5分で分かる『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』のまとめ
本ブログでは、心が繊細なHSPの方をはじめ、”生きづらさ”を感じる方々に向けて、心理学などの記事をまとめています。
今回は、著書『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の2つを読了しましたので、大事だと思った点を簡単にまとめていきます。
なお、この2つの著書は、上下巻のように続き物となっています。
この2つの書籍は、アドラー心理学をもとに書かれており、この本をきっかけにアドラー心理学の考え方が普及され、多くの方に影響を与えました。
”生きづらさ”を抱える人の中には、仕事・友人・恋愛の人間関係で悩む人も少なくないと思います。
アドラー心理学でも「人間関係の悩みはすべて、対人関係にある」という考え方が前提にあり、この2つの著書は、人間関係に悩む人にはもってこいというわけです。
人間関係に悩む方には有用なポイントが多々あると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
(*)動画版も作成していますので、記事を読むのが大変な方は、以下YouTubeよりご覧いただければと思います!
著書『嫌われる勇気』のまとめ
著書『幸せになる勇気』は、『嫌われる勇気』の続編です。
そのため、本質を理解するためには、『嫌われる勇気』を理解しておく必要があります。
あとがきに、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』の位置づけについて、下記のとおり書かれています。
『嫌われる勇気』…アドラー心理学の存在を知り、アドラーの思想を概観するための「地図」
『幸せになる勇気』…アドラーの思想を実践し、幸福なる生を歩んでいくための「コンパス」
岸見一郎・古賀史健(2016)『幸せになる勇気』ダイヤモンド社
アドラー心理学は、人間関係の悩みを抜けだして、幸せになるための哲学です。
そして、『嫌われる勇気』では目標や行動原則が語られており、『幸せになる勇気』では具体的な実践方法が語られていると言うことになります。
『嫌われる勇気』のまとめは、次のとおりです。
【著書『嫌われる勇気』のまとめ】 ●行動面の目標 ●心理面の目標 ●行動原則 ①考え方を「原因論」から「目的論」に変え、「自分が変わる勇気」を持つこと(自分を変えられない原因を、自分の過去や感情、生まれつきの気質などのせいにしないこと)。 ②承認欲求を捨て、嫌われる勇気を持つこと。そして、何でもかんでも責任を持とうとするのではなく、自分と相手の課題を分離し、自分の課題だけに責任を持つこと。 ③「自己受容(自分のできる部分もできない部分も、等身大のまま全て受け入れる)」「他者受容(見返りを求めず、裏切られることを怖れず、相手を受け入れること)」「他者貢献(「自分の課題」に対しては言い訳をせずに立ち向かい、「わたしは誰かの役に立っている」という感覚を持つこと)」の3つの意識を持って横の関係を増やしていき、「いま、ここ」を生きるのを意識すること。 |
それでは、次に具体的な実践方法が語られている『幸せになる勇気』のまとめ・感想を綴っていきます。
なお、以前に『嫌われる勇気』のまとめについて、詳しくまとめておりますので、気になる方は以下のリンクからご覧ください。
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著書『幸せになる勇気』のまとめ
アドラー心理学では、ひとりの個人が社会で生きて行くにあたって直面せざるを得ない課題を、人生の3つのタスク(対人関係)と呼んでいます。
言い方を変えると、『嫌われる勇気』でも語られていた目標を達成して幸せになるためには、この3つのタスク(対人関係)に適切に向き合う必要があるということです。
『幸せになる勇気』は、このタスクの向き合い方について、主に語られています。
アドラー心理学における人生の3つのタスク(対人関係)とは、次のとおりです。
【人生の3つのタスク(対人関係)とは?】 ①仕事のタスク…永続しない人間関係(職場のメンバーや取引先のお客さんなど) ②交友のタスク…永続するが、運命をともにしない人間関係(知人・友人など) ③愛のタスク…永続し、運命をともにする人間関係(恋愛のパートナー・家族など) |
そして、それぞれ3つのタスクと向き合うための方法として、『幸せになる勇気』では、次のとおり語られています。
【人生の3つのタスクに向き合う方法】 ①仕事のタスク ②交友のタスク ③愛のタスク |
