HSPの人が理詰めの人に対抗する思考力のトレーニング法とは?
理詰めな人が苦手…、そんなことをよく耳にする機会があります。
ただ、会社や学校といった組織の中では、「感情」よりも「論理」が尊重されるため、どうしても理詰めな人と接することは避けられません。
また、組織内では「論理」が尊重されることから、「感情」だけで立ち向かうのは困難です。
そのため、理詰めな人とうまくコミュニケーションをとるためには、ロジカルシンキングの力を身に付けることが大事だと考えています。
そこで、今回の記事では、ロジカルシンキングの鍛え方を図解で簡単にお伝えしたいと思います。
そして、今回は特に「理詰めな人が苦手」という方に読んでいただきたいと考えています。
以前私は、3ヶ月間土日を犠牲にして、ロジカルシンキングに関する社外研修を受けてまいりました。
そういった研修で得られたことや、複数読んだ本で得られたことについて、ポイントを絞って伝えていきたいと思います。
大事なことは、「相手の主張を聞くとき・自分が主張をするときに、ピラミッド図を頭に思い浮かべること」です!
この記事の目次
ロジカルシンキングとは
ロジカルシンキングは、日本語訳すると、論理的思考となります。
前述のとおり、会社や学校などの組織の中では、「感情」よりも「論理」が尊重されます。
それは、「感情」は主観的な物の見方であり、「論理」は客観的な物の見方であるため、「論理」の方が、周囲の納得性が高いからです。
ロジカルシンキングは定義のされ方がたくさんありますが、要は「客観的な情報から、適切に結論を導き出す思考」だと思っています。
ロジカルシンキングというと、「MECE」「フレームワーク」など、言葉だけが独り歩きした関連用語がたくさん出てくるため、難しい印象もあるかもしれません。
でも、心配する必要はありません。ロジカルシンキングとはずばり、以下のピラミッド図で表すことができます。これは、ピラミッドストラクチャーとも言われることがあります。
相手の主張を聞いているときや、自分が主張をしているときに、上記のピラミッド図を頭に自然と思い浮かべることができている人は、ロジカルシンキングに長けていると言えると思います。
人間の頭で処理できる情報には限界があります。
だからこそ、「課題・問題」・「結論」・「根拠」というように、上下関係を明らかにして、情報を整理することで、多くの情報を処理できるようになるのです。
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ロジカルシンキングのトレーニング方法
(1)ロジカルシンキングのトレーニングは、とにかく頭にピラミッド図を思い浮かべること
ロジカルシンキングをトレーニングするためには、とにかく、やることは一つだけ。
相手の主張を聞いているとき、もしくは自分が主張しているときに、ピラミッド図を思い浮かべて、今聞いていること・話していることがどこに当てはまるのかを意識すること!
ロジカルシンキング関連の本や研修を受けると、ピラミッド図が絶対に出てきます。
逆に言えば、ピラミッド図を使いこなせれば、一定レベルまでロジカルシンキングの力を引き上げられるということになります。
ただ、ピラミッド図について、間違った解釈をしたまま使うと、意味がなさなくなります。
そこで、ピラミッド図を使うにあたっての順序と留意点を述べていきたいと思います。
また、慣れるまでは実際に書きながら、情報を整理すると良いと思います!
