HSPの人が緊張した場面でも心を落ち着かせて話す技術とは?
繊細な性格・敏感な感覚を抱えるHSPの方は、初対面の人を前にしたり、大人数の人を前にしたりすることが苦手な人が多いと言われています。
そこで、今回は、HSPの方に向けて、苦手な場面でも、自分が話したいことを話すための技術をお伝えしたいと思います。(※HSPの詳細については、以下の記事をご参照ください)
HSPの私も、初対面の人や大人数の人を前にすると、緊張してしまい、話したいことの5割も話せない時が多々ありました。
しかし、本や研修などで学んだことを繰り返すことで、自分の話したいことの8割がた話せるようになりました。
私が色々試した中で、本当に役に立った技術に絞って、お伝えしたいと思います。
この記事の目次
HSPの方が初対面の人や大人数の場面が苦手な理由
HSPの方は、初対面の人を前にしたり、大人数の人を前にしたりすると、話したいことが話せなくなる傾向があります。
それどころか、居心地の悪さやうまく振舞えないことから、一人になったときに自己嫌悪に陥ることもあります。
それでは、なぜ、このような場面が苦手なのか。以下のとおり整理してみました。
【HSPの方が苦手な場面とその理由】 苦手な場面①:大人数の集まりや飲み会に参加したとき 苦手な場面②:初対面の人を前にしたとき 参考:長沼睦雄(2017)『敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本』永岡書店 |
HSPの方が、こうした苦手な場面でも話したいことを話すために大事なことは、「自分のペースをつくる」ということだと思います。
こうした場面が苦手なのは、HSPの特徴の一つである「心の”境界線”がもろい」ということに起因する部分が何よりも大きいのではないかと私は考えます。
HSPの方は、「自分は自分、人は人」と自他を区別するための境界線が弱いため、他人の感情や考えが自分に流入してしまいやすいのです。
そのため、結果として自分自身の緊張につながってしまい、話したいことが話せないという状態に陥ってしまうのだと思います。
HSPの私は今でも、初対面の人を前にしたり、大人数の人を前にしたりすると、緊張で手が震えます。
一方で、「自分のペースをつくる」ことができるようになってから、手が震えながらも、自分の話したいことが話せるようになりました。
そして、先日、仕事で300人以上を前に司会をしたときも、滞りなくこなすことができました。
こうした私の経験を踏まえると、緊張するのは当たり前ですが、緊張しても動揺せずに冷静になることが大事だと考えています。
それが、まさに「自分のペースをつくる」ことだと思います。
それでは、「自分のペースをつくる」技術をお伝えしたいと思います。
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緊張した場面でも、「自分のペースをつくる」技術(≒「自律神経を整える」技術)
前の項目では、苦手な場面で自分の話したいことを話すためには、「自分のペースをつくる」ことが大事だとお伝えしました。
逆に言えば、HSPの方は、「自分のペースをつくる」ことが苦手なのだと思います。
私は、「自分のペースをつくる」ための鍵は、「自律神経を整える」ことにあると考えております。
皆さま、「自律神経」という言葉はご存知でしょうか?
最近は、メディアなどで耳にする機会が増えましたが、改めて以下のとおり整理してみました。
【自律神経とは】 ・神経系自体が制御する神経 参考:小林弘幸・一色美穂(2017)『まんがでわかる自律神経の整え方』イースト・プレス まんがでわかる自律神経の整え方 「ゆっくり・にっこり・楽に」生きる方法 posted with カエレバ 小林弘幸,一色美穂 イースト・プレス 2017-06-14 |
自律神経が乱れると、冷静な感覚でいることが難しくなります。
自律神経が乱れる理由の一つに、過度なストレスが挙げられますが、HSPが緊張した場面で動揺してしまうのは、ストレスにより自律神経が乱されるからということが考えられるでしょう。
それでは、「自分のペースをつくる」技術(≒「自律神経を整える」技術)を以下のとおり、まとめてみました。
特に簡単な技術を中心にまとめましたので、緊張する場面に赴く場合は、ぜひ試してみてください!
【「自分のペースをつくる」技術(≒「自律神経を整える」技術)】(1)言動を「ゆっくり」することに意識しよう!人は緊張した場面になると、歩くスピードや話すスピードがものすごく速く・早くなります。 皆さまもそのような経験はありませんか? 緊張したから言動が速く・早くなるのか、言動が速い・早いから緊張するのか、因果関係は曖昧な部分がありますが、言動を「ゆっくり」ことは自律神経を整えることにつながります。 歩いているときや話しているときなど、いついかなるときも「ゆっくり」を心掛けて、トレーニングしてみてください。 特に緊張した場面で、意識して取り組んでみてください。 そうすることで、「自分のペースをつくる」ことができるようになり、緊張しても冷静でいやすくなります。 私はこの意識が、最も役に立った技術であり、今でもずっと使っている技術です。 ぜひ、騙されたと思って試してみてください!