これが『幸せになる勇気』のまとめですが、ここに書かれていることを実践することは難しい…と感じる人は多いと思います。
そこで、最後に、実践のポイントも含めて、私の感想を綴っていきたいと思います。
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感想(実践のポイントを考えてみる)
昨今は、「自己肯定感」という言葉が流行っているように、「自分の存在価値」について過小評価しない(ありのまま捉える)重要性が叫ばれています。
それはとても大事であると同時に、間違った方向に向かわないように「待った」をかけているのが、この2つの著書だと思っています。
例えば、『嫌われる勇気』では、表題のとおり「承認欲求を捨てる」重要性が著書内で書かれています。
経験している人も多いかもしれませんが、自分の価値を他者からの承認に置いてしまうと、自分の本心とはかけ離れたことを言ってしまったり、行動してしまったりしてしまいます。
さらには、他者からの承認というのは、その周囲の人との相性が合わなければ得られないこともあり、運も絡んできます。
そして、自己承認欲求は限度がないため、一度承認を得ると、さらに大きな承認を得ようとしてしまうため、いつまで経っても満足感を得られません。
そんなこともあり、『嫌われる勇気』では、自分の良いところも悪いところもありのまま受け入れることが大事であり、「自己肯定感」ではなく「自己受容感」という言葉を使われていました。
こんな感じで、「自分の存在価値」をどのように捉えれば幸せになるのか…ということを説いているのが、この2冊だと思っています。
ただ、サラリーマンの立場の私からすると、この2つの著書を読んで思ったのは、「実践するのは本当に難しい」ということです。
特に下巻の位置づけとなる『幸せの勇気』の中でも書かれていましたが、「愛のタスク」の実践は本当に難しいと思います。
「個性」が大事とされる今のこの世の中で、「『わたし』を捨てて『わたしたち』で生きろ!」というのは、なかなか受け入れづらい人も多いのではないかと思います。
私は、実践のポイントとしては、次のことだと思っています。
「自分の言葉に置き換えて、実践のハードルを下げること」 |
私はこれまで、うつ病になるほど深い悩みを経験してきたことがありますが、人間が一番ツラい状態は「悩みを自分の言葉で言い表すことができない」ということでした。
なので、カウンセリングの現場でも、「悩みを自分の言葉にしてもらうこと」を、まずは目指していくことが多いです。
これは、別のことにも言えると思っていて、自分がやりたいことを「自分の言葉」で言い表すことができなければ、実践に活かすことができないのではないでしょうか。
逆に言えば、「自分の言葉」で言い表すことができれば、自分の心にスッと入ってきて、行動への移し方がわかってくるのではないかと思います。
例えば、『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』では、自分の中では次のとおり、言い換えています。
<言い換え前>嫌われる勇気を持つ(承認欲求を捨てる) <言い換え後>相手に好かれようとしないようにする
<言い換え前>相手を尊敬する(ありのままのその人を見て、その人がその人であることに価値を置く) <言い換え後>もし自分が相手になりきったら、相手はどのように感じて(考えて)いるのか…ということを考える |
私の場合は、こんな感じで言い換えることで、実践へのハードルを下げています。
恐らく、人によってピンとくる言葉は違いますので、他の言い方に変えることで、実践しやすくなる人も多いと思います。
なお、『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』ともにベストセラーになった理由は、重要なことを別の言葉で何回も言い換えて、読者に伝えているからではないかと思っています。
なので、どんな人が読んでも腑に落ちるような仕掛けが施されるというわけです。
さらに、2人の対話形式で話が進むため、とにかく面白く読みやすいです。
冒頭書いたとおり、仕事・友人・恋愛の人間関係に悩む人にはもってこいの著書なので、ぜひ原著を読んでいただくことをオススメします!
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。
それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!
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