(2)ピラミッド図を使うにあたっての順序と留意点
順序①:「問題・課題」は常に見える位置に書いておくこと。そして、疑問形にすること。 会社や学校などで、「質問に対する答えになってない」と指摘された経験がある方もいらっしゃると思います。 それは、質問への回答を考えているうちに、質問の目的(≒その人が解決したかった「問題・課題」)を忘れてしまっているからです。 そのため、ピラミッド図の最上部である「問題・課題」は常に見える位置に書いておくことが好ましいです。(これは、数人で話し合う会議の場においても有用です。) また、「問題・課題」は疑問形にするようにしましょう。 事例も無いと分かりにくいため、今回は上司に「事業Aの利益が低いんだ。そのため、原因を探ってきてほしい。」と言われたとしましょう。 そうすると、「問題・課題」は「事業Aの利益が低い理由は何か?」となります。 順序②:「根拠(大)」を抜け漏れ&ダブりの無いように仮定する。更に、「根拠(大)」同士が並列関係かに留意する。 最終的な結論は、複数ある「根拠(大)」の組合せとなります。 そのため、「課題・目的」がわかったら、次に「根拠(大)」を仮に当てはめてみましょう。 ここで大事なことが、「根拠(大)」を仮定するにあたって、抜け漏れ&ダブりの無いようにすることです。(これが俗にいう、「MECE」というやつです。) 抜け漏れ&ダブりの無いようにするためには、いくつかの方法があります。 よく使われる方法の一つは、決まった考え方(数学で言う「公式」)を当てはめることです。 これが俗にいう「フレームワーク」というやつです。 「フレームワーク」はたくさんあり、ググればたくさん出てきます。 使いやすい「フレームワーク」については、今後、本ブログでも紹介していければと思います。 今回、私がお勧めしたい方法は、「根拠(大)」を因数分解することです。 また、ロジカルシンキングに慣れていない方は、いきなり4つとか5つに分けるのではなく、2つに因数分解することを意識しましょう。 「会社内と会社外」・「自分と相手」といったように分けることが例として挙げられますが、2つに分けることで、抜け漏れ&ダブりを回避しやすくなるためです。 さて、今回のケースで考えてみましょう。「課題・問題」は何でしたっけ? そう、「事業Aの利益が低い理由は何か?」です。 「利益=売上高̠̠-費用」となります。 そのため、「売上高が低い」のか「費用が高い」のか、どちらか、もしくは両方が原因と言えそうです。 また、「根拠(大)」が並列の関係になっていることにも留意しましょう。 今回のケースでは、「根拠(大)」として、「売上高が低い」・「費用が高い」・「人件費が高い」となっている場合、それはNGです。 それは、「費用が高い」の一つの要素として「人件費が高い」が挙げられるからです。 つまり、「人件費が高い」というのは、「根拠(小)」に位置づけられるわけです。 順序③:根拠(大)に対する根拠(小)を仮定する。ここでも、抜け漏れ&ダブりの無いように仮定し、「根拠(小)」同士が並列関係かに留意する。 次に、先ほど仮定した根拠(大)をさらに細分化するため、根拠(小)を仮定していきます。 基本的には、順序②とやり方は同じです。 「売上高=ユーザー数×価格」であるため、「売上高が低い」という根拠(大)は、「ユーザー数が少ない」と「価格設定が低い」に細分化できると思います。 「費用=固定費(何もしていなくても発生する費用)+変動費(生産をすればするほど発生する費用)」であるため、「費用が高い」という根拠(大)は、「固定費が高い」と「変動費が高い」に細分化できると思います。 更に、「ユーザー数が少ない」というのも、新規ユーザーと既存ユーザーに分けられますし、「固定費」と「変動費」もたくさんの要素に細分化できます。 先ほどから掲載しているピラミッド図では、根拠(大)の次に根拠(小)があって終了としておりましたが、根拠の細分化を繰り返し、下記の図のようにピラミッド図を下に伸ばすこと(何層にも重ねること)で、更に情報が整理しやすくなる場合もあります。
順序④:実際のデータに照らし合わせて、仮定した根拠の正しさを確認する ここまできたら、あとは単純作業になってきます。 順序②・③で仮定してきた根拠を、実際のデータに照らし合わせて、正しいか誤りの判断をしていきます。 実際には、ピラミッド図上で〇×をつけていくと良いと思います。 今回のケースでは、実際に照らし合わせてみたら、「新規ユーザーが少ない」ことに問題がありそうだということが、分かったということにします。(※実際のケースでは、要因が複合的であることが多いです。) 順序⑤:結論付けて、最終提案を行う さて、最後に順序④で〇がついた要素を見て、結論付けましょう。 今回のケースでは、結論は「事業Aの利益が低い理由は、新規ユーザーが少ないから」となります。 これで、上司の最初のオーダーには答えられたわけです。 ただし、ここまで導き出せれば、上司のオーダー以上の提案ができます。 元々、上司は「事業Aの利益が低い理由は何か?」と聞いてきたわけですが、この質問は、「事業Aは改善の余地があるのか? もしくは、事業自体を取りやめた方がよいのか?」ということを判断するために、聞いてきたと考えられます。 今回の場合は、新規ユーザーが少ないことだけに問題がありそうなので、例えば、「事業Aの利益を高めるためには、新規ユーザー獲得のために、広告費をもっと投入すべきではないか?」といった最終提案もできるわけです。 これで、ロジカルシンキングの全工程が終了となります。(実は、更に深める方法もありますが、機会があれば紹介したいと思います。) |
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ロジカルシンキングの活用方法
(1)自分が主張をする場合(主張の順番はCRECの順に!)
