最新研究に基づくHSPの11の事実とは?HSPの新診断基準も
HSPとは、5人に1人は当てはまると言われる、繊細で敏感な気質の人を指します。(HSPの詳しい解説は、こちらからご覧ください。)
さて、HSPという概念が広まってから時間が経ちましたが、心理学分野の発展に伴い、HSPに関する研究も進んでいます。
そのため、当初「HSPは〇〇」と言われていた定説も、変わってきている部分も出ています。
とはいえ、当初HSPについて言われていたことがそのまま情報として残っていたり、さらにはSNSなどにより個人の勝手な憶測で、本来HSPでない特徴があたかもHSPの特徴として広められていたりして、HSPという言葉が独り歩きしている印象が感じられます。
そこで今回は、HSP研究者の一人であるクイーン・メアリー(ロンドン大学)のMichael Pluess教授らのサイト(こちら)をもとに、最新の研究に基づくHSPの正しい理解とよくある誤解について、解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください!
この記事の目次
最新の研究に基づくHSPの11の事実とは?
(1)感受性とは何か?
HSPの人は、Highly Sensitive Personの略のとおり、sensitivty(感受性)が高いと言われます。
そこでまずは、「sensitivity(感受性)」について考えていきます。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【What is sensitivity?】
Sensitivity is a basic human trait and describes the ability to perceive and process information about the environment.
Sensitivity consists of two basic components. Firstly, the perception of sensory input from the environment such as sound, smell, taste, and touch.
Secondly, the cognitive processing of the perceived information about the environment, such as thinking deeply about and reflecting on experiences.
Although everyone is sensitive to some extent, some people are more sensitive than others. Research shows that highly sensitive people are more negatively affected by adversity but also benefit particularly strongly from positive experiences. Simply put, sensitive people are those who are more strongly influenced by what they experience.
The fact that similar differences in sensitivity have been observed in many other species, for example, in dogs, fish and birds, suggests that sensitivity has a biological basis and was conserved over the course of evolution due to its important role for adaption to the environment. Indeed, sensitivity in humans has been associated with neurobiological differences in the brain as well as genetic factors.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性とは何か?】 感受性は人間の基本的な特性であり、環境についての情報を知覚し、処理する能力を説明します。 感受性は2つの基本的な要素から構成されています。第一に、音、匂い、味、触覚などの環境からの感覚的な入力の知覚。 第二に、環境について深く考えたり、経験を振り返ったりするなど、知覚された環境に関する情報の認知的処理である。 誰もがある程度敏感になっていますが、中には敏感な人もいます。研究によると、感受性の高い人は逆境の影響を受けやすいが、ポジティブな経験からは特に強い恩恵を受けていることがわかっています。簡単に言えば、敏感な人は、自分が経験したことからより強く影響を受けている人です。 感受性の類似した違いが他の多くの種、例えば犬、魚、鳥などで観察されているという事実は、感受性には生物学的な基礎があり、環境への適応に重要な役割を果たすために進化の過程で保存されてきたことを示唆しています。実際、ヒトにおける感受性は、遺伝的要因だけでなく、脳の神経生物学的差異とも関連している。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容を踏まえると、sensitivity(感受性)とは、「五感で感じること」や「その場の状況を考えたり経験を振り返ったりすること」を司る能力と言えます。
そのため、HSPの人は深く考えたり、五感が強かったりと言われますが、このsensitivity(感受性)の高さが影響していることがここでも分かります。
また、sensitivity(感受性)の高い人は、環境の良い影響も悪い影響も受けやすいとされており、この点も従来からHSPの人に言われている特徴と近いのではないかと思います。
(2)HSPは遺伝なのか?
HSPのsensitivity(感受性)の高さは、遺伝(生まれつき)と言われることが多いです。
しかし、現在はその点が一部否定されているようです。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【Is sensitivity a genetic trait?】
Like most other common human traits, sensitivity is partially genetic. About 50% of the differences in sensitivity between people can be explained by genetic factors, whereas the remaining 50% are accounted for by environmental influences.
Although several studies examined and identified individual genes that seem to be related to sensitivity, it is very unlikely that the genetic basis of sensitivity is the result of just one or a few genes.
Most complex and common human traits have been found to be associated with a large number of genes, usually several thousand, and each typically has a very small effect.
Hence, there is likely no single “sensitivity gene” and any gene that is related to sensitivity will explain only a tiny fraction of the differences in sensitivity.
As a result, researchers have focused on adding up the hundreds to thousands of genetic variants related to sensitivity into an overall genetic sensitivity score.
