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HSP働き方戦略室|明日から使える処方箋をあなたに。

HSPや発達障害の発信者・支援者にとっての大事な考え方とは?

私(ぽん乃助)
今回は、HSPや発達障害に関する発信者や支援者の立場での大事な考え方を、お伝えしていきます。

 

 HSPとは、生まれつき5人に1人は当てはまる、繊細で敏感な気質の人を指します。(HSPの詳しい解説は、こちらからご覧ください。)

 そして、私もHSPのひとりです。

 また、発達障害を抱える方は、HSPと同様に生まれつきの特性で、仕事や生活で困りごとが生じやすいと言われています。(HSPと発達障害は似ていると言われていますが、大きな違いがあります。その違いは、こちらからご覧ください。)

 さて、HSPや発達障害は、その知名度はメディアやインターネットを通じて広まってきており、SNSなどでは当事者同士のグループが生まれています。

 そして、HSPや発達障害の方に向けて、お役立ち情報を発信する方やカウンセリングなどを通じて支援する方、当事者同士の交流会を主催される方が、とても多くなりました。

 私自身も、主にHSPの方々への発信を続けており、またカウンセリング等を通じた支援ができるように、鋭意勉強中です。

 そして、勉強する中で、支援者側の立場としてとても参考になる一冊『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』に出会いました。

 今回は、この本をもとに、HSPや発達障害に関する発信者や支援者の立場での大事な考え方を、私なりにまとめて伝えたいと思います。

 ぜひ、最後までご覧ください!




 

HSPや発達障害に関する発信者や支援者の立場での大事な考え方は?

 まずは、本日の記事で参考としている著書『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』について、簡単に紹介します。

 こちらの本は、訪問看護をされている立場の方が書かれている本で、精神疾患をもつ人の中でも困難を極める方への支援を事例に、支援のあり方や意思疎通の方法がきめ細かにまとめられている一冊です。

 私は、ブログやTwitterを通じてHSPの方々へお役立ち情報を発信している一人で、支援のあり方は全く違うものの、とても大事な考え方を学ぶことができました。

 恐らく、HSPや発達障害の方々への発信者や支援者にとっても同様に、学べる部分が多いと思い、今回の記事で共有したいと考えております。

 さて、本書においては、冒頭でありながら、一番大事なことが書かれていました。

 それは、支援の”目的”です。

 著書の冒頭には次のとおり、書かれています。

精神科看護では、セルフケア看護理論に基づき、「やってあげる」看護ではなく、当事者が自分でできるようになることを目指したかかわりを大切にしていきます。

(中略)

ところが支援していく際に、「自己選択」「自己決定」までの支援はよく行われるのですが、その先にある「自己責任」までを考えて行われている支援は少ないと感じています。「自己責任」というのは「自己関与」と言い換えてもいいかと思うのですが、要するに、何かを選び実行したら、その結果にも自分がちゃんと関与しているという感覚をもてるようにする、ということです。

(中略)

代理でやってあげる行為は、瞬間で事がすむように感じ、支援者はある意味楽なのです。しかし本人が自己責任感・自己関与感を得られないような形で支援を続けていると、セルフケア能力はいつまでたっても高まらず、だらだらと終わりのない代理行為が続き、スタッフたちもいったい自分たちは何をやっているのだろうと不全感に満ちてくる、という悪循環に陥ります。

引用:小瀬古伸幸(2019)『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』医学書院

 さて、HSPの発信者である一人が、「何のために発信しているのか?」という目的に立ち返ると、生きづらさを抱える方が自分で乗り越える力(自立する力)を身につけてほしいということにあります。

 勿論のこと、「すべての責任は自分にある」という過度な責任感を持つと心には悪影響が生じますが、その一方で「自己責任は全く考える必要ない!」という完全な無責任感を持ってしまうと、社会で生きるにあたって、成長性が失われると言うことにつながります。

 本書の事例としては、「薬の管理を代わりにお願いされた場合」や「SOSの電話を代わりにお願いされた場合」などが挙げられていますが、これらを代わりにやってあげることは本人の自己責任を奪うことにつながるため、本来本人がしなければいけないことを代わりにやってあげることはNGだと語られています。

