【HSP対談vol.13】HSP交流会の意義や効果とは?
2020年6月28日に、HSPに関する13回目の対談を実施しました!
HSPとは、繊細で敏感な気質の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)
HSPの人は、繊細で敏感な気質がゆえに、仕事や私生活で生きづらさを抱えやすいと言われています。
そのため、HSPなど生きづらさを抱える方々に向けてのヒントを探るため、色んな方々と対談を実施しています。
前回の対談の模様も記事にまとめておりますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!
【対談vol.12】当事者同士で語るうつ病との向き合い方とは?
さて、昨今はHSPの概念が知られるようになり、HSPの当事者同士の交流会を開催される方が増えてきました。
よく、精神疾患の方においては当事者同士の交流会が開かれており、参加者に良い効果をもたらすといわれることがありますが、HSP同士の交流会についても同様に意義や効果があるのではないかと考えています。
そこで今回は、HSPの当事者同士の交流会の意義や効果などを考えるため、HSP交流会の主催者の方と対談を実施しました。
対談で見えてきたことについて、簡潔にお伝えしていきますので、ぜひ、最後までご覧ください!
この記事の目次
対談の概要について
(1)対談の趣旨
私は、HSPは単なる性格傾向(≠病気)であり、「自分がHSPであること」自体には意味をなさないと考えています。
ただし、HSPは抑うつ傾向が高いということなどが分かっており、社会生活に支障が出る可能性のある性格傾向であることが示唆されています。(私自身、以前にうつ病になったことがあり、その原因のひとつとしてHSPの気質が一定影響しているのではないかと、私個人としては考えています。)
そのため、HSPの人が生き方や働き方の工夫を試行錯誤することで、精神的に苦労する人が減るのではないかと思っています。
また、その一つとして、交流会が機能しているのではないと考えています。
私は仮説として、交流会の意義や効果として、以下の①~②の効果をもたらしていると考えています。
【HSP交流会の意義や効果(私の仮説)】 ①「受け入れてもらえた」という感覚を蓄積して、孤独感に強くなる ②自己開示することやそのことが受け入れられていると感じることでストレス低減する |
この仮説については、以前、私のブログの記事で考察したことがありますので、ぜひ以下のリンクからご覧ください。
HSPや発達障害の当事者交流会で得られる2つのメリットとは?
今回は、交流会の主催者とお話ししあうことで、実際にこの仮説を検証するとともに、HSP交流会の目的を言語化・再発見することを目的に、こうした対談を開催するはこびとしました。
(2)対談のお相手について
①あきさん
・HSPの方向けに、時々、交流会を実施されていらっしゃる方です。等々力渓谷の散歩を兼ねて交流会を実施するなど、何かと組み合わせた楽しそうな企画を実施されています。
・一人ひとりの個性や多様性をよく考えていらっしゃって、すごく懐が広い方だな…と思いました。「自由な感じ」ということを大切にされている印象を受け、すごくお話しやすかったです…!
あきさんのTwitter→こちら |
②うがちゃん
・心のお悩みなど、テーマを絞ってHSP交流会を実施されている方です。YouTubeやブログなどでも、HSPの生き方について発信されています。
・相手のお話をしっかり傾聴しており、すっごく優しい方だという印象を受けました。それでいて思考が深く、HSPの「生きづらさ」に関して、色々と参考になる見解をいただきました…!
うがちゃんのTwitter→こちら |
③吉田光さん
・テーマを決めずに「交流」ということに主眼をあてて、HSP交流会を実施されている方です。AbemaTVにもご出演経験がある方です。
・役者をしながら、HSPに関する発信もされている方で、とにかく面白く・思考の深さが印象的の方でした。対談中でも、行動力の凄まじさが滲み出ていて、すごく見習いたいな…と感じていました。
吉田光さんのTwitter→こちら |
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対談を通じて分かったこと
(1)HSPに対する捉え方について
今回のご対談相手は、HSP交流会を主催されている方ということで、実際にHSPの方に会う頻度も多い方々です。
そのため、まずは「HSPについて、どのように捉えているのか?」ということを聞いてみたいと思い、質問をぶつけてみました。
これを聞いたとき、早速興味深いご意見をいただけたと思いました。
皆さんのご意見に共通していたと感じたのは、HSPはあくまで自分や他人をよく知るための「ツール」であり、「ツール」をうまく活用することに意味があるという発想でした。
私も同じような認識を持っており、ここについて、さらに踏み込んで聞いてみました。
皆さん、HSPに関して深く考えていらっしゃるからこそ、すごく深いご意見をうかがえました。
私自身もこの話を聞いていて、「そもそもHSPは他者から診断されるものではなく、チェックリストをもとに自分がHSPだと知るもの」なので、「HSPの人とそうでない人」と分けること自体、難しいことだと思っています。
なので、あくまで「HSP」というツールを通じて、自分の生きづらさの原因などを深く知り、生き方を改善するためのきっかけにつなげることが何よりも大事だと感じました。
また、「HSPの中にもいろんな人がいる」というお話を聞き、「この人はHSPだからこういう人だ」という見方ではなく、「この人にはHSPの側面もある」という見方のほうが、相手のことをよく知ることができるのではないかと思いました。
この考え方については、以前ブログの記事でまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。
(2)HSPと仕事について
お話を進めていると、「HSPの人で仕事に悩んでいる人が多いのではないか?」というテーマに行き当たりました。
そこで、次に「HSPと仕事」について、お話をしました。
HSPの方で仕事に悩んでいる人も多いと思いますので、すごく参考になるお話が聞けたと思いました。
「転職」や「独立」というお話も出てきましたが、以前私がTwitterで実施した調査でも、転職や独立をして「働きやすくなった」と回答した人がそうでない人よりも、圧倒的に多くの割合を占めていました。(詳しくは、以下のリンクの記事にまとめていますので、気になる方はご参照ください。)
転職をして「働きやすくなった」と答えたHSPの人は○%も!?
