【HSP勉強会レビュー】長所を仕事で活かす2つの戦略とは?
HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(詳しくは、こちらから解説をご覧ください。)
2019年6月1日に開催された、HSP勉強会に参加してきました!
自分がHSPであることは、恐らく、自分の悩みをきっかけに気づく人が多いのではないと思います。
そこで、この勉強会では、HSPのネガティブな面ではなく、仕事などでHSPのポジティブな面を活かすための方法について、HSPの方同士で話し合い、考えていきました。
今回は、この勉強会で得られた、HSPの長所を仕事で活かすための戦略について、まとめていきたいと思います。
ぜひ、最後までご覧ください!
この記事の目次
勉強会の趣旨について
「HSPのアウトプット重視な勉強会」ですが、引き続き募集中です!
-6月1日(土)15-18時
-場所:東京都 新宿・渋谷周辺で開催予定です!参加希望される方は以下フォームをご記入下さい!https://t.co/X1kLkNr5eN pic.twitter.com/47RFOXljj7
— Naoto Watari (@Pntchch) 2019年5月3日
今回、参加させていただいた勉強会は、HSPの方々の仕事に関して日々考えていらっしゃる、渡さんが主催の勉強会でした。
渡さんの資料では、HSPの段階として、次のとおり考えていらっしゃいました。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
冒頭申し上げたとおり、自分の悩みをきっかけに、自分がHSPであることに気づく人が多いです。
そのため、HSPの方々のTwitterを見ていると、自分の悩みを共有している人を多く見受けられます。
上の図で言うと、この段階は、認知→受容の部分だと思います。
でも、「せっかくHSPとして生まれてきたんだから、HSPの良い面を活かそう…そして、そのための方策をみんなで考えよう!」というのが、この勉強会の趣旨です。
これまで、こういった趣旨の勉強会は全くなかったので、参加してみました!
その結果、HSPの皆さんと、前向きにお話をかわすことができ、HSPの長所を活かすための働き方戦略について、色んなことを学ぶことができました。
今回は、勉強会で得られた知見を、皆さんに共有していきたいと思います!
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HSPの長所を活かすための2つの戦略とは?
(1)周りの理解を得るための方法について
このテーマについては、ご参加者のみやこさんからありました。
HSPの人は、敏感で繊細な気質がゆえに、仕事においては「生きづらさ」を抱えている人が多いのではないかと思います。
そのため、周りに理解してもらうということがとても大事だと思います。
でも、勉強会でみんな意見が一致したこととして、直接的に「自分がHSPである」ということを伝えても、恐らく周りの人はきっと、理解してくれないだろう…ということでした。
そのため、間接的に自分がHSPであることを伝えることが、大事なのではないかという見解が得られました。
以前に、このことについて、私も記事にまとめたことがありますので、ぜひ、以下のリンクからあわせてご覧ください!
HSPの人が職場で生きづらさを理解してもらうための効果的なカミングアウトの方法は?
そして、周りに理解を得るという意味で、今回は新しい見解を得ることができました。
分かったことの1つめとしては、ルールを作って周りの人に共有するということです。
よく、HSP関係の本では、自分が疲れ果てないためにも、例えば「飲み会には3回に1回参加する」といったルールを決めておくことが大事だといわれています。
でも、今回は、「周りの人に共有する」ということの大事さもわかりました。
このテーマについてお話のあったみやこさんは、カフェの店長をやっており、たくさんの連絡を受け止めなければいけない立場であるそうです。
HSPの人にとって、連絡をたくさん受けなければいけないというのは大変だと思う人が多いと思います…だけど立場上、連絡をたくさん受けなければならず、それがすごく大変だったそうです。
そこで、みやこさんが実践されていることは、「夜に連絡を返さない」ということをルールとして決め、メンバーに共有することでした。
連絡をしない時間を設けるだけでも、自分の体力を温存するにあたっては、めちゃくちゃ大事ですよね!
この方法は、周りに嫌悪感を与えず、なおかつ自分のペースを大事にするにあたって有用な”ワザ”だと思いました。
2つめは、周りに理解をしてもらえる人は2~3人で良いということです。
私は以前、うつ病だったとき、カウンセラーと以下の会話をかわしました。
まさに、みやこさんは、このことを実践的に応用されており、改めて、自分の理解者は少しで十分ということが分かりました。
最後に、3つめに大事だと思ったことは、自分の悩みを聞いてもらう場を作るということです。
みやこさんは、自分の悩みをメンバー聞いてもらうということが形ばかりのものとならないように、”定期的な場”を作ったそうです。
先ほど、自分の理解者は少数で良いということでしたが、その少数の理解者との信頼感を築くにあたっては、労力をおろそかにしてはいけないということですね。
そして、心優しいHSPの人がリーダー(店長)という立場だったからこそ、こういった提案を皆さんが理解できたのではないかと思います。
HSPの人は、一見リーダーに向かない立場だと思いがちですが、色々と工夫を凝らすことで、共感性が強いHSPならではのメンバーのまとめ方ができるのではないかと思います!