 そのため、少しずつ「自己責任」を本人に返していくことが本当の意味での支援だと、本書では語られています。

 そして、支援のあり方や目標については、次のとおり述べられています。

精神科看護の役割が「傾聴」だというのは大きな誤解なのですが、実際のところ、話を聞いて終わり、もしくは少しアドバイスをするというところで終わっている残念な支援者は多いものです。しかし、ただ話を聞いただけでは何の問題解決にもなりませんし、アドバイスをしたからといって、本人にとってそのやり方が合わなければ役に立ちません。

(中略)

話を聞くのであれば、「本人の主体性を取り戻す」という目的につながる聞き方をしなければいけないということでした。

(中略)

精神疾患をもつ人を地域で支援する時の最終到達目標は、「自分の専門家になる」です。「自分の専門家になる」とは、良い時はどのような状態なのか、悪い時はどのような状態なのかを自分であらかじめ知っていて、言語化できることです。

引用:小瀬古伸幸(2019)『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』医学書院

 私も、心理的な情報を発信している身として、とても大事にしたい考え方だと思いました。

 実は、私も発信を続けていて、考え方は大きく変わってきています。

 発信始めた頃は、「HSPである自分に合う方法」を発信すれば、他のHSPの人全員にとって参考になるだろうと考えていました。

 でも、今では、HSPの中にも色んな人がいますし、一人ひとり状況が違いますし、必ずしも「HSPである自分に合う方法」を発信しても、万人にとって有用な情報につながらないということを念頭におくようになりました。

 もし、自分のやり方が万人に合うのであれば、みんな本を一冊読めば、生きづらさの解消につながっているはずですしね。

 実際には、そんなことはないので、本書にもあるとおり「自分にとってのやり方」を見つけ出すことが、生きづらさを乗り越えるためには大事だというわけです。

 そのため、私は発信を続ける中で、私自身のやり方を押しつけるのではなく、生きづらさを乗り越えるためのヒントに気づいてもらうということを主眼に置くようになりました。

 そして、本書にも書かれているとおりではありますが、発信者や支援者は「自分がHSPや発達障害に関して一番詳しい」ということを目標とするのではなく、相手が「自分の専門家になってもらう」ことを目指すことが大事なのです。

 

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HSPや発達障害の方への支援につながる技術とは?

(1)相手の言葉をそのまま使う(自分の言葉で翻訳しない)

 さて、著書『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』では、支援する立場としての技術についても丁寧に書かれています。

 その中でも、HSPや発達障害の方への支援につながる技術がいくつかありましたので、いくつかピックアップし、私の解釈をお伝えしたいと思います。

 まずは、「相手の言葉をそのまま使う」ということです。

 逆に言えば、自分の言葉で翻訳してはいけないということです。

 例えば、「しんどい」という言葉ひとつでも、人によってその言葉が意味することは違います。

 体がだるいのか、はたまた頭痛を感じるのか、それは「しんどい」というひと言では分からない部分があります。

 なので、支援する立場としては、「あなたは、体がだるいと感じているんですね…」といったように、相手の症状を推測し、断定してはいけないということです。

 推測すること自体は、もちろん支援にあたってはとても大事だと思います。

 その一方で、推測を押しつけるのではなく、「しんどいというのは、具体的にどういうことですか?」という風に質問し、相手から発せられる言葉で事実を重ねていくことが大事だと言うわけです。

 違う事例としては、カウンセリングの場において、「どうして支援の場に来たのですか?」という問いに対し、「親に言われたから来た」というような返しが来ることがあります。

 でも、先述のとおり、支援の目的は「本人に自己責任を返すこと」にあります。

 なので、「どうして親はそう思うのですか?」という質問をし、相手の主体的な言葉を引き出すことも大事だということです。

 また、支援の場を通じて目指していることも、人によって違います。

 そのため、相手にとって「こういう状態になりたい」という希望を、相手自身の声で引き出していくことも大事だということです。

 

(2)「病名」「症状として捉えていること」「生活や仕事での困りごと」を分けて聞く

*「HSPは病気ではなく、発達障害は病名であること」を念頭に、ご覧ください。

 Twitterなどで、こんなツイートを見ることがあります。

「私はHSPで、職場での環境が合わず、仕事がうまくいきません。」

「私は発達障害で、上司に求められていることが理解できず、仕事がうまくいきません。」

 HSPや発達障害の方のこういう悩みごとは日々見聞きするため、そのたびに胸が痛くなりますが、客観的に考えると、似たような悩みに聞こえても人によってその悩みの本質は全く違うことがあります。

