HSPの人が仕事で苦手な場面に直面した時の3つの克服法
HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)
HSPの人はその気質が原因で、一般の人であればどうってことない場面であったとしても、仕事で心理的負荷がかかるようなツラい場面のときがあります。
たとえば、HSPの人は、職場で自分以外の人が怒られていたとしても、自分に刃が向けられたような感じがする人が多いと言われています。
そして、この場面以外にも、HSPの人が仕事で苦手な場面は多岐にわたります。
「苦手な場面からは極力逃げろ!」と言われることがよくありますが、苦手な場面に突然直面してしまい、逃げることができない経験を、皆さんもされたことがあるのではないでしょうか?
そこで今回は、HSPの人にとって苦手な場面の共通点を考察したうえで、苦手な場面に直面したときの克服方法をお伝えしたいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください!
この記事の目次
HSPの人が仕事で苦手な場面の共通点とは?
(1)HSPの人が仕事で苦手な場面が多い理由について
さて、冒頭にも述べたとおり、一般の人であればどうってことない場面であったとしても、HSPにとっては心理的負荷がかかるようなツラい場面があります。
その理由は、HSPの人は、通称「DOES」と呼ばれる特徴を持っているからです。
【HSPの4つの特徴】 D(Depth of processing、処理の深さ): O(Overarousal、神経の高ぶりやすさ): E(Emotional intensity、強い感情反応): S(Sensory sensitivity、感度のするどさ): ※引用(一部改変):みさきじゅり(2018)「ささいなことに動揺してしまう敏感すぎる人の『仕事の不安』がなくなる本」秀和システム |
これらの特徴を持っているため、HSPの人は、自分とそれ以外の境界線が薄いと言われています。
簡単に言えば、HSPの人は感覚が優れているため、他人のことであっても自分のことだと感じてしまうのです。
さらには、HSPの人は物事を深く考えるため、必要以上に深刻に考えてしまう場合があるというわけです。
そのため、冒頭で述べた事例でもある「他人が怒られた場面」であっても、自分のことだと考えてしまい、HSPの人にとっては苦手な場面の一つとなってしまうわけですね。
(2)HSPの人が仕事で苦手な場面の共通点について
さて、次にHSPの人が仕事で苦手な場面の共通点を考えていきましょう。
本やTwitterなどで「HSPの人が仕事で苦手な場面」に関する情報を見ることがよくありますが、代表例として、下記のとおり挙げられるのではないでしょうか。
【HSPの人が仕事で苦手な場面(代表例)】 ・自分や職場のメンバーが詰められたり怒られたりする場面 ・多くの人が参加する会議や打合せで自分の意見を言わなければいけない場面 ・クレームの電話に対応したり、謝罪に客先に行ったりする場面 ・急に状況が変わり、今日中に仕事を仕上げたりするなど、緊急対応が求められる場面 ・職場の忘年会や送別会、同僚との飲み会や合コンといった業務時間外での場面 など |
これ以外にも、たくさん挙げられると思いますが、挙げ始めたらキリが無いですし、気分も悪くなってくるので、この辺にとどめておきますね。笑
さて、苦手な代表例の場面を挙げていきましたが、これらの場面に共通することとして、下記のとおり考えられるのではないでしょうか?
【HSPの人が仕事で苦手な場面の共通点】 ・逃げ場がない ・自分のペースが保てない ・他人との比較がされやすい ・過度に気を遣わなければいけない ・本来の自分を出すことができない ・感覚(特に視覚と聴覚)が刺激されやすい |
きっと、HSPのあなたにとって苦手な場面には、こうした共通点があるのではないでしょうか?
こういう場面に直面すると、心の余裕が保てず(ドキドキしてしまい)、体力・気力の消耗が激しいですよね。
さて、本やTwitterを見ていると、「苦手な場面がよくある職場は避けた方が良い」「自分の意志で苦手な場面は避けるべき」といった意見をよく見ます。
この意見は確かにそうなんです。
苦手な場面から逃げられれば、それ以上の対策はありません。
だけど、苦手な場面をすべて避ける…ということは、どんな人であっても難しいのではないでしょうか?