ちなみに、このことに関連して、以前に内向型やHSPの人の長所を活かす人脈術を記事にまとめたことがありますので、気になる方は、ぜひ以下のリンクから、あわせてご覧いただければと思います!
内向型やHSPの人の長所を活かすピンポイント人脈術とは?仕事でつき合うべき人の特徴も
(2)HSPの人の仕事の探し方について
このテーマについては、キャリアコンサルタント&HSPカウンセラーとして、HSP勉強会などを実施している橘咲希さんからお話がありました。
橘咲希さんからのお話の結論として、HSPを活かせる仕事探しについて、次のとおり挙げられました。
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
ここのお話では、これまで私が発信してきたことと考え方が合っていたため、とてもしっくりきたお話でした。
HSP(HSS)というのは、個性を形作る1要素であり、個性はたくさんの要素が固まって構成されています。
つまりは、HSP(HSS)であっても、一人ひとり全く違う人であり、合っている仕事も人によって違うということです。
この前提で、橘咲希さんから、自分の適職を探すにあたってのヒントが、次のとおり挙げられました。
【HSPの人が適職を探すためのヒント】 ① HSP(HSS)な自分の仕事傾向に配慮しつつ(=仕事上何がOK・得意で何がNG・苦手か見極め) ②HSP(HSS)以外の要素から生まれる価値観(=年齢や性別などによる価値観)を加味して ③仕事に求める”優先順位”を決めて仕事を選ぶ。 |
すごく具体的で、現在仕事を探している方にとっては、めちゃくちゃ良いアドバイスなのではないかと思いました!
①~③の具体例として、橘咲希さんご自身の仕事選びの事例紹介があり、②の価値観の事例として、「女性が長く働ける会社に就きたい」ということを挙げられておりました。
橘咲希さんは以前、若さとHSSのままバリバリ働くタイプだったそうですが、今は、「長く働く」ために「自分のペース」を大切にする働き方を選んでいるようです。
この「自分のペースで働く」というのは、以前に実施したHSPに関する働き方の対談でも重要な要素として話が上がりました。
この対談については、以前に記事にまとめたことがありますので、ぜひ、ご覧ください!
【HSP対談vol.4】HSPの適職や仕事の悩みとは?働きやすい職場を見抜く方法も
また、ご参加者のナーサさんからもこのテーマに関してお話がありました。
ナーサさんからは、次の理由から、HSPの人は社会が抱える問題の解決策を考え出すことに適しているというご意見がありました。
【HSPの人が社会が抱える問題の解決策を考え出すことに適している理由】 ・着実にものごとを進める持ち前の慎重さにより、取り返しのつかない失敗を防止できる。 ・他人の痛みや弱さに共感できる気持ちにより、対立する側にも配慮するため、いざこざにならず納得されやすい提案・提言ができる。 ・あるべき理想を追求し、常識の枠にとらわれず自由に発想することで、しがらみのない本当の改善・問題の解決が実現できる。 |
これは、まさにHSPの人の特徴であるDOES(詳細は次のとおり)を長所としてフル活用したビジョンなのではないかと思います。
【HSPの4つの特徴】 D(Depth of processing、処理の深さ): O(Overarousal、神経の高ぶりやすさ): E(Emotional intensity、強い感情反応): S(Sensory sensitivity、感度のするどさ): ※引用(一部改変):みさきじゅり(2018)「ささいなことに動揺してしまう敏感すぎる人の『仕事の不安』がなくなる本」秀和システム |
この勉強会では、HSPの長所を活かした働き方のビジョンをたくさんイメージすることができ、希望の気持ちが込み上がってきました。
HSPの長所を活かしたい…という方は、今回まとめた2つの事項について、試してみてはいかがでしょうか?
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HSPが受け入れられる社会の構築のための重要な考え方とは?