 そのため、相手の悩みを理解するためには、「病名」「症状として捉えていること」「生活や仕事での困りごと」を分けて聞くことがとても大事なのです。

 例えば、上の例で言うと、相手が「病名」と感じているのは、HSPや発達障害だということが分かります。(念のため繰り返しになりますが、HSP自体は病気ではありません。)

 そして、次がとても大事なのですが、「症状として捉えていること」と「生活や仕事での困りごと」を分けて確認することがとても大事なのです。

 この2つは同義だとされやすいのですが、実際には違うのです。

 相手にとって大事なことは「症状を改善する」ことではなく、「生活や仕事での困りごと」をどう乗り越えるのかということにあります。

 そのため、この2つをしっかりと区別することは大事なのです。

 上の例で「症状として捉えていること」を確認するプロセスを考えていきたいと思います。

 今回の例では、相手がHSPや発達障害という用語を使っており、これらの用語を使う理由は「症状」を感じているからだと思います。

 なので、相手の「症状として捉えていること」を質問し、確認します。

 その上で、「生活や仕事での困りごと」を確認していきます。

 今回の例では、「仕事がうまくいかない」と相手が言っていますが、これだけではイメージが湧かないので、具体的にどういうことか質問し、確認することが大事です。

 実際に、相手が言葉にした「生活や仕事での困りごと」を、相手に紙に書き出してもらうことも有効な手段です。

 このような形で、相手の今の状態を整理することで、支援の方向性も見えてくるわけです。

 なお、HSPや発達障害という言葉が広まる一方で、自分の病名を知ることで、自己理解の方向性が「症状」に留まってしまい、「生活や仕事の困りごと」まで目を向けられていない場合も散見します。

 また、他人に対してもHSPや発達障害という言葉を押しつける場合も見られますが、これはとても危険な場合があります。

 その点について、以前に記事にまとめたことがありますので、合わせて以下のリンクからご覧ください!

 

 

(3)「元気を失いそうな注意サイン」「引き金」を明確にする

 「生活や仕事での困りごと」を感じているということは、その人が心身的にも元気を失う瞬間だとも考えられます。

 逆に言えば、元気を失っていなければ、「困りごと」だと感じないわけです。

 なので、相手がどんなときに「しんどい」と感じるのかを、明らかにすることも大事だと考えられます。

 たとえば、先述のとおり、「しんどい」のひと言では、相手の状態を理解することができません。

 そのため、「しんどさ」を点数化して聞いたり、「しんどさ」を測る基準はどこにあるのかを確認します。

 特に、「しんどさ」を測る基準は人によって違います。

 例えば、朝のだるさを基準にしている人もいれば、午後の頭痛を基準にしている人もいます。

 これらを、直接質問して確認することも難しい場合は、「調子が悪さ」につながる相手のキーワードに着目することも有効です。

 また、調子が悪くなる「引き金」や、調子の悪くなるスピード(一気に調子が悪くなるのか、それとも徐々に調子が悪くなるのか)に着目することも必要です。

 また、「引き金」の「引き金」というように、調子が悪くなる原因を深掘りすることも相手の状態を知るためには有効です。

 そして、「生活の中で楽しみに感じる行動」を聞くことも大事です。

 それは、心に元気がないときは、「生活の中で楽しみに感じる行動」ができなくなっていることが多く、相手の調子を見るための一つの材料にもなり得るためです。

 また、相手のツラさは、「本人の思いと客観的な状況のズレ」から来る場合も多いです。

 例えば、「私はHSPでツラいのに、周りはHSPのツラさを分かってくれない」という感じです。

 社会で生きるにあたっては、色んな人と生きなければいけないので、周囲の人が変わらなければいけない部分もありますが、自分も変わらなければいけない部分もあります。

 このすり合わせがとても大事であり、支援者側としては本人の思いと客観的な状況は、区別して理解することが大事だというわけです。

 