This research has shown that children that are genetically more sensitive are indeed more strongly affected by the parenting quality they experience and adults that are genetically more sensitivity have been found to benefit more from psychological intervention.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性は遺伝的特徴なのか?】 他のほとんどの一般的な人間の形質と同様に、感受性は部分的に遺伝的なものです。人によって異なる感受性の違いの約50%は遺伝的要因によって説明でき、残りの50%は環境の影響によって説明できます。 いくつかの研究では、感受性に関連していると思われる個々の遺伝子を調査し、特定していますが、感受性の遺伝的基盤が、1つまたは数個の遺伝子の結果であるとは考えにくいのです。 ほとんどの複雑で一般的なヒトの形質は、多数の遺伝子(通常は数千個)と関連していることがわかっており、それぞれの遺伝子の影響は一般的には非常に小さい。 したがって、単一の「感受性遺伝子」は存在しない可能性が高く、感受性に関連する遺伝子は、感受性の違いのごく一部しか説明できない。 その結果、研究者たちは、感受性に関連する数百から数千の遺伝的変異を総合的な遺伝的感受性スコアに加算することに焦点を当ててきました。 この研究により、遺伝的に感受性が高い子供は、実際に経験する子育ての質に強く影響を受け、遺伝的に感受性が高い大人は、心理的な介入からより多くの恩恵を受けることがわかってきました。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容を踏まえると、HSPのsensitivity(感受性)の高さは、完全に生まれつきではなく、遺伝と環境が相互に影響して生じているということが分かります。
また、遺伝的に感受性の高い人は、子どものときは生育環境に大きく影響され、大人であっても他者からの心理的介入によって、影響を受けることも分かっています。
なので、「HSPの生きづらさは、生まれつきだからどうしようもない」なのではなく、身を置く環境などを考えることで、生きづらさを乗り越えられる希望もあることが言えるのではないでしょうか。
(3)感受性はどのように発達するのか?
先ほど、HSPのsensitivity(感受性)の高さは、完全に生まれつきではなく、遺伝と環境が相互に影響して生じていると述べました。
それでは、感受性はどのように発達するのでしょうか?
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【How does sensitivity develop?】
Sensitivity is the result of a complex interplay between our genes and experiences that begins in the womb and continues throughout life.
Interestingly, differences in sensitivity can already be observed during pregnancy. For example, research on prenatal development shows that some foetuses are clearly more responsive to sounds and their mother’s physiological and psychological stress than others.
In infancy, differences in sensitivity have been associated with specific temperament traits. According to research, sensitive babies tend to get more easily upset, cry more often, take longer to recover, are more reactive, more easily overstimulated, more afraid of strangers and unfamiliar situations, and more cautious in new environments.
Importantly, one of the reasons that sensitivity has been associated with these negative behaviours is that many temperament measures do not capture the more positive aspects of sensitivity.
Research further suggests that adverse experiences in early childhood can contribute to the development of heightened sensitivity in adolescence and adulthood, particularly in those with greater genetic predisposition for sensitivity.
This means that differences in sensitivity are in part genetic but also shaped by the type and quality of our upbringing and environment. However, more research is needed to investigate how sensitivity develops and changes throughout life.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性はどのようにして発達するのですか?】 感受性は、私たちの遺伝子と経験が複雑に絡み合った結果であり、それは子宮の中で始まり、生涯にわたって続きます。 興味深いことに、感受性の違いは妊娠中にすでに観察されています。例えば、出生前の発達に関する研究では、一部の胎児は他の胎児よりも音や母親の生理的・心理的ストレスに明らかに敏感であることが示されています。 乳児期には、感受性の違いが特定の気質の特徴と関連しています。研究によると、敏感な赤ちゃんは、動揺しやすく、よく泣き、回復するのに時間がかかり、反応しやすく、過敏になりやすく、見知らぬ人や慣れない状況を怖がり、新しい環境では警戒心が強い傾向があります。 重要なことに、感受性がこれらのネガティブな行動と関連している理由の一つは、多くの気質測定が感受性のよりポジティブな側面を捉えていないことにあります。 さらに研究では、幼児期の不利な経験が、特に感受性の遺伝的素因が大きい人では、思春期や成人期に感受性が高くなることが示唆されています。 このことは、感受性の違いは遺伝的な部分もあるが、育ちや環境の種類や質によっても形成されることを意味している。しかし、感受性がどのように発達し、生涯を通じて変化するかを調べるためには、より多くの研究が必要とされています。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容を踏まえると、人によってのsensitivity(感受性)の高さの違いは、既に胎児の時点で観察されていて、すなわち遺伝的要因があることがわかります。
その一方で、特に遺伝的にsensitivity(感受性)が高い人は、乳幼児の経験が影響して、思春期や成人期に感受性が高くなる場合もあるわけです。
このように、感受性は発達するわけですが、生涯にわたる感受性の高さの変化は完全に研究では明らかになっていないようです。
(4)HSPは5人に1人なのか?
sensitivity(感受性)の高いHSPの人は、5人に1人いると言われます。
この点は、最新の研究では、どのように語られているのでしょうか?
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【Who is sensitive?】
Given that sensitivity is a basic human trait, everyone is sensitive to an extent. However, research has shown that people tend to fall into three different groups along a spectrum of sensitivity: low, medium and high. 30% of the population fall under the highly sensitive group, 40% under medium and 30% under low.
