多忙に悩むHSPは他人への「配慮」の仕方が間違っているのか?
みなさん、こんにちは。ぽん乃助です。
さて、5人に1人にいるHSP(≓繊細・敏感な性格)の方の悩みとして、マルチタスクが苦手ということが挙げられます。
また、近年の職場環境では、一人に求められる仕事量が多くなっていることもあり、多忙を悩みに抱えるHSPの方も多々いらっしゃるのではないでしょうか。
でも、ちょっと待った。もしかすると、その多忙さ、あなたの行き過ぎた「配慮」が原因かも知れません!
HSPの方は、感性に優れるがゆえに、他人に対する「配慮」に長けています。
ただし、「配慮」の仕方が間違っていると、良かれと思ってやっているのに、自分にとっても他人にとっても、刃を向ける可能性があります。
そこで今回は、多忙さを悩むHSPの方に、正しい「配慮」の仕方をお伝えしたいと思います!
(※以下のリンク先では、HSPの詳細について記載しており、自己診断チェックもできます。)
この記事の目次
HSPの方が陥りやすい、間違った「配慮」の仕方とは?
(1)HSPの方が「配慮」に長けている理由
HSPの方は、繊細・敏感な性格がゆえに、人の表情や動作の機微、仕事の抜け漏れといった細かい部分に気づきやすいと言われます。
そのため、「このまま上司に説明したら、こう言われるかも知れない。」といったような、リスク管理の観点からの想像力に長けるため、石橋を叩いて渡るタイプの仕事をする人が、HSPの方の中には多いようです。
また、他人に対しても、困ってそうな状況であったり、仕事が滞ったりすると、いち早く気づく力があると言われます。
そんな他人の状況に気づくと、気づいたままで終えずに、「配慮」して手助けなどを行うHSPの方が多いのではないでしょうか。
これらを踏まえると、HSPの方が「配慮」に長けている理由としては、以下の通り挙げられるのではないでしょうか。
【HSPの方が「配慮」に長けている理由】 1:他人の困っている状況や、チームの仕事の滞りに、いち早く気づくことができるため 2-a:他人に良く思われたいという気持ちや、他人を助けたいという気持ちが強いため 2-b:気づいたままの状況であると、気持ち悪さを感じてしまうため |
今回の記事の重要なポイントは、2-aや2-bの部分にあります。
「配慮」というのは、①他人の状況などに気づいて、②手助けを行う、という2ステップに分けることができます。
この②の部分に行動が至る理由は、他人と穏便な関係性でいたいという平和主義的な考え(上記の2-a)が、心に根付いているHSPの方が多いからだと考えられます。
また、気づいたままの状況であると、気持ち悪さを感じてしまう(上記の2-b)ため、手助けを行うという人もいるでしょう。
これらの前提を踏まえた上で、HSPの方が陥りやすい、間違った「配慮」の仕方を、この次に述べていきたいと思います。
(2)HSPの方が陥りやすい、間違った「配慮」の仕方
さて、ここではHSPの方が陥りやすい、間違った「配慮」の仕方を述べていきたいと思います。
早速ですが、間違った「配慮」の例を、会話形式で挙げていきたいと思います。
どこが間違っているのか、考えながら、見てみてください!
さて、皆さんは間違いの部分に気づけましたでしょうか。
そう、相手に手助けするタイミングが早すぎるのです!
正確に言えば、相手から具体的に助けを求められていない(○○を手伝ってほしいと言われていない)のに、手助けしてしまっているのです!!
さて、さっきから、私は「間違い」と連呼していますが、「間違い」といえる根拠はあるのか…と思う人もいるかも知れません。
根拠はあります。
それは、手助けするタイミングが早いことは、いろんな人にとってデメリットが大きいからです。
そのデメリットを以下のとおり、まとめました。
【手助けをするタイミングが早いことのデメリット】 ①自分にとって: ・本来は自分がやる必要の無い仕事が増える ・他人への手助け癖がつく(他人を信頼できなくなる) ②相手にとって: ・助けを待つようになってしまい成長しない ・助けが当たり前となり有難さが感じられなくなる(ありがた迷惑になっている可能性もある) ③チーム(組織)にとって: ・メンバーによる仕事の出来・不出来に偏りが生じて、生産性が落ちたり、属人的になったりする |
もちろん、いろんな人がいる中で、互いを尊重し合って生きていくためには、「配慮」は必要です。
しかし、「配慮」はいついかなる時も正しいと思われがちですが、上記のように、「配慮」は良い方向に働かない場合もあります。
だからこそ、自分のためにも、相手のためにも、適時適切に「配慮」を使っていく必要があると思っています。
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HSPの方にとって、「配慮」を本物の武器にするために
先ほどは、HSPの方が陥りやすい間違った「配慮」の仕方として、手助けするタイミングが早いと言うことを述べてきました。
さて、前述の内容を思い出してください。
繰り返しになりますが、「配慮」は、①他人の状況などに気づいて、②手助けを行う、という2ステップに分けることができます。
つまり、手助けするタイミングが早いと言うことは、①と②の行動が連動してしまっているということです。
言い換えると、HSPの方にとって、気づいたら手助けを行うということが、自動的な行動になってしまっている可能性があるということです。
この点を踏まえて、HSPの方にとって、「配慮」を本当の武器にするための方法を紹介したいと思います。
【HSPの方にとって、「配慮」を本当の武器にするための方法】 ①他人の状況に気づいても、あえて手助けをしないようにしてみる。相手から具体的な助けを求められたら、はじめて手助けをするようにする。 ②一方的な「配慮」にならないように、他人に手助けをするときには、相手にも手助けを求めるようにする。 |
