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HSP働き方戦略室|明日から使える処方箋をあなたに。

【対談】HSPの2人が学生時代の経験から生きづらさを考える

私(ぽん乃助)
先日、学生時代をテーマにTwitterのスペースで対談した内容を踏まえて考えたことをお伝えします。

 

 HSPの人は、繊細で敏感な気質を持つと言われます。(正確には、良くも悪くも環境の影響を受けやすい気質のことを指します。)

 前回の記事に引き続き、HSPコミュニティの活動を積極的にされているばっしーさんとTwitterのスペースでお話ししましたので、その内容をまとめてまいります。

 今回のテーマは、「学生時代と生きづらさ」です。

 なお、前回は「HSPと仕事」をテーマにばっしーさんとお話ししており、その内容は前回の記事(以下のリンク)からご覧ください!

 




 

学生時代から振り返る「生きづらさ」

(1)集団生活について

ばっしーさん
学生の頃、たとえば修学旅行のような、拘束された集団生活の時間が苦手でした。

私(ぽん乃助)
私も同じです。高校時代の時は寮生活だったのですが、正直いい思い出はあまりありません。

ばっしーさん
修学旅行が嫌だと感じる自分を責めたくなるときがありました。自分は親離れできていないんじゃないかという自責感に、駆られることもありました。

 

 「集団生活が苦手」という声は、よく見聞きすることがありますが、ばっしーさんとお話ししていて、「親離れできていないんじゃないかということに対する自責感」ということまで話が広がりました。

 さて突然ですが、「自立」というと、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか?

 例えば、ドラマやアニメのような、一人で敵に敢然と立ち向かう姿を思い浮かべる人も少なくない気がします。

 何が言いたいかというと、誰かに力を借りることをとことん苦手だと感じている人が多い気がするのです。

 でも、この世の中では、誰かの手を借りないと生きていけない人が、圧倒的に多いと思います。

 多分、「集団生活が苦手」というのも、その心の奥底には「誰かに頼るのが怖い」という感情もあるのではないかと思います。

 だからこそ、「自立」のイメージを、「一人で生きる」から「誰かの手を借りながら生きる」と変えることができれば、集団生活が少し楽になるのかもしれません。

 

(2)休むことについて

ばっしーさん
学生時代のとき、『休む』ことが苦手でした。

私(ぽん乃助)
私もそうです。親の教育のせいもあってか、多少の風邪でも学校には行かなきゃいけないものだと思っていました。

ばっしーさん
これは社会人のときも、感じたことがあります。適応障害で休職していたときは、罪悪感がとても強かったです。

私(ぽん乃助)
それはすごくわかります。私はインフルエンザでちょっと長く休んでいたとき、仕事が気になって休める気分ではありませんでした。ただ、今は休むことの大切さを知り、自分で仕事をコントロールできることも増えて、以前と比べて休むことへの抵抗感がなくなりました。

 

 「休みづらい」「休むと罪悪感がある」ということは、よく見聞きすることがありますが、こうした感覚ってなぜ起こるのだろうと考えてみました。

 多分それは、誰かの顔を思い浮かべているからなのではないでしょうか。

 私も、新入社員の頃は特に上司や同僚の顔を思い浮かべて、「申し訳ない」という気持ちが先行してしまい、休むことがとても苦手でした。

 ただ、最近は以前より休むことに抵抗感がなくなってきたのですが、それは自分が仕事をコントロールできる量が増えてきたからです。

 それには、自分の職務遂行能力の成長も関係はありますが、特に大事なのは気軽に頼ることができる仲間が近くにいることだと思っています。

 『自分に今の仕事が向いていない』という気持ちは、もしかすると、「自分で仕事をコントロールできていない」ということにあるのかもしれません。

 そして、こうした懸念を払拭するためには、「適職を見つける」というアプローチだけでなく、周囲との関係性を見直すとか、そういう発想も大事なんじゃないかと思います。

 以前、「適職」への考え方について、ブログ記事にまとめたことがあるので、気になる方は以下のリンクからご覧ください!