People in the highly sensitive group have been described as “Orchids” since they require optimal care but are particularly beautiful when they flourish. Individuals in the low sensitivity group have been compared to “Dandelions”, which tend to be robust and grow anywhere. The 40% who fall in the middle group have been described as “Tulips” to reflect that they are less delicate than “Orchids” but not as robust as “Dandelions”.
Importantly, differences in sensitivity between these three groups should be understood as reflecting a spectrum from low to high. People that fall into the low sensitivity group are still sensitive to their environment but just to a lesser degree than the other groups.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性が高いのは誰ですか?】 感受性が人間の基本的な特性であることを考えると、誰もがある程度の感受性を持っています。しかし、研究によると、人は感受性のスペクトルに沿って、低、中、高の3つのグループに分類される傾向があることがわかっています。人口の30%が高感度グループに該当し、40%が中感度グループ、30%が低感度グループに該当します。 高感度グループの人々は、最適なケアを必要とするが、花が咲くと特に美しいことから、「蘭」と表現されてきました。低感度グループの人は、丈夫でどこにでも生える傾向があることから「タンポポ」に例えられています。中間のグループに属する40%は「チューリップ」と呼ばれ、「ラン」よりは繊細ではあるが、「タンポポ」よりは丈夫ではないことを反映しています。 重要なことは、これら3つのグループの間の感度の違いは、低から高までのスペクトルを反映していると理解されるべきである。感度の低いグループに属する人々は、環境にはまだ敏感ですが、他のグループに比べて感度が低いだけです。 ※DeepLで翻訳 |
日本では、HSPと非HSPといったように、sensitivity(感受性)が高いか低いかといったように、2つのグループに分けるようなコメントも見受けられます。
ただし、実際にはそんな単純に分けられるものではありません。
このサイトの内容を踏まえると、誰もがsensitivity(感受性)を持っており、あくまでsensitivity(感受性)の高さの傾向として3グループに分けられるということになります(感受性が高程度グループが30%、感受性が中程度のグループが40%、感受性が低程度のグループが30%)。
「非HSPの人は生きやすい」といったコメントも見たことがありますが、サイトにも書かれているとおり、sensitivity(感受性)が低程度のグループの人は、他のグループに比べて感受性が低いだけなので、必ずしも「非HSPの人は生きやすい」というのも断言できないわけです。
そして、感受性が高程度のグループをHSPと定義するのであれば、人口の30%を占める(5人に1人以上いる)わけなので、「HSPの人は少数派」とも言えないわけです。
(5)HSPは男性よりも女性の方が多いのか?
HSPは男性よりも女性のほうが多いと言われることが多いです。
ただ、この点も最新の研究では、見解が変わってきているようです。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【Are women more sensitive than men?】
None of the leading theories propose that women are more sensitive than men and empirical studies are inconclusive.
In studies of adults where sensitivity is measured with questionnaires, women often tend to self-report higher levels of sensitivity. This has also been observed in studies looking at sensitivity in children, even when sensitivity was rated by psychologists rather than by the children themselves.
Conversely, a large-scale study on twins did not find any genetic gender differences in sensitivity, suggesting that the heightened sensitivity found in adult women and girls may reflect social and cultural influences rather than biological ones. For example, in many societies, sensitivity is considered more of a feminine trait and therefore more likely to be accepted and expressed by women and girls.
Interestingly, although women and girls often report higher sensitivity in questionnaires, several studies find that it is actually the sensitive males whose behaviour is more influenced by their environment. This again suggests that it is not that females are necessarily more sensitive but rather that females are more likely to report sensitivity behaviours.
More research is needed to understand gender differences, including the key role of socialisation.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【女性は男性よりも感受性が高い?】 女性は男性よりも感受性が高いという有力な説はなく、実証研究も結論が出ていません。 成人の感受性を質問紙で測定した研究では、女性の方が感受性のレベルが高いと自己申告する傾向があります。このことは、子どもの感受性を調べた研究でも観察されていますが、感受性の評価は子ども自身ではなく心理学者によって行われています。 逆に、双子を対象とした大規模な研究では、感受性に遺伝的な性差は見られず、成人女性や女児の感受性の高さは、生物学的なものではなく、社会的・文化的な影響を反映している可能性が示唆されています。例えば、多くの社会では、感受性はより女性的な特性であると考えられているため、女性や女児に受け入れられ、表現される可能性が高いと考えられています。 興味深いことに、女性と女児はしばしばアンケートでより高い感受性を報告するが、いくつかの研究では、実際には感受性の高い男性の方が環境に影響された行動をしていることがわかっている。このことは、女性の方が必ずしも敏感なのではなく、むしろ女性の方が敏感な行動を報告しやすいことを改めて示唆している。 社会化の重要な役割を含め、性差を理解するためにはさらなる研究が必要である。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容を踏まえると、女性と男性ではsensitivity(感受性)の差は結論が出ていないことがわかります。
逆に言えば、「HSPは女性のほうが多い」と言われるのは、sensitivity(感受性)が高いと主張する女性が多いからだと考えられるわけです。
また、遺伝的にはsensitivity(感受性)に男女差はないようで、多くの社会で「sensitivity(感受性)が高い」のは女性的特性と言われていることなどが影響し、女性がHSPを主張しやすいということも考えられるわけです。
なので、「HSPは女性のほうが多い」というのは誤解であり、正しくは「HSPと主張する女性が多い」と考えられるわけです。
(6)HSPはなぜ生きづらいのか?