なので、自分の働き方と向き合うにあたっては、「今の環境でどう工夫して働きやすくするか?」という発想も必要ですが、転職や独立なども視野に入れることも大事なのではないかと思いました。
また、「なんとなく生活費+αは稼いでいるけれど幸せそうじゃない人」が多いというのも、すごく納得してしまいました。
世界の幸福度ランキングを見てみても、裕福な国が上位にくるわけでもないですし、「お金と幸福度」は完全に比例するものではないと改めて感じました。
この「お金」の部分については、HSPの働き方を考えるにあたってすごく大事なことだと思ったので、さらに深く突っ込んで聞いてみました。
私はこの話を聞いていて思ったのは、私も含めてですが、「お金に対して漠然とした認識しかないから、将来に不安を感じている人が結構多いのではないか?」と思いました。
恐らく、会社員として勤めている人の多くが、お金に対して漠然とした認識を持っていて、不安に感じている人が多いと思います。
そして、その不安から、自分のキャリアに関して一歩前に踏み出せない人もかなり多い気がします。
私は、HSPで仕事に悩んでいる人にとって、「自分はどれくらいお金が必要なのか?」「自分にとっての最悪なケースは?」などを考えてみることは、自分のキャリアを進展させる意味でもとても大切なのではないかと思いました。
(3)HSP交流会を開催していて思うこと
次に、今回の対談の一番テーマにしたかった交流会について、お話をうかがってみました。
まずは、こんな問いかけをしてみました。
皆さん、交流会を実施するにあたって、全体の雰囲気を見ながら参加者個別に働きかけるなど、参加者に満足してもらえるように、いろいろ工夫して実施されているんだな…と思いました。
そして、今はコロナ禍でオンラインでの交流会が主流となっている中で、「実際にHSPの人同士が会うことに意味がある」というのは、私にとって新たな気づきになりました。
たしかに、「自分と同じ悩みを抱えている人が他にもいる」ということを実感できるだけでも、前向きな気持ちになれるときがありますよね!
さらに、交流会の主催者同士ならではのお話もうかがうことができました。
交流会によって、雰囲気も目的も異なるというのは、非常に大事なポイントだと思いました。
なので、参加者目線で考えてみると、一つの交流会だけ参加してみて「自分には合わない」と判断するのではなく、複数の交流会に参加してみて雰囲気を味わってみるというのも大事なのではないかと思いました。
また、お話を聞いていて、HSPという言葉が多くの人に知れ渡り、HSP交流会も増えてきているので、交流会によっての雰囲気や目的が事前に分かりやすくなれば、交流会がもっと効果的に機能する可能性も広がっていくのではないかと感じました。
(4)HSP交流会の意義や効果について
そして、この対談の大きなテーマとして考えていた、「HSP交流会の意義や効果」について、うかがってみました。
私はお話を聞いていて、主催者はそれぞれ強い思いを持ってHSP交流会を開催されているのだと思うと同時に、私が当初仮説を立てていた交流会の意義や効果(①孤独感に強くなる、②ストレス低減につながる)以上のものが、交流会を通じて得られるのではないかと思いました。
それは、HSP交流会によっても違うと思うので一概に言えませんが、例えば「次の一歩を踏み出す勇気」など、後ろ向きな気持ちを拭うだけでなく、前向きな気持ちを得られる機会にもつながっているのではないかと思いました。
そして、最後に、こうしたお話もありました。
「自分はHSPだから○○」ではなく「自分の中にHSPの特徴に当てはまる部分がある」くらいでいいのではないかと思います。
私が感じたのは、HSPというのはあくまで自分のことをより良く知るためのツールであり、逆に言えば、「自分=HSP」だというシンプルな構図を当てはめて、自分の個性を見失ってはいけないものだと思いました。
そして、今回の対談のテーマと照らし合わせると、自分の生きづらさは自分が行動しなければ変えることができず、交流会は他人から助けてもらうための機会ではなく、「自分がどのように行動を移せばいいのか?」といったような気づきを得たり、気づきを行動に移すための勇気を得る機会としてとらえることが大事なのではないかと感じました。
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おわりに
さて、今回の対談でも、色々な学びを得ることができました。
今回の対談にご参加いただいた、あきさん、うがちゃん、吉田光さん、本当にありがとうございました!
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
HSP交流会をテーマとして、お話してきましたが、交流会に限らず、HSPの生きづらさの改善につながる考え方が色々とうかがえて、私自身もとても参考になりました。
今回、HSP交流会を主眼にあてたのは、HSPが色んな人に知られるようになってきた中で、HSP当事者同士の交流会が増えてきたことにあります。
その中で、HSP交流会が宗教勧誘や悪徳商法に使われている事例もあり、私はHSP交流会の意義や効果を客観的な視点で言語化することが必要だと感じていました。
そのため、今回はHSP交流会の主催者とお話をする機会を設けることとしました。
そうした意味でも、私の中での結論としては、「HSP交流会は、助けを求めに行く場所ではなく、自分が主体的に行動に移すためのヒントや勇気を得る場所」だと認識することが、とても大事なのではないかと思いました。
実際に、「HSP交流会に参加してみたい」という方は、こうしたことを念頭に置き、目的を明確にして交流会に参加してみてはいかがでしょうか?
今後も、HSPの人にとっての理想の生き方や生きづらさの改善を追い求めるべく、引き続き対談を実施していきたいと思います。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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