つまりは、多かれ少なかれ、誰だって苦手な場面に直面することがあると思うんです。
だからこそ、苦手な場面に直面したときに、克服する方法を知っておくことが大事なわけです。
それでは次に、その克服する方法をお伝えしていきます。
なお、先述のとおり、苦手な場面が少ない職場を選ぶということも、HSPの人が快適に仕事を続けるにあたってもちろん大事なことです。
そこで、HSPの人の仕事選びについての対談を、以前記事にまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。
【HSP対談vol.4】HSPの適職や仕事の悩みとは?働きやすい職場を見抜く方法も
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HSPの人が仕事で苦手な場面に直面したときの3つの克服方法とは?
(1)苦手な場面を好きになろうと思わない
まず、1つ目は、苦手な場面を好きになろうと思わないということです。
これを見た方は、基本的すぎて拍子抜けしたかもしれませんが、これが頭に入っているのと入っていないのでは全然違うし、案外実践できていない人も多いのです。
例えば、苦手な場面に直面し、その場面を振り返ったときに「なんで自分だけがうまくいかないのだろう…」と思うことはありませんか?
これは、「苦手な場面を好きになろう」と思っている証拠です。
でも、「苦手な場面を好きになる」というのは、とてつもなく難しいのです。
だから、諦めちゃった方がいいのです。
さて、私が本ブログで終始して言っている意見として、「個性を変えることは諦めた方が良い」とお伝えしています。
以前にも掲載したことがありますが、私は人間の性格や意識について、下記の図のとおり氷山に例えて考えています。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
上図で示しているとおり、人間には「変えられる部分」と「変えられない部分」があって、「変えられない部分」の方が多いと思っています。
なので、「もともと苦手なことを好きになる」というのは、とても難しいと思うのです。
それであれば、きっぱりと「苦手なことを好きになる」という意識を捨ててしまった方が、心理的にも楽になりますし、自分なりに戦略を立てて臨みやすくなるわけです。
一つ安心して欲しいのは、先ほど挙げた苦手な場面は、あなただけが苦手なわけでもありません。
5人のうち1人もいるHSPの人にとって、苦手な場面なのです。
だから、「なんで自分だけがうまくいかないのだろう…」なんて思う必要は、まったくないのです!
ちなみに、HSPの人でも人間関係や仕事がうまくいっている人は、自分の「変えられる部分」と「変えられない部分」をよく知っています。
このことについて、以前、本ブログで詳しくまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。
HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人の2つの違いとは?
(2)苦手な場面ではとにかく客観的になる
さて、2つ目は、苦手な場面ではとにかく客観的になるということです。
苦手な場面が苦手だと感じる理由は、主観的にものごとを考えてしまい、理性よりも感覚が表に出てしまっているからです。
HSPの人は、感覚がとても敏感なので、苦手な場面では人一倍心理的負荷が大きく、ツラい状況であるというわけです。
それでは、どうすればよいのでしょうか?
それは、感覚よりも理性を表に出せばいいのです。
具体的には、苦手な場面では、とにかく客観的に考えるようにしてしまえばいいのです。
でも、客観的に考えるといわれても、具体的にどうすればいいのか分かりませんよね?
そこで、私が実践している方法を次のとおり、お伝えします!
【苦手な場面で客観的になる方法(私の場合)】 ・苦手な場面にいるとき、鳥になった気分で、上から見ている感じをイメージして過ごす ・イヤな感情が浮かんだときに、「私は○○と感じている…」と、心の中でつぶやく ・体の中でイヤな気分を感じている具体的な部位だけに注目して、そのイヤな気分の変化を感じる(例:緊張する場面で胃が痛くなったら、その部分だけに注目して、その痛みが移動したり小さくなったりするのを感じる) |
さて、どうでしょうか?
客観的に物事を見る方法について、よく本などで書かれていますが、私が実践してきた中でもやりやすかったのは、上記の3つの方法です。
もちろん、個人差があると思いますが、自分に合う・合わないは、実際に試してみないと分かりません。
ぜひ、苦手な場面に直面してしまったときには、上記の方法を試してみてはいかがでしょうか?
