました。
さて、果たして、HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人の違いとは何なのでしょうか?
私がHSPの方々とお話ししてきたことや私自身の経験を踏まえて、お伝えしていきたいと思います。
HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人の2つの違いとは?
(1)”個性”を変えることを諦め、自分に合った環境で仕事をしている
さて、私がHSPの方々など「生きづらさ」を抱えている人とお話ししてきて、仕事や人間関係がうまくいっている人の特徴として考えたこと…
それは、自分に合った仕事をしているということです!
ん?当然じゃないかって…?
確かに、これはずっと私自身も申し上げていたことです。
以前、Twitterで、転職などを行ったことのあるHSPの人を対象に、アンケートをとってみたところ、「転職などを行ったことで、働きやすくなった」と答えた人が、85%以上も占めていました。
転職など、働く環境を変えた経験のある #HSP の方にご質問です。
働く環境を変えることで、以前よりも働きやすくなりましたか?
HSPの方が気になる質問だと思いますので、是非リツイート&回答いただけますと嬉しいです!
— ぽん乃助@HSP働き方戦略ブロガー (@suke_of_pon) 2018年11月25日
私自身も転職活動をしたことがあるのですが、転職活動だけでもかなりエネルギーを使うことは自分の経験でも分かっていますし、人見知りで大器晩成型の人が多いHSPにとっては、転職後の新しい人間関係や仕事に慣れるまでにも相当のエネルギーを使うと思います。
それにも関わらず、転職など、働く環境を変えた経験のあるHSPの人の多くが、「転職などを行ったことで、働きやすくなった」と答えたわけです。
そう考えると、HSPの人にとって、自分に合った環境で働くというのはとても大事なんだと思います。
私自身も、人間関係が合わない環境で働いていたときは、うつ病にまで陥ってしまいましたが、人間関係が変わっただけで、うつ病から回復することもできましたし、何となく自分自身の仕事にも納得感が持てるようになってきました。
でも、私はHSPの人などと対談してきた中で、分かったことがあります。
「自分に合った仕事をしている」というのは、結果に過ぎないと言うことです。
それよりも大事なことは、仕事や人間関係がうまくいっている人は、「自分の個性を変えることを諦めている」のです。
「いやいや、個性は変えられないことは知っているよ…」という人もいるかもしれません。
でも、「知っている」のと、「諦めている」のでは、全く違うのです。
「知っている」は覚悟する必要ありませんが、「諦める」は覚悟が必要なのです。
私がお会いしてきたHSPなど「生きづらさ」を抱えている人の中で、仕事や人間関係がうまくいっている人は、「個性が変えられないこと」を覚悟していると感じました。
そして、覚悟があるからこそ、働く環境を変える「決断」ができるのだと思います。
一方で、この覚悟がないと、「なんで、私はみんなと違って、生きづらさを感じるのだろう…」という気持ちが強くなって、行動や決断をする気力が起きなくなるのだと考えています。
いわゆるコンプレックスというやつですね。
さて、私がHSPの方々とお会いしてきて思ったのは、同じHSPでも、一人ひとり個性は違うわけです。
逆に言えば、HSPは”個性”の一部の要素に過ぎず、他にもたくさんの要素を持っているのです。
私は、仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人は、「個性が変えられないこと」を覚悟しているし、自分のHSP以外の個性の要素もよく知っている方が多いと思いました。
というのも、「自分は●●な人で…」と、しっかり説明できている人が多かったからです。
逆に仕事や人間関係がうまくいっていないHSPの人は、自分の個性を知ることが、まずは大事なのではないかと思います。
(2)”心”を変えることを諦めず、向上心を持ち続けている
さて、先ほどまでは、仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人は、「”個性”を変えることを諦めている」ことを説明しました。
ただ、仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人とお話ししていると、感じることはもう一つあります。
それは、自分の力で変えることができる”心”の部分は何かということをよく知っていて、変えることを諦めていないということです。
そうなのです、仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人は、「変えられない部分を変えることは諦めて、変えられる部分を変えることは諦めていない」のです。
そして、この気力を支えているのは、明確な目標と向上心であると、HSPの方々と話してきて、そう思いました。
HSPの人は、仕事に対して、「やりがい」をとても大事にする人が多いと言われます。
だからこそ、今やっている仕事に「やりがい」を持てているのであれば、自分の変えられる部分を変える気力も持てるというわけですね。
また、仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人は、自分のペースで働くことを大事にしていると感じました。
これは、HSPの人は疲れやすい気質も持つため、体力が続くように調整しているというわけですね。
このように、仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人は、変えることを「諦める」ことと同時に、変えることを「諦めていない」のです。
会社の中で言われる、「選択と集中」の概念に非常によく似ていると言えるかもしれませんね。
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仕事や人間関係がうまくいっていないHSPの人がするべきこととは?