まずは、自分が主張をする場合を考えましょう。
事例は、先ほどと同様に、「事業Aの利益が低い理由は?」という問題・課題に対して、主張するとしましょう。
先ほど完成させたピラミッド図を早速使ってみましょう。
ここで大事なことは、主張する順番となります。ここで使える技術が「CREC」となります。
これは、「①Conclusion(結論)→②Reason(根拠)→③Evidence or Example(実証・実例)→④Conclusion(結論)」の順番に説明するということです。
今回のケースの場合、ピラミッド図が完成しているため、それぞれの要素は既に答えが出ています。(前述の順序④におけるデータの照らし合わせの部分を省略しているため、一部補足して記載しております。)
それでは、実際に私が回答してみたいと思います。
ここで、理詰めの上司なら、頭にピラミッド図を描ける人が多いため、以下のとおり質問するでしょう。
ただ、恐らく手元にピラミッド図を持っているのであれば、順序④で確認した結果を伝えることで、理詰めの上司も折れてくれることでしょう!
(2)相手の主張を聞く場合(ロジカルシンキングで適切なアドバイスをしよう)
相手の主張を聞く場合は、少し難易度が高めになります。
その理由は、自分が話す場合と異なり、相手は独自の思考回路で主張を展開してくるからです。
ピラミッド図が扱えるようになってくると、相手の話を聞きながら、自然と頭にピラミッド図ができるようになります。
例えば、相手が以下のように言ってきたとしましょう。
もし、自分の頭の中に瞬時にピラミッド図ができていれば、私は、以下のようにアドバイスをします。
こんな感じで、相手の思考回路を補う形でアドバイスをすると、相手自身のロジカルシンキングの力もアップします。
あと大事なことは、まずは相手の思考回路を褒める形でスタートしたほうが良いです。どうしても理詰めにされる側は、嫌な気を起こす可能性があるためです。
皆さんの会社でも、「物分かりが良い人」がいると思います。
こういう人は、相手が長くて分かりにくい説明をした時でも、全ての事項を聞かずに、頭の中のピラミッド図を思い浮かべながら、要素を当てはめていって理解している方が多いと思います。
是非、ピラミッド図の扱いに慣れてきたら、頭にピラミッド図を思い浮かべながら、人の主張を聞くということに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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おわりに
今回は、理詰めにされるのが苦手な人に向けた記事であるため、事例を交えながら、図を多めにして、ロジカルシンキングを解説いたしました。
また、本当に大事なポイントだけに絞って、全体的に短めな記事になるよう意識しました。
とはいっても、ロジカルシンキングの力をつけるためには、今回の記事を見るだけですぐに伸びると保障することができません。
少し無責任な言い方になってしまいますが、あとは「習うより、慣れろ!」です。
とにかく、実践に移すことが大事だと思います!
理詰めにされるのが苦手な方であっても、コツさえ掴めてしまえば、案外パズルのようにロジカルシンキングができるようになります。
最初はうまくいかなくても、繰り返していけば徐々にロジカルシンキングができるようになってくると思いますので、ぜひ試してみてください!
あともう一つお伝えしたいことがあります。
「仕事がたくさんある中で、いちいちピラミッド図なんて描く暇なんかないよ…。」と言いたい方もいらっしゃると思います。
もし、組織の中で、特に経営陣まで上げていくものについては、「論理」が最大限に重視されるため、ロジカルシンキングを使ったほうが良いと思います。
ただし、自分で完結するものや信頼できる相手だけで決済が完了する仕事や用事については、カウンセリング技法でもある「解決志向」が役に立つと考えております。
昨今、論理だけでは説明がつかない事項も多くなってきましたが、「解決志向」はそんな問題でも一瞬で結論を出すことができます。(「解決志向」について、興味がある方は以下の記事にて、まとめています!)
自分がHSPであることを言い訳にすべきでない理由とは?
(本記事内にて、「解決志向」をまとめています)
それから、今回お伝えしたロジカルシンキングについては、家庭には持ち込まないようにしましょう!笑
使い方を誤ると、場合によっては家庭崩壊につながりますので…。
是非、次回のブログ記事もご覧いただけますと、大変幸いです!
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