(2)上を向いて、「にっこり」しながら深呼吸しよう!よく、深呼吸が緊張を和らげるために効果的といわれます。 しかし、私は深呼吸をしても、緊張に負けてしまうことが多々ありました。 しかし、深呼吸にある行為を+αすることで、効果的になりました。 それは、上を向きながら「にっこり」するということでした。 ぜひ、深呼吸に加えて、上を向きながら「にっこりする」という行為を足してみてください!
(3)「全身に染みわたる意識」をしながら、こまめに水を飲もう!緊張を和らげるために、こまめに水を飲むということもよく言われます。 こちらも、ある行為を+αすることで、更に効果的になります。 それは、水を飲んだ時に「全身に染みわたる意識」を持つことです。 自分の体に意識を向けることは、緊張を和らげる力を持ちます。 実はこれ、昨今はやりのマインドフルネスも同様の原理が使われています。 緊張した場面においてもマインドフルネスは有用であり、以前、記事でまとめてみましたので、ぜひ以下のリンクからご参照ください。
HSPの私が考える「最強」メンタルケア術のマインドフルネス瞑想とは?
(4)「緊張することは当たり前」ということを、心の中でつぶやこう!先述のとおりでありますが、HSPにとって、苦手な場面で緊張することは当たり前です。 いくら訓練を積んでも、緊張するときは緊張します。本記事では、緊張することを前提に、緊張しても動揺しないことを目指すための技術をまとめています。 何が言いたいかというと、HSPにとって「緊張を直す」ことは非常に難しいです。 そのため、まずは「緊張することは当たり前」である意識を持つことが重要です。 緊張した後に、動揺せず冷静でいるためには、自分の状態を知るということが大事です。 緊張してしまったときは、「緊張することは当たり前」ということを心の中でつぶやくことにより、自分の状態を客観的に見ることができ、冷静さにつなげることができます。 私自身も、必ず緊張した時は、心の中でつぶやくようにしています。 |
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頭を整理して、「話したいことを話す」技術
本記事では、緊張した場面でも話したいことを話すことを、最終目標としています。
前の項目では、「自分のペースをつくる」ための技術を綴ってきました。
一方で、自分のペースをつくれたとしても、話したいことが頭の中で整理しきれず、話せないことがあります。
まずは、「自分のペースをつくる」ということが基本となりますが、そのうえで、「話したいことを話す」技術を身につけることで、緊張した場面でも、話したいことが話せるようになります。
そこで、「話したいことを話す技術」を以下のとおり整理しましたので、ぜひ試してみてください!
(1)話すことは短く、そして簡単な言葉で話そう!ぎこちなく話をされる方によくみられる特徴があります。 それは、話が長くなってしまったり、難しい言葉を使ったりすることです。 特にHSPの方は、マルチタスクが苦手な傾向にあるため、話しながら、頭の中で話すことを整理するということが苦手な方も多いことでしょう。 それでは、どのようにすれば良いのでしょうか? タイトルのとおりですが、逆のことをすればよいのです。 話すことは短く、そして簡単な言葉で話すことを意識しましょう。 私がこのことに気づいたのは、実は就職活動の集団面接の時でした。 コミュニケーションをうまく取れているほど、このことができていたのです! 相手に質問された時は、質問の答えだけを答えるだけでいいのです。 話が長くて、難しい言葉を使う方は、質問に対しての答えになっていないことが多いです! また、大人数を前にするプレゼンも、このことを意識することで上手になりました。 人の話を聞く側も、話が長くて難しいほど、理解することが難しくなります。 この技術は、「話したいことを話す」にあたって、私としては、最も大事なことだと思っております。 ぜひ、意識して使ってみてください!
(2)語尾まではっきり言い切ろう!緊張した場面だと、相手の反応が気になってしまい、それが自分の自信喪失につながり、語尾が小さくなってしまう経験はありませんか? 聞き手の立場だと、語尾が小さい人をみると、話に説得力がなく聞こえてしまいます。 聞き手も優しい人ばかりでないため、そういう人を見ると、潰しにかかる人も少なくありません。 私も実は、社会人でパワハラにあっていたときは、このような経験が多々ありました。 また、「語尾まではっきり言い切る」ことで、自分の自信を高めることにもつながります。 自信が生まれると、頭もさえるため、話したいことも整理しやすくなります。 語尾が小さくなってしまう経験がある方は、ぜひ意識してみましょう!