(3)苦手な場面を「自分の中で高めたい能力を訓練する場」に置き換える
さて、最後の3つ目は、苦手な場面を「自分の中で高めたい能力を訓練する場」に置き換えることです。
これを見た人の中では、「いやいや、苦手な場面を乗り越えるためにこの記事を見ているのに、訓練する場に置き換えるってどういうことなの!?」と思う人もいるかもしれません。
でも、苦手な場面を克服するためには、自分なりの戦略を立てて、訓練するしかないのです。
そして、訓練の場として一番有効なのは、まさに自分にとって「苦手な場面」以外のなにものでもありません。
つまりは、苦手な場面に直面してしまったときに、何もせずに過ごすのではなくて、何か一つでも多く工夫を取り入れてみることが大事だということです。
まぁ、何となく根性論みたいになってしまい、なんだかスッキリしない感じなので、少し論理立てて説明したいと思います。(笑)
自分にとってストレスや不安のない快適な空間を、心理学では「コンフォートゾーン」と言われることがあります。
「コンフォートゾーン」の詳しい解説は、次のとおりです。
コンフォートゾーン(英語:Comfort zone)とは、「快適な空間」を意味する語である。心理学などでは、ストレスや不安が無く、限りなく落ち着いた精神状態でいられる場所を指す。
引用:Wikipedia『コンフォートゾーン』(アクセス日:2019年6月23日)
そして、この「コンフォートゾーン」は、訓練によって広げることができます。
よく、「場数が大事だ」と言われることがありますが、これはその通りで、苦手な場面を数多くこなしているうちに、徐々に苦手さは薄まってくるというわけです。
とはいえ、最初にお伝えしたとおり、「苦手な場面を好きになる」ということはほぼ不可能です。
だから、私の場合は、自分の中で能力を高めたいことを実践する場に置き換えています。
例えば、私は他人の悩みを聞くのが上手になりたいと思っていますので、傾聴の練習などをするようにしています。
飲み会の場とかでは、「相手は何を考えているのだろうか?」「どのタイミングでこちらの話を切り出すべきなのだろうか?」「どのタイミングで頷けば、よく聞いてもらっていると思われるだろうか?」…なんてことを、考えています。笑
自分で書いていて、少し恥ずかしくなってくるのですが、「自分の中で能力を高めたいことを実践する場に置き換える」のは、苦手な場に立ち向かうにあたって、私はとても有効な方法だと思っています。
もちろん、傾聴に限らず、「自分の中でこういうことを上手になりたいなぁ…」ということがあれば、それを訓練する場にしてしまえばいいというわけです。
そうすると、苦手な場面がほんの少しだけ、楽しみになるかもしれませんよ。
ちなみに、コミュニケーションに自身がない人にとって、傾聴の技術はとても参考になります。
以前、本ブログに傾聴の技術の要点をまとめたことがありますので、気になる方はぜひ、以下のリンクからご覧ください!
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まとめ
●HSPの人が仕事で苦手な場面の共通点とは?
●HSPの人が仕事で苦手な場面に直面したときの3つの克服方法とは?
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。
きっと、これを見ているHSPの方の中にも、仕事の中で「苦手な場面」が多くてツラい…と感じている人も多いのではないかと思います。
そして、それが「生きづらさ」につながっている人も多いのではないでしょうか?
私も、いまだに苦手な場面が多くあります。
それでも、「生きづらさ」を感じることが少なくなった理由は、色々と工夫をこらしたからでもあります。
今回は、少しでも、皆さまにとって「苦手な場面」を克服するためのヒントになればと思い、私が実践していることを言語化してまとめてみました。
本文中にも書きましたが、自分にとって合う方法は、一人ひとり違います。
だけれども、実際に色んなことを試してみないと、自分に合った方法は見つけられません。
今回、ブログで紹介したことは、いずれも難しいことはありませんので、ぜひ明日から試してみてはいかがでしょうか?
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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