HSPの人は、sensitivity(感受性)が高いため、生きづらいと言われます。
この点についても、最新の研究で言及されています。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【Why is being highly sensitive sometimes seen as a weakness?】
High sensitivity may be perceived as challenging or difficult in certain situations. Theory suggests that individuals who are highly sensitive are more strongly affected by negative experiences such as low-quality parental care and stressful life events. It this sense, highly sensitive people may sometimes be less robust and resilient.
It is important to recognise, however, that one of the reasons high sensitivity is often viewed negatively is that much of the early research on sensitivity focused on negative consequences and many of the measures of sensitivity have been overly biased to the negative aspects of the trait, masking the known positive aspects of sensitivity.
That said, research has shown that highly sensitive children are more likely to develop behavioural problems when they have been exposed to negative parenting practices.
Furthermore, because sensitive people process information more deeply, they tend to get more easily overwhelmed in highly stimulating or chaotic environments. This may, in turn, negatively impact their energy and performance under such conditions.
Finally, whether a trait like sensitivity is considered a weakness is also influenced by cultural preferences. For example, while being shy is generally perceived as undesirable in the United States, the same behaviour is more respected and appreciated in China.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性が高いことが弱点として見られることがあるのはなぜですか?】 感受性が高いと、特定の状況では困難なことや困難なことがあると認識されることがあります。理論的には、感受性の高い人は、質の低い育児やストレスの多い人生の出来事などのネガティブな経験の影響をより強く受けることが示唆されています。この意味では、感受性の高い人は、時には頑健さや回復力に欠けることもあるかもしれません。 しかし、高感度がしばしば否定的に見られる理由の一つは、感度に関する初期の研究の多くが否定的な結果に焦点を当てており、感度の尺度の多くが形質の否定的な側面に過度に偏っており、感度の既知の肯定的な側面を覆い隠していることにあることを認識することが重要です。 とはいえ、研究によると、感受性の高い子供は、否定的な子育ての実践にさらされた場合、行動問題を発症する可能性が高いことが示されています。 さらに、感受性の高い人は情報をより深く処理するため、刺激の強い環境や混沌とした環境では、より簡単に圧倒されてしまう傾向があります。これは、そのような状況下でのエネルギーやパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。 最後に、感受性のような特性が弱点とみなされるかどうかは、文化的な嗜好にも影響されます。例えば、米国では一般的に内気であることが望ましくないと認識されていますが、中国では同じ行動がより尊重され、評価されています。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容を踏まえると、「HSPの人が生きづらい」と言われるのは、ネガティブな経験の影響を強く受けることに一つの要因があると考えられます。
そのため、sensitivity(感受性)の高い子供が否定的な子育てを受けると支障が出る可能性が高まり、大人であっても刺激の強い環境などではうまくいかないといった支障が出る可能性が出てくるわけです。
ただ、ここでは、これまでのsensitivity(感受性)の初期の研究では否定的な側面に焦点が当てられてきたことによって、HSPの長所が分かりづらくなっていたことも指摘されています。
また、感受性の高さが弱点かどうかは、国の文化によっても影響されるようです。
つまりは、「HSPの人が生きづらい」といわれるのは、日本の文化、ひいては現在自分が置かれている環境による影響が大きいためなのかもしれません。
(7)HSPの長所や適職とは?
sensitivity(感受性)が高いことによる長所についても、最新の研究では触れられています。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【What are the advantages of being highly sensitive?】
There are many advantages to being highly sensitive. According to theory, these advantages are the result of the heightened perception and deeper processing by sensitive people.
For example, sensitive people tend to have a particularly well-developed understanding of relationships and of other people’s feelings and thoughts due to their heightened levels of empathy.
They have also been found to be more creative than less sensitive people and often have a deep appreciation of beauty.
And they tend to be more aware of subtleties in their environment and therefore perceive details more easily.
As a result of these qualities, sensitive people tend to make excellent counsellors, artists, advisers, coaches and scientists.
In addition, sensitive people tend to benefit more from positive experiences than their less sensitive counterparts.