(1)人間には自分の力で変えられない部分と変えられる部分がある
さて、ここまで、HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人の違いを話してきました。
ここで、キーワードとなったのは、「変えられない部分を変えることは諦めて、変えられる部分を変えることは諦めていない」ということでした。
それでは、このことについて、少し詳しく解説していこうと思います。
トラヴィス・ブラッドベリー/ジーン・グリーブス(訳 関美和)の著書『EQ2.0 「心の知能指数」を高める66のテクニック』では、人間の人格は「①個性」「②EQ(心の知能指数)」「③IQ(知能指数)」の3つの要素で構成されていると述べられています。
そして、同著書を参考に、人間の人格の変えられない部分と変えられる部分について、次のとおり図解してみました。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
ここの図にあるとおり、「①個性」と「③IQ(知能指数)」は変えることが難しいのです。
ちなみに、「③IQ(知能指数)」については、同著書の中で次のとおり、書かれています。
【IQと仕事の関係性】
IQレベルが高い人たちが、平均的なIQの人たちよりも成功している確率は20パーセントだったのに、平均的なIQの人たちがIQレベルの最も高い人より成功している確率は70パーセントだった。
引用:トラヴィス・ブラッドベリー/ジーン・グリーブス(訳 関美和)『EQ2.0 「心の知能指数」を高める66のテクニック』,2019,株式会社サンガ
ここから分かるのは、仕事や人間関係がうまくいく・うまくいかないは、IQの高さはあまり関係ないということです。
一方で、変えることのできない「①個性」に合わせて環境を変えるのは、仕事や人間関係をうまくいくようにするためには、とても大事だというわけです。
逆に変えられるものは、「②EQ(心の知能指数)」というわけです。
EQは、少し前に流行った言葉ではありますが、いまだ聞き慣れない人もいるかもしれません。
著書の中で、次のとおり解説されています。
【EQとは?】
EQとは自分自身と他者の心の動きに気づき、それを理解する力である。また、その気づきを使って自分の行動や人間関係を上手にマネジメントする力でもある。
引用:トラヴィス・ブラッドベリー/ジーン・グリーブス(訳 関美和)『EQ2.0 「心の知能指数」を高める66のテクニック』,2019,株式会社サンガ
そして、EQと仕事の関係性については、著書の中で、次のとおり書かれています。
【EQと仕事の関係性】
あらゆる職種において、成果の58パーセントはEQによって生み出されている。職場で成果を出せるかどうかはEQによって決まると言っていいだろう。
(中略)
今のEQスコアが高くても低くても、訓練によって高めることができる。
(中略)
仕事で高い成果を上げている人の90パーセントはEQも高かった。
引用:トラヴィス・ブラッドベリー/ジーン・グリーブス(訳 関美和)『EQ2.0 「心の知能指数」を高める66のテクニック』,2019,株式会社サンガ
つまりは、EQは、個性と異なり、育てることができるし、それが仕事や人間関係をうまくいくことにつながるというわけです。
そして、EQ(心の知能指数)に関する研究が進んでいき、効率的な鍛え方も分かってきたため、今になって再注目され始めているのです。
ということで、仕事や人間関係をうまくいくようにするために、まずは、自分の力で変えることができない「個性」を知り、自分の力で変えられる「心(EQ)」を知ることが大事だというわけです。
(2)自分の力で変えられない”個性”を知る
それでは、まず、「個性」の知り方を考えていきたいと思います。
私は、「個性」というのに最も近い言葉が、「気質」という言葉だと思っています。
詳しく説明すると、生まれつき備わっていた個人の特性だと言えるのではないでしょうか。
敏感で繊細なHSPの気質は、私は「個性」だと考えています。
だから、びっくりしやすいとか落ち込みやすいとか、そういったHSP特有の部分は、本質的に変えることができないというわけです。
でも、他人の気持ちに寄り添ったり、物事に対して深く考えることができたり、HSPには良いところもたくさんありますよね。
そして、気をつけなければいけないのは、自分の「個性」を構成するものは、HSPだけではないということです。
それでは、どうすれば、自分の「個性」の全体像を知ることができるのか?