当日は、グループを2つに分けて議論しており、ここまでは同じグループのご発表をうかがえた参加者のお話について、まとめてきました。
ただ、勉強会の最後には、参加者全員を巻き込んで、色々なテーマをもとにお話をかわしてきました。(これまでご紹介した方以外のご参加者は、以下のとおり)
そして、私がこの勉強会を通じてキーワードだった言葉は、「多様性の受容」だったのではないかと思っています。
HSPは、敏感で繊細な気質であるため、「生きづらさ」を抱える場面が多々あると思っています。
ただ、「生きづらさ」というのは、HSPに限りません。
発達障害やLGBTなど…ここ最近は、生まれつきの「生きづらさ」の要素が多岐にわたっているのではないかと思います。
この日本という国では、次の理由から、みんなが「普通であること」というのがとても重要視されています。
アメリカとの対比になりますが、異なる民族が入り混じった社会では、言語を中心とした文化に関する共通理解というものは、互いにほとんどないのが前提になります。ひるがえって日本では、島国という特性上、言葉はもちろんのこと、自分たちが育った環境に対する常識というものが、日本国内のどこに行っても通用して当然という前提があります。
(中略)
日本人にとって、欧米人の「神との契約」に相当するほどに行動を規定するもの、それは横の関係すなわち「人と人との間」に存在します。欧米人が神の教えに倫理的配慮を行なうのに対して、私たち日本人は世間の感覚に対して倫理的配慮をしながら、自らの行動の意思決定を行なっているのです。
引用:中西康介(2017)『家族と向き合う不登校臨床―保護者の積極的な関わりを引き出すために』誠信書房
つまり、日本は島国であり、教育も宗教もニュートラルだったからこそ、「普通」という感覚を大事にする必要があったわけです。
だけれども、日本は超高齢社会を迎え、経済の成長が鈍くなっている中、「普通であること」の同調圧力だけでは立ちゆかなくなっています。
つまりは、個性の多様性を受け入れられる社会のあり方が求められています。
昨今は多岐にわたる「生きづらさ」の要素をよく聞くようになりましたが、こういった要素が知られるようになったのは、恐らく「普通であること」の同調圧力で人々をまとめることに、限界を迎えているからなのではないかと思います。
その証拠に、日本の世界の幸福度ランキングは低い(2019年は58位で、先進国の中では最悪クラス)状況にあります。
そこで、私は「HSPだけでなく、多様な個性に寛容な社会」を目指していくことが大事なのではないかと考えています。
その理由としては、「HSPだけ」というよりも、「HSPを含めた個性の多様性」といったほうが多くの人々にとって受け入れやすいと思うからです。
そして、その結果、HSPにとっても生きやすい社会作りにつながると思いますし、日本全体の活性化にもつながるのではないかと考えています。
とはいえ、島国という性質もあるので、多様性を受け入れるということについて、イメージが湧かないかと思います。
私はHSPという観点から、多様性を受け入れるためのヒントも含め、当日の勉強会では下に掲載したパワーポイントをもとに、意見を発表させていただきました。
今後は、「HSPだけが生きやすくなる」という観点だけでなく、「様々な個性の人が生きやすくなる」という気持ちを心に持ち、発信していきたいと思いました!
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私の発表したパワーポイント資料について
当日の勉強会では、以下のリンクにまとめた記事をパワーポイント化して、「HSPの人が仕事や人間関係でうまくいくための方法」や「多様性を受け入れるためのヒント」を発表しました。
HSPでも仕事や人間関係がうまくいく人とそうでない人の2つの違いとは?
ぜひ、ご参考にいただければと思います!
【上記画像はクリックすると拡大表示されます】
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まとめ
●HSPの長所を活かすための戦略とは?
●HSPが受け入れられる社会の構築のための重要な考え方とは?
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おわりに
さて、今回の記事は皆さまいかがでしたでしょうか?
私は、多くのHSPの方々と前向きにお話することができ、改めて、HSPであることをポジティブにとらえることができるきっかけになりました。
主催の渡さん、そしてご参加者の皆さま、本当にありがとうございました。
この場を借りて、改めてお礼申し上げます。
私は、HSPの人がネガティブな感情に包まれるのは本当にツラいことだと思いますが、その一方で、HSPの人が希望をイメージする力は人一倍強いと、今回の勉強会で確信しました。
人間にとって、ネガティブな感情に引き込まれやすい性質がありますが、それに負けずに、HSPのポジティブな部分を今後も見つけていきたいと切に思いました。
そして、今後も色んなHSPの方々のお話を聞き、HSPの人にとって理想の働き方を追い求めていきたいと思います。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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