For example, studies have shown that highly sensitive children develop better social skills and do better in school versus less sensitive children when they grow up in a caring and supportive environment. Similarly, sensitive children have been found to benefit more from psychological programmes and interventions than less sensitive ones.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性が高いことのメリットとは?】 感受性が高いことには、多くの利点があります。理論によると、これらの利点は、感受性の高い人の知覚と処理の深化の結果である。 例えば、感受性の高い人は、共感力のレベルが高いために、人間関係や他人の感情や考えを特によく理解している傾向があります。 また、感受性の低い人よりも創造性が高く、美を深く理解していることがわかっています。 また、環境の機微に気づく傾向があり、詳細をより容易に知覚することができます。 これらの資質の結果として、敏感な人は、優れたカウンセラー、アーティスト、アドバイザー、コーチ、科学者になる傾向があります。 さらに、感受性の高い人は、感受性の低い人よりもポジティブな経験から多くの恩恵を受ける傾向があります。 例えば、感受性の高い子どもたちは、思いやりとサポートのある環境の中で育つと、社会性を身につけ、学校での成績も良くなるという研究結果が出ています。同様に、感受性の高い子どもは、感受性の低い子どもよりも心理学的なプログラムや介入を受けた方が、より多くの恩恵を受けることがわかっています。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容を踏まえると、sensitivity(感受性)が高いことによる長所は多岐にわたることが分かります。
これらの長所については、これまで語られていたHSPの長所と大差ないように思えます。
そして、sensitivity(感受性)が高い子どもの生育環境は、その後の生活に大きな影響をもたらすことも言えそうです。
また、大人もsensitivity(感受性)が高いことによる適職が言及されていることから、「今の環境が自分の能力を活かせるのか?」という視点も重要だと考えられます。
「環境を変える」というのはリスクもハードルも高いため、本ブログではあまり言及していませんでしたが、sensitivity(感受性)が高い人は環境による影響が非常に大きいため、HSPの生きづらさを打破する(ひいてはHSPの長所を生かす)ためには、今置かれている仕事の環境や人間関係などを見直すことも大事なのかもしれません。
(8)感受性の高い人のパーソナリティ傾向とは?
sensitivity(感受性)が高い人は、一定のパーソナリティ傾向がみられ、その点についても最新の研究では触れられています。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【How is sensitivity related to other personality traits?】
Sensitivity shares some similarities with other common personality traits. In psychology, personality is usually described and measured across five dimensions. As with sensitivity, which can range from low to high, these dimensions are also each measured on a spectrum. These are:
Extraversion (being sociable and outgoing)
Neuroticism (being easily stressed and anxious)
Openness to Experiences (being open-minded and imaginative)
Agreeableness (being kind and cooperative)
Conscientiousness (being self-disciplined and orderly).
Studies have shown that highly sensitive people tend to have higher scores of Neuroticism and Openness to Experiences, while the relationship between sensitivity and the other three personality traits is negligible.Neuroticism reflects the tendency of sensitive people to be more negatively affected by adverse experiences. Openness to Experiences captures their heightened sensitivity to positive aspects of the environment. Whilst it is commonly thought that highly sensitive people also tend to be introverted, research does not back this up.
Overall, it should be noted that these common personality traits explain only a small part of sensitivity. Furthermore, the development of personality is also dependent on people’s life experiences. For example, sensitive people that had difficult childhoods are more likely to develop high Neuroticism, compared to sensitive people growing up in supportive environments.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性は他の人格特性とどのように関係していますか?】 感受性は、他の一般的な性格特徴といくつかの類似点を共有しています。心理学では、人格は通常、5つの次元にわたって記述され、測定されます。低から高への範囲内にすることができます感度、と同様に、これらの寸法はまた、それぞれのスペクトル上で測定されています。これらは次のとおりです。 外向性(社交的で外向的であること 研究によると、感受性の高い人は神経症と経験への開放性のスコアが高い傾向がありますが、感受性と他の3つの性格特性の間の関係は無視できるほどです。 神経症は、敏感な人が不利な経験によってよりネガティブな影響を受けやすい傾向を反映しています。経験への開放性は、環境の肯定的な側面に彼らの高まった感度をキャプチャします。それは一般的に非常に敏感な人々がまた内向的である傾向があると考えられている間、研究はこれをバックアップしません。 全体的に見ると、これらの一般的な性格的特徴は、感受性のごく一部を説明しているに過ぎないことに注意する必要があります。さらに、性格の発達は、その人の人生経験にも依存しています。例えば、困難な子供時代を過ごした感受性の高い人は、支援的な環境で育った感受性の高い人に比べて、高い神経症を発症する可能性が高いのです。 ※DeepLで翻訳 |
ネット上で性格チェック診断ができるサイトが多いですが、信頼性が低い診断も多く、実際に信頼できる一つの診断として「ビッグ・ファイブ」が挙げられます。
「ビッグ・ファイブ」とは、このサイトの内容にも書かれているとおり、「①気持ちの不安定さの程度(神経症傾向)」「②社交的で周りの人と馴染みやすい程度(外向性)」「③感情を制御したり、衝動を我慢したり、物事をしっかり考える程度(統制性)」「④利他的で人を励ますのに長けている程度(協調性)」「⑤他の人にないような発想をする程度(開放性)」の5つの要素から、パーソナリティの傾向を表すものです。(以前、「ビッグ・ファイブ」によるパーソナリティ傾向の診断方法については動画でまとめたことがありますので、気になる方は以下のYouTubeリンクからご覧ください。)
そして、この「ビッグ・ファイブ」に照らし合わせると、sensitivity(感受性)が高い人は、「①気持ちの不安定さの程度(神経症傾向)」と「⑤他の人にないような発想をする程度(開放性)」が高い傾向にあるため、負の経験からネガティブな感情を抱きやすく、その一方でポジティブな感情も多く経験するなどといったパーソナリティの傾向があるようです。
ただ、このサイトの内容を踏まえると、sensitivity(感受性)の高さの特徴については、この「ビッグ・ファイブ」だけでは表しきれないこともわかります。
(9)HSPは病気(精神疾患)なのか?