それは、自分の経験の中で、「昔から好きだったり、楽しかったりしたこと」や「昔から生理的に苦手だったもの」に向き合うことだと思っています。
大人になると、「~しなければいけない」という義務感を強いられるため、どうしても「昔から好きだったり、楽しかったりしたこと」や「昔から生理的に苦手だったもの」を押さえ込んでしまうのです。
でも、ここには、仕事や人間関係をうまくいくためのヒントがあると思うのです。
例えば、私の場合は、昔から「書く」ということが好きでした。
だから、ブログ活動をはじめて、欠かさずに続けることで、今まで以上に自分と向き合うことができました。
また、私は生理的に苦手なものを認めるようにし、「あまり好きじゃない」ということを、コトバに出して言うようにしました。
そうすると、自ずと自分の個性が見えてくるのだと思います。
そして、自分の個性が見えてくると、周りに流されずに、自分にとって大事なものとそうでないものが見えるようになります。
だからこそ、「仕事」や「人間関係」がうまくいくことにつながるのです。
また、自己診断ツールについても、自分の「個性」を見つけるヒントになる場合もあります。
特に、最近は自分の長所を知ったり、適職を知ったりするためのツールがとても充実しています。
以前に、適職や仕事での長所を見つけられる3つのおすすめ診断ツールをまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。
HSPの人が適職や仕事での長所を見つけられる3つのおすすめ診断ツールとは?無料のサービスも
(3)自分の力で変えられる”心”を知る
さて、次に、自分の力で変えられる「心」を知る方法について、お話ししたいと思います。
先ほど、自分の力で変えられるものについて、正確には、「EQ(心の知能指数)」であるとお伝えしました。
そして、このEQについては、効率良く鍛える方法も分かってきているのです。
EQは、「個人的なスキル」と「社会的なスキル」の2つに分けられます。
そして、次の図のように、更に細分化し、4つのスキルに分けることができます。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
最近、EQ(心の知能指数)の最新の見解と効率的な鍛え方がまとめられた、『EQ2.0』という本が発売されました。(メンタリストのDaiGo氏も推薦された本であるため、知っている人も多いかもしれません。)
こちらの本についているパスコードを使えば、インターネットで自分のEQ診断ができるような仕組みになっており、自分のEQの中で不足している点や具体的な育て方が分かるようになっています。
心を育てるための自分だけのテキストになるような仕掛けが施された著書で、非常に参考になるため、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
そして、私はうつ病だったときに、カウンセラーの方にお世話になり、自分の変えられない部分と変えられる部分を知るにあたって、非常に参考になりました。
この経験がなければ、今の自分の仕事や人間関係はなかったと思っています。
以前に、カウンセリングの概要を記事にまとめたこともありますので、「受けに行ってみたいけど、ちょっと行きづらい…」と思う方は、ぜひ以下のリンクから見てみてくださいね!
HSPの人が仕事で悩みを抱えたら早めにカウンセリングを受けるべき2つの理由とは?
(4)仕事や人間関係がうまくいっているHSPの人の事例を真似てみる
「生きづらさ」を改善するにあたって、大事なことは、実際に行動することです。
というのも、「生きづらさ」の原因を知っただけでは、「生きづらさ」を改善することができないからです。
さて、ここで大事なのは、行動したからといって、すぐに「生きづらさ」の改善につながらないということです。
というのも、人の個性は人の数だけあるため、100人いたら、「生きづらさ」を乗り越えるための答えは100人とも違うからです。
HSPというのは自分の個性の一部に過ぎず、自分がHSPだと知ることは、「生きづらさ」を乗り越えるためのヒントでしかありません。
そして、行動をし続ける…ということが、「生きづらさ」を乗り越えるための一番大事なことだと、私は考えています。
まずは、HSPの中でも仕事や人間関係などがうまくいっている人の事例を真似してみることが、行動を移すにあたってはヒントになると思います。
そして、行動を繰り返し、自分なりにアレンジを加えていくことで、自分だけの答えに限りなく近づくことができるのではないかと思っています。
これまで、HSPの人と繰り返し対談を実施し、たくさんの事例を本ブログで蓄積してきたため、ぜひご覧いただき、自分ができそうなところから真似てみるといいのではないかと思います!(第1回の対談については、以下のリンクからご覧いただけます。)
【HSP対談vol.1】繊細な性格のHSPの人が向いている仕事や職場の特徴とは?上手な退職の仕方も
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まとめ
●HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人の2つの違いとは?
●仕事や人間関係がうまくいっていないHSPの人がするべきこととは?
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。
今回は、私がHSPの方々とお話ししてきたことや私自身の経験から、「HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人」の違いを考えてきました。
ただ、なかなかコトバにすることが難しくて、伝えきれない部分もありましたが、ご容赦いただければと思います。
今回の記事作成に至った理由は、繰り返しになりますが、HSPの人から仕事や人間関係の悩みをよく聞くためです。
「HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人」の違いは、2つだと述べましたが、この2つがめちゃくちゃ難しいんですよね。
分かっていても、なかなか行動に移すことができない…これは私もよく理解しています。
だからこそ、記事の中で、行動に移しやすいヒントも散りばめていったつもりでもあります。
この社会では、人間性の評価される尺度として、仕事が占める割合がとてつもなく大きいと感じます。
だからこそ、「生きづらさ」の本質的な改善につなげるためには、働き方について、真剣に向き合わなければいけないと思っています。
今後も、HSPのより良い働き方のヒントをお伝えできるよう、努めてまいります。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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