①については、一見、意地悪に思えるかも知れません。
だけれども、何でもかんでも手助けをしてしまうと、前述のとおり、相手のためにも自分のためにもなりません。
また、HSP(≓繊細・敏感な性格)でない人にとっては、そもそも気にもとめないコトなのかもしれません。
だからこそ、特に自分に余裕がないときには、気づいたとしても、手助けすることをグッとこらえることも重要なのではないかと思います。
とはいえ、全く手助けしないというのも気持ち悪さが残るため、相手から具体的な助けを求められたら、はじめて手助けをするようにしてみてはいかがでしょうか。
②については、自分と相手のあいだに対等な関係性を築くための方策です。
一方的な配慮をし続けることで、相手から依存されるようになり、自分がやる必要のない仕事も増えますし、相手の成長も止める可能性があります。
また、一方的な配慮をすることで、前述のとおり、自分自身が他人を信じることができなくなる可能性もあります。
そのため、他人に手助けをするときには、相手に対しても手助けを求めるようにしてみてはいかがでしょうか。
例えば、簡単なところでいうと、自分の作った資料をチェックしてもらうことなどが挙げられると思います。
余談ですが、HSPの方は、自分が思っている以上に、仕事も丁寧であることが多いようです。
そのため、例えば資料作成の場合においては、作り込みが足りないと思っている段階でも、他人にチェックをしてもらう勇気が必要かも知れません。
世の中の標準で考えれば、既に、十分に作り込みができている資料になっている可能性もあるからです。
さて、今回は記事タイトルにもあるとおり、HSPで多忙な方に向けて記事を書きました。
それは、もしかすると、間違った「配慮」によって、自分自身で仕事を増やしている可能性があるからです。
でも、間違った配慮は、自分だけでなく、相手にとっても組織にとっても、デメリットをもたらします。
そう考えると、むやみに「配慮」をすることは、誰のためにもならない場合があると、気づくことができるのではないかと思います!
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まとめ
・「配慮」は、①他人の状況などに気づいて、②手助けを行う、という2ステップに分けることができる。 ・HSPの方が陥りやすい、間違った「配慮」の仕方として、相手に手助けするタイミングが早いことが挙げられる。(上記の①と②の行動が連動してしまっている。) ・間違った「配慮」によって、本来自分がやる必要の無い仕事が増えるというデメリットがある。他にも、相手の成長を阻害したり、組織の生産性を落としたり、自分以外にもデメリットをもたらす場合がある。 ・HSPの方にとって、「配慮」を本物の武器にするためには、気づいたとしても敢えて手助けしないということも時には必要。また、自分と相手のあいだに対等な関係性を築くため、相手に手助けをするときは、相手からも手助けをしてもらうように求めることも大事。 ・多忙なHSPの方は、その多忙さが、自分の「配慮」によって生み出されているものでないか、考えてみましょう。そして、むやみに「配慮」をしているのであれば、その「配慮」が誰のためにもなっていない場合があることを、念頭におきましょう! |
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おわりに
中国での旅行中、私がファーストフード店に入ったとき、いつもの癖で自分が食べた後のゴミを捨てたら、店員に嫌な顔をされたことがありました。(写真は、中国の深圳で撮ったものです。)
この理由を友達にたずねたところ、「店員の仕事を奪うことにつながっているからだと思う。」という答えがありました。
中国は人口が多いということも関係しているのか、ファーストフード店においても、掃除をする店員がついています。
そのことに、私は気づいていたのですが、私なりの「配慮」としてゴミを片付けることに至ったのです。
しかし、その「配慮」は、相手の仕事を奪うということにつながってしまっていたわけです。
そのときに、「配慮」は時に、自分のためにも、相手のためにもならない場合があることを、再認識しました。
また、「配慮」は、①他人の状況などに気づいて、②手助けを行う、という2ステップに分けることができると述べてきました。
HSPの方で、たまに他人の「配慮」のできなさを指摘する声も聞きますが、そもそも、HSPと同じレベルで他人に「配慮」をするということは至難の業なのです。
それは、「①他人の状況などに気づく」ということが、普通の人にとって難しいからです。
だからこそ、他人の「配慮」については、目をつむってあげることが、それこそ本当の「配慮」なのかもしれません。
さて、今回は、直近に発売されたHSP関連の本を参考にしつつ、記事をつくりました。その本を紹介いたします。
HSP関連の本は、昨今では色々な方が出版されているため、重複している部分もあります。
しかし、現役のカウンセラーが書いているということもあり、現実的で具体的な処方箋が沢山書かれておりますので、HSPの方にとっては、一読の価値がある本だと思います!
また、今回の記事の冒頭に、HSPの方の悩みとして、マルチタスクが苦手であるということを挙げました。
以前に、マルチタスクが苦手な方に向けて、todoリストの作り方を本ブログで紹介しましたので、興味がある方は、以下のリンクからご参照ください!
もし、今回の記事が、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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