「HSPについて、診断・治療できる病院はありませんか?」という質問を以前に受けたことがありますが、sensitivity(感受性)が高いことは病気ではありません。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【Is being highly sensitive a psychological disorder?】
Being highly sensitive is not a psychological disorder. Research shows that every person is sensitive and that people differ in their degree of sensitivity, just as people vary in other common human traits, such as personality characteristics.
The fact that similar differences in sensitivity have been observed in animal species suggests that there is a biological basis to sensitivity and that it was conserved over the course of evolution due to its important role for adaption to the environment.
Nevertheless, as with other personality traits, being at the extreme ends of the sensitivity spectrum may be associated with an increased risk for the development of psychological problems.
For example, research shows that people with high sensitivity are at greater risk of developing anxiety and depression, but only when experiencing adverse circumstances.
On the other hand, people with very low sensitivity may be at heightened risk of developing other problems due to their low levels of empathy, such as conduct disorder or psychopathy. However, the latter is only based on theory and has not yet been investigated and confirmed empirically in research studies.
Importantly, although some known disorders (e.g., autism spectrum disorder, sensory processing disorder) are characterized by heightened sensory sensitivity, it must be noted that these disorders are fundamentally different from the common trait of sensitivity.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性が高いことは精神疾患?】 敏感であることは、精神疾患ではありません。研究によると、すべての人が敏感であること、そして、人が性格的特徴などの他の一般的な人間の特徴に違いがあるように、人は敏感さの度合いに違いがあることが示されています。 動物種でも同様の違いが観察されているという事実は、感受性には生物学的根拠があり、環境への適応に重要な役割を果たすために進化の過程で保存されてきたことを示唆しています。 それにもかかわらず、他の性格特性と同様に、感受性のスペクトルの極端な端にあることは、心理的な問題を発症するリスクの増加と関連している可能性があります。 例えば、感受性が高い人は不安や抑うつを発症するリスクが高いことが研究で明らかになっていますが、それは不利な状況を経験した場合に限られます。 一方、感受性が非常に低い人は、行動障害やサイコパシーなどの共感度が低いために、他の問題を発症するリスクが高くなっている可能性があります。しかし、後者は理論に基づいたものに過ぎず、研究研究で実証的に調査・確認されていません。 重要なことは、いくつかの既知の障害(例えば、自閉症スペクトラム障害、感覚処理障害)は、感覚の感度が高くなることを特徴としているが、これらの障害は、共通の感度という形質とは根本的に異なることに注意しなければならないということである。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容のとおり、sensitivity(感受性)が高いことは精神疾患ではなく、一言でいうと個人差だと言えると思います。
ただし、感受性が高いことで心理的な問題(不安や抑うつ)を発生しやすいため、HSPが病気だと考えられやすいのはこれが要因だと思われます。
また、ここにも書かれているとおり、sensitivity(感受性)が高いということは、自閉症スペクトラム障害(ASD)等による感覚過敏などとは根本的に異なるようです。
なので、その点からもHSPは病的なものではないと言えます。
ただ、「感受性が高いことにより、心理的問題が発生しやすい」という点が、まさにHSPの生きづらさの要因だと考えられるため、生き方の工夫などをするにあたっては、ここに焦点を当てることが大事だということも分かります。
(10)HSPと発達障害の違いは?
よくHSPと発達障害は、共通点があると言われますが、根本的に異なります。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【Is sensitivity related to autism and other developmental disorders?】
Although at first sight, there seem to be some similarities, sensitivity differs considerably from Autism Spectrum Disorder (ASD) and Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD).
While ASD and ADHD are acknowledged and diagnosable developmental disorders, sensitivity represents a common and healthy human trait.
What sensitivity seems to have in common with (mild) autism is heightened sensory sensitivity and a tendency to withdraw from busy and chaotic situations or large gatherings.