 

 

(3)空気を読みすぎてしまうことについて

ばっしーさん
学校の集会とかでなかなか静かにならずに、先生が不機嫌になっている感じが苦手でした。

私(ぽん乃助)
それ、すごくよくわかります。そういう時って、心の中で『みんな静かになってよ…』って思っちゃいますよね。今でも、こうした感じで空気を読みすぎることって、ままある気がします。

 

 空気を読みすぎてしまって、なかなか行動を起こせずに、モヤモヤすることってよくありますよね。

 私自身も、今でもこうしたことがよくあります。

 ただ、空気を読んだあとに、アクションを起こすことができれば、それは「気を遣える」という長所だと言い換えられるのだと思います。

 だから、「空気を読めること」は、自分のネガティブな要素だと思いすぎる必要はないと思うんですね。

 誰かに気を遣いすぎて、なかなか自己主張ができずに、自分の時間がなくなってしまうということで悩む人も多いと思います。

 そういう意味では、アサーションのようなコミュニケーションの工夫を生活に取り入れれば、悩みの改善につながるかもしれません。

 以前に、実践的に取り入れやすいアサーションをブログ記事にまとめたことがあるので、気になる方は以下のリンクからご覧ください!

 

 

(4)完璧主義について

ばっしーさん
自分は周りから、優等生タイプだと思われることが多かったです。ただ、テストの点数とかも高い方だったのですが、『高い点数を続けなきゃいけない…』という恐怖心で頑張っていた気がします。

私(ぽん乃助)
俗にいう『すべき思考』に近い感覚かもしれないですよね。私も学生時代だけでなく、仕事でも同じような経験があり、『自分の中で6割の完成度で進めていけ』とかよく言われますけど、6割というのが自分では納得できなくて、仕事に時間をかけすぎてしまっていたことが多々ありました。ある意味、完璧主義のような感覚にも近いかもしれないですね。

 

 たぶん、こうした完璧主義な自分に悩んでいる人も多いんじゃないかと思います。

 ただ、自分を完璧主義な傾向があると認識できても、100%の完成度じゃなくても大丈夫だということを理解していても、自分の考え方を直すことができるかというとそれは別問題ですよね。

 私は以前、自分の中で10割にできないと仕事を進めることができなかったのですが、今では6割の完成度で前に進めることができています。

 それは、自分の中で6割でも進めても、柔らかく受け入れてくれる仲間が一緒にいるかどうかという点が大事だと思っています。

 一度、6割の完成度で進められる体験をすると、繰り返すのが楽になるのですが、はじめの一歩が怖いんですよね。

 逆に考えてみると、6割の完成度のままで進めた結果、自分を攻撃をしてくる人って、実はその人も完璧主義な人だと思うんです。

 正確にいうと、完璧主義から卒業できなかった人だと思うんです。

 ただ、完璧主義って、心に余裕を持って生きたいという気持ちの足枷になっちゃうんですよね。

 もしかして、完璧主義に悩んでいる人の本当の問題は、周囲に気軽に信頼できる人がいないことにあるのかもしれないと思いました。

 

(5)責任感について

ばっしーさん
過去を色々と振り返ってみると、『副部長』というポジションが自分にとって一番向いていた気がします。

私(ぽん乃助)
なんとなく分かる気がします。責任感は強いけれど、目立つポジションは苦手ということなんでしょうかね。

 

 私も、何らかの役職を任されることが多かった気がします。

 私も目立つのはあまり好きじゃないのですが、どうして役職を任されるかと考えてみると、「責任感が強い」部分を周りから評価されていたからなのかもしれません。

 ちょっと悪い言い方をすれば、「こいつに任せておけば自分は楽になる」という対象になりやすいのかな…とも思います。

 それはさておき、完全な「リーダー」という位置付けよりも、「サブリーダー」の位置付けの方が、私も気持ちは楽だったように思います。

 そして、案外、責任感のある役職同士って、仲良くなれるものなんですよね。

 逆に、「責任感がない人と一緒に、責任の大きい仕事をする」という場面が苦手な人も多いような気がします。

 そう考えてみると、ばっしーさんが仰っていた『副部長』というポジションは、責任感が強い人同士でつながれるからこそ、気持ちが楽になるという背景もあるのかもしれないと思いました。

 

(6)人間関係について

私(ぽん乃助)
HSPの話とは離れてしまうのですが、学生時代にひどいいじめに遭ってたことがあるんですね。振り返ってみると、今のこのブログ活動などは、これがきっかけの一つだったように思います。

ばっしーさん
活動の原動力のような感じですか?