(3)説明するときは、①結論→②根拠→(③根拠の根拠→)④結論の順に話そう人に説明するとき、相手は聞き手に徹することが多いため、どうしても説明が長くなってしまいます。 そのため、人に説明する際は、話す内容をいくつかの要素に分けることが大事です。 要素に分けることで、全体で話すことは長くても、要素ごとの話す内容は短くなるためです。 これは、先述の「話すことは短く、そして簡単な言葉で話そう!」の技術に通ずるところがありますね。 そして、要素に分解したあと、話す順番も大事になります。 これは、聞き手にとっての理解度を高めるためです。 説明の時に最も適した説明の要素と話す順番は、「①結論→②根拠→(③根拠の根拠→)④結論」だと私は考えております。 本や研修などで様々なことが言われていますが、この点については共通していると思います。 例えば、こんな感じです。 「①(結論)私はブログを書きたいと思っております。②(根拠)それは、HSPの方に役立つ情報が発信できるからだと考えております。③(根拠の根拠)私自身もHSPですが、色んなことを試してきたことにより、効果がある術と効果がない術が分かってきました。④(結論)そこで、私自身の経験を活かし、HSPの方のためにブログを書きたいと思っております。」 この説明方法は、若干慣れも必要ですが、慣れるまでは「結論を最初に話す」ということをとにかく意識すると良いと思います! 説明に苦手意識がある方は、ぜひ試してみてください!
(4)話すことを項目に分けて、箇条書きしてみよう!話すテーマが決まっていて、準備する時間があるときは、手を動かして話すことを整理してみましょう。 おすすめするのは、項目に分けて、箇条書きすることです(台本まで作れればベストですが、大抵の方はそこまで時間がないと思いますので…)。 ここでの注意点は、「話すテーマ」についても明確に書いておくことが大事です! この技術、ロジカルシンキングの一つの手法であり、話すときだけでなく、書くときにも使える技術です!(余談ですが、ブログの記事を書くとき、私はこの技術を実践しています。) 慣れるまでに時間はかかりますが、時間があるときにはぜひ試してみてください。実践の具体例は、以下のとおりまとめてみました! |
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習うより慣れましょう!
HSPにとって、初対面の人を前にしたり、大人数の人を前にしたりすることは苦手な方が多い傾向にあると思います。
そのため、そういった場面を避けたい方も多いと思います。
しかし、社会人として生きる以上は、どうしても苦手な場面を避けられないことが多いと思います。
以前、本ブログでは、HSPにとっての適職を記事としてまとめましたが、特に在職中の方にとっては、苦手なことを避け、得意なことを仕事にすることはハードルが高いということを述べてきました。(※詳細は、以下記事リンクを参照)
そのため、苦手な場面を乗り越えるにあたっては、やはり場数も必要になってきます。
苦手な場面を前にすると、どうしても頭が真っ白になってしまいがちですが、そこは歯を食いしばって、これまでまとめてきた技術を実践してみてください!
そして、技術をたくさんまとめてきましたが、私が特に大事だと思う技術は以下の2点です。
技術をたくさん試そうとすると、頭が混乱してしまうため、ぜひ、これだけでも試してみてほしいと思っています。
・言動を「ゆっくり」することに意識しよう!(「自分のペースをつくる」技術)
・話すことは短く、そして簡単な言葉で話そう!(頭を整理して、「話したいことを話す」技術)
また、仕事の場だけでは責任も伴いプレッシャーが大きいと思いますので、自分が楽しめそうと思う分野で人が集まる場に、赴くのも一つ手だと思います。
個人的に、リアル脱出ゲームは、楽しみながら初対面の人と交流できるおすすめの場です。
たくさんの謎を同時並行で解く必要があり、自分が役に立つ瞬間は少なくとも一つは絶対に出てくると思いますので、初参加でも負い目を思う必要はありません。
また、参加者はみな、謎解き(ゲーム)に没頭しているため、自然と初対面の人と話せるきっかけができると思います。
興味を持った方は、ぜひ参加してみたください!
HSPの私でも、習慣の変革と訓練を重ねることで、初対面などの緊張した場面において、話したいことがある程度話せるようになりました。
ぜひ、HSPの皆さまも、ご活用してみてはいかがでしょうか!
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