(4)「生活や仕事への困りごとへの対処方法」と「いい感じの自分」を確認する

 最後に、相手が「困りごと」を乗り越えるにあたって、相手に合う方法を探っていきます。

 具体的には、相手にとっての「生活や仕事への困りごとへの対処方法」と「いい感じの自分」を確認すると、ヒントにつながる場合があります。

 「もし困りごとが発生したとき、どんな対処方法をとっているのか?」という風に確認するとしましょう。

 そうすると、例えば相手の困りごとが、「ストレスの大きい仕事をするときに頭痛が起きる」ということに対し、「頭痛薬を飲む」ということが対処法だったとします。

 その場合、「頭痛薬を飲む」ことが対処として有効だったのかどうかを確認したりし、相手に合う方法の材料探しをしていきます。

 ただ、この質問では、ヒントにつながる回答が得られない場合があります。

 そんなときは、相手にとって「いい感じの自分」を確認します。

 そうすると、相手が自分の中では意識していない有効な対処法を、生活の中で行っている場合があります。

 それを、相手自身に気づいてもらい、「困りごと」の具体的な対処法としてリストアップすることで、相手に合う方法の材料が得られるというわけです。

 

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まとめ

●HSPや発達障害に関する発信者や支援者の立場での大事な考え方は?

・発信や支援においては、当事者が自分でできるようになること(自立すること)を目指したかかわりが大事である。そのため、相手の自己責任を放棄させるのではなく、徐々に相手に自己責任を戻すことが大事である。

・対処方法は人によって合う・合わないがあるので、自分の対処方法を押しつけず、相手自身に対処方法を気づいてもらうことが大事である。そして、発信者や支援者は「自分がHSPや発達障害に関して一番詳しい」ということを目標とするのではなく、相手が「自分の専門家になってもらう」ことを目指すことが大事である。

 

●HSPや発達障害の方への支援につながる技術とは?

①相手が「しんどい」と感じる調子の悪さや「こうなりたい」という希望は、相手の言葉で語ってもらい、相手の言葉どおり理解する(自分の言葉で翻訳しない)

②相手の悩みごとを具体化させるために、「病名」「症状として捉えていること」「生活や仕事での困りごと」を分けて聞く

③「生活や仕事での困り事」を深掘りするために、相手がどんなときに「しんどい」と感じるのかを明らかにする

④相手が「困りごと」を乗り越えるにあたって、相手に合う方法を見つけ出すため、相手にとっての「生活や仕事への困りごとへの対処方法」と「いい感じの自分」を確認する

 

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おわりに

 さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。

 今回は、発信者や支援者側の立場での記事を書きましたが、逆に自分の理解を深めるためのヒントにつながる人もいるのではないかと思います。

 今回の記事は、著書『精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本』を参考にしてきましたが、Amazonでもベストセラーとなっているだけあって、本当に良書だと思いました。

 ケースとしては、とても重くて専門的な内容を取り扱っていますが、とても分かりやすい内容であり、会社で後輩を指導しなければいけない立場の人や、同僚で悩んでいる人の相談を受ける立場の人にとっても参考になる考え方がたくさん詰まっていました。

 今回は、本書のエッセンスだけ取り出したものであり、本の中では具体的な事例をもって語られているため、相手への対話のイメージがとてもつかみやすく、もっと詳しく知りたい方は、この本を読むことをオススメしたいと思います。

 私自身もHSPのひとりとして生き、そしてHSPの方々へ発信を続けていくことで、何が大事な考え方なのかということが見えてきた部分があります。

 今回は、その考え方を伝える機会にもなればと思い、記事にしてきました。

 それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。

 もし、悩んでいる方にとって、少しでもお役に立てたのであれば、大変幸いです。

 それでは、また次回も、よろしくお願いいたします!

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プロフィール

 

名前:ぽん乃助

 

社会の荒波に揉まれ、猫の皮を被ることになった繊細な人間。世の人間たちの間では、繊細な気質のことをHSPと謳って色んな情報が溢れる中、猫の穿った目線で処世術のヒントっぽいことを呟く。猫パンチのない、穏やかな世界が好き。箱の中で生死を待つのではなく、箱の外に出ることを選択するシュレーディンガーの猫になりたい。

 

 

 

 

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