However, whilst the withdrawal of sensitive individuals from such situations is due to feelings of overstimulation, individuals with autism tend to avoid them also because of their limited social skills. In contrast to the social challenges that characterise autism, highly sensitive people have a particularly well-developed understanding of relationships and a high degree of empathy.
What sensitivity has in common with ADHD is that sensitive people are also more likely to get distracted in highly stimulating situations. However, when in quiet and calm environments, sensitive people have particularly good concentration, whereas people affected by ADHD still struggle to concentrate.
Given the potential risk that highly sensitive people could get misdiagnosed as having autism or ADHD, more research is needed to establish clear differentiation between sensitivity and these neurodevelopmental disorders.
The available sensitivity measures are not suitable as diagnostic tools and it is important that any person concerned about ASD or ADHD is seen by a specialist to ensure proper and professional diagnosis and potential treatment.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性は自閉症などの発達障害と関係がある? 】 一見、共通点があるように見えますが、感受性は自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)とは大きく異なります。 ASDやADHDは認知されていて診断可能な発達障害ですが、感受性は共通した健康的な人間の特性を表しています。 どのような感度は、(軽度の)自閉症との共通点を持っているようだが、感覚的な感度を高め、忙しいと混沌とした状況や大規模な集会から撤退する傾向があります。 しかし、そのような状況から敏感な個人の撤退は、過剰な刺激の感情によるものである一方で、自閉症の個人は、彼らの限られた社会的スキルのためにもそれらを避ける傾向があります。自閉症を特徴づける社会的課題とは対照的に、高度に敏感な人々は、特に発達した人間関係の理解と高度な共感性を持っています。 感受性が ADHD と共通しているものは、感受性の高い人々 はまた、非常に刺激的な状況で気が散ってしまう可能性が高いということです。しかし、静かで穏やかな環境では、敏感な人は特に優れた集中力を持っていますが、ADHD の影響を受けた人々 はまだ集中するのに苦労しています。 感度の高い人が自閉症やADHDと誤診される可能性があることを考えると、感度とこれらの神経発達障害との明確な鑑別を確立するためには、より多くの研究が必要です。 利用可能な感度対策は診断ツールとしては適しておらず、ASDやADHDを心配する人は専門家に診てもらい、適切かつ専門的な診断と潜在的な治療法を確保することが重要です。 ※DeepLで翻訳 |
このサイトの内容のとおり、sensitivity(感受性)の高さは健康的な人にも言えることであり、逆に言えば、ASDやADHDは医者から診断される障害の一種と言えるわけです。
例えば、「うつ病(=精神疾患)」と「憂鬱な気分(≠精神疾患)」の違いの一つとして、”持続的に日常生活に支障が出ているか?”ということがポイントになります。
上記を踏まえると、HSPの人もASDの人も、忙しい状況や大勢の場を避ける傾向にあるものの、HSPの人は”苦手”であることに対し、ASDの人は”能力的に難しい”と言えるのではないでしょうか。
また、HSPの人もADHDの人も、刺激的な状況では気が散る傾向にあるものの、HSPの人は環境が変わればうまくいくことに対し、ADHDの人はうまくいく環境がHSPの人よりも限られていると言えるのではないでしょうか。
つまりは、HSPと発達障害(ASD・ADHD)の違いとして、”持続的に日常生活に支障が出ているか?”という問いに対し、発達障害(ASD・ADHD)は当てはまると考えられるわけです。
逆に言えば、HSPの人は、工夫をすること(身を置く環境を変える・ストレスのセルフケアを身に着ける など)で、日常生活の生きづらさは乗り越えられると考えられているわけです。
また、ここにも書かれていますが、sensitivity(感受性)の高い人がASDやADHDと誤診される可能性があるようなので、その点は研究が必要だと思いますが…
これは、逆に考えてみれば、HSPの人の過ごしやすい生き方や働きやすい環境が、まだ未確立(もしくは日本には少ない)と考えられるのだと思います。
なので、本ブログなどを通じ、その点も追求できればと考えています。
(11)HSPの最新の自己診断基準とは?
【上記画像はPluess教授らのサイトによる私の自己診断結果】
HSPの人が、「自分がHSPだ」と知るきっかけは、自己診断チェックに基づくものだと思います。
ただ、この自己診断チェックについては、研究が重ねられた結果、改良が続けられています。
Pluess教授らのサイトでは、次のとおり説明があります。
【How can sensitivity be measured?】
As with most personality traits, the typical approach to assessing sensitivity is with questionnaires.
Based on extensive research, a series of questionnaires to measure sensitivity in children (the Highly Sensitive Child scale) and adults (the Highly Sensitive Person scale) have been developed and refined. For children, these can either be reported by the child or by the parent. These scales have been tested repeatedly in empirical research and found to capture sensitivity to the environment.
Questionnaires have many advantages and reflect the subjective experience of the individual. However, they can be biased. A more objective way of measuring sensitivity can be achieved through the rating of observed behaviour by trained specialists. Such a rating system has been developed for 3-year-old children and proven to accurately measure sensitivity.