私(ぽん乃助)
当時は惨めな思いで生きていて、『生きているのが死ぬよりツラいんじゃないか』と思うことが多かったです。別に自分の中ではトラウマではないのですが、その時に感じていた気持ちは克明に覚えていて、だからこそ『惨めな思いを一人でも減らしたい』という思いが強いんだなと、過去を振り返っていてそう思いました。

 

 私はちょっと前にこんなツイートをしました。

 私が普段生きていて思うのは、人にされた嫌なことを美化する人が多い気がするのです。

 嫌な記憶を自分の糧にするために、良い意味に捉え直すということはとても大事だと思います。

 これは、人間が前向きに生きていくための、本能として備わった機能なのかもしれません。

 しかし、その時に受けた痛みすらも忘れてしまっている人が多いような気もするのです。

 自分がかつて人にされて嫌だったことを、他の人にもやってしまう人が結構いますが、多分そういう人は当時の痛みを忘れてしまっている人が大半なんだと思います。

 私は逆に、自分がかつて受けた痛みと真剣に向き合うことで、他人の弱さにより深く共感することができるようになるし、それこそが「強さ」だと思っています。

 私は、いじめられた時の記憶をそのまま引きずっているわけではありません。だけど、痛みは今でも覚えるようにしています。

 だからこそ、過去のコンプレックス負けずに、「一人でも多く惨めな思いをする人を減らしたい」という気持ちを持って、原動力にできているんじゃないかと思います。

 

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おわりに

 さて、今回の記事はいかがでしょうか。

 ばっしーさんとのお話を振り返って、以下のようなツイートをしました。

 以前、産業カウンセラーの研修を受けたときに、一番最初のワークとして自分の過去を振り返ったことを思い出しました。

 当然のことながら、同じ出来事に直面したとしても、他人と自分では思い浮かべる感情は違うし、自分のうまくいった経験を他者に押し付けてはいけないものだと思っています。

 しかし、自分の弱さとか過去に向き合わないと、自分の足枷に気づくことができないし、他人に対しても共感できないと思います。

 私は最近、自分の中の壁を一つ破れたと思っていて、それは誰にも見せたくない自分の過去や弱さに向き合った結果だと思っています。

 普段偉そうにブログで記事を書いたり、Twitterでツイートをしたりしている私ですが、私自身も生きていて、モヤモヤするときもあるし、悩みに直面することもあります。

 だけど、最近、自分の過去や弱さを仲の良い友達に指摘されて、本気で向き合うことで、何か吹っ切ることができました。

 それを言語化してみたのが、このツイートです。

 今回、ばっしーさんとお話ししていて、自分の過去のいい思い出だけではなくて、誰にも見せたくない過去に向き合ってみることが大事なんだと、改めて認識することができました。

 皆さまも心に余裕があるとき、自分の過去や弱さを振り返ってみては、いかがでしょうか?

 ということで、今回はこれで終わりにしたいと思います。

 ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

 それでは次回も、よろしくお願いします。

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プロフィール

 

名前:ぽん乃助

 

社会の荒波に揉まれ、猫の皮を被ることになった繊細な人間。世の人間たちの間では、繊細な気質のことをHSPと謳って色んな情報が溢れる中、猫の穿った目線で処世術のヒントっぽいことを呟く。猫パンチのない、穏やかな世界が好き。箱の中で生死を待つのではなく、箱の外に出ることを選択するシュレーディンガーの猫になりたい。

 

 

 

 

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