Given that sensitivity is partially explained by genetics, it is also possible to measure sensitivity by considering an individual’s genetic make-up.
However, the current state of knowledge does not yet allow for accurate individual assessment. Additional research is needed to better understand the genetic basis for sensitivity. It may also be beneficial to focus on physiological aspects of sensitivity such as hormones and the brain in order to assess sensitivity more objectively.
Although existing questionnaires and rating scales already provide a valid way of measuring sensitivity, more research is required to make the assessment more objective, precise and reliable.
引用:Michael Pluess教授ら “sensitivityresearch.com“(アクセス日:2020年8月12日)
翻訳をすると、以下のとおりです。
【感受性はどのようにして測定できますか? 】 ほとんどの性格特性と同様に、感受性を評価するための典型的なアプローチは、アンケート調査によるものです。 広範な研究に基づいて、子どもの感受性を測定するための一連の質問票(Highly Sensitive Child scale)と大人の感受性を測定するための質問票(Highly Sensitive Person scale)が開発され、改良されてきました。子どもの場合は、子どもが報告するか、親が報告するかのいずれかである。これらの尺度は実証研究で繰り返しテストされており、環境に対する感受性を捉えていることがわかっている。 質問紙には多くの利点があり、個人の主観的な経験が反映されている。しかし、偏りがある場合もあります。感受性を測定するより客観的な方法は、訓練を受けた専門家による観察された行動の評価によって達成することができる。このような評価システムは、3歳児のために開発され、正確に感度を測定することが証明されています。 感受性は部分的には遺伝によって説明されることを考えると、個人の遺伝的構成を考慮して感受性を測定することも可能である。 しかし、現在の知見では、正確な個人の評価はまだできていません。感受性の遺伝的基盤をよりよく理解するためには、さらなる研究が必要である。また、感度をより客観的に評価するためには、ホルモンや脳などの生理学的な側面に注目することも有益かもしれません。 既存のアンケートや評価尺度はすでに感度を測定する有効な方法を提供していますが、評価をより客観的、正確、信頼性の高いものにするためには、さらなる研究が必要とされています。 ※DeepLで翻訳 |
日本では、HSPを提唱したアーロン氏による自己診断チェックリストをもとに、「自分がHSPだ」と気づく人が多いと思います。
ネット上には、そのほかの自己診断チェックリストもありますが、科学的に統計が取れていないチェックリストも多く存在する状況にあります。
ただ、このサイトの内容を踏まえると、実は当初のチェックリストから改良が続けられてきていることがわかります。
そもそもチェックリストによる診断は、主観的な要素が強いといった問題もはらんでおり、遺伝的構成からsensitivity(感受性)を測定する方法も研究がなされていることがここから分かります。
そして、英語ではありますが、改良が重ねられた自己診断チェックリストは、Pluess教授らのサイト(こちら)に掲載されています。
ご自身のチェックリストだけでなく、お子さんのチェックリストもありますので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか?
恐らく、今までのHSPに関する知識と変わりない部分があった一方で、意外な発見があった人もいるのではないかと思います。
私自身が、今回の内容の踏まえて一番大事だと思ったのは、以下の点です。
①HSPは遺伝的要素だけでは説明できず、生育環境による影響も大きいこと ②HSPは労働環境に大きく左右されやすいこと ③HSPに生物的性差(セクシュアリティ)が考えづらいこと ④HSPにはネガティブの面だけでなく、ポジティブな面もあること ⑤HSPは精神疾患ではないものの、HSPを原因として心理的問題を生じやすいこと |
①については、sensitivity(感受性)が高い子どもは特に性格形成にあたっての生育環境の影響が非常に大きく、「どのように子育てをしていくか?」「学校の環境が相応しいのか?」といったことを考える重要性がより理解できました。
「子どもは苦しい環境や人間関係を乗り越えなければいけない!」という発想を持っている人は非常に多いと思いますが、最新の研究を踏まえると、必ずしもこの考え方が正しいとは言い切れないのではないかと思います。
②については、sensitivity(感受性)が高い人は、労働環境によって大きく左右されるため、ストレスを減らしたりや生産性を高めるたりするためには、今置かれている環境自体を考える重要性がより理解できました。
特に日本では終身雇用の企業が多かったため、「置かれた場所で咲きなさい」という価値観が美徳とされることが多いですが、最新の研究を踏まえると、必ずしもこの考え方が正しいとは言い切れないのではないかと思います。
③については、「HSPは男性より女性のほうが多い」といわれることがありますが、最新の研究を踏まえると、実際にはHSPに生物的性差(セクシュアリティ)は考えづらい状況にあります。
特に日本では社会的性差(ジェンダー)の格差は大きいと言われており、社会的性差によって、生きづらさを感じているHSPの人もいる可能性もあるのではないかと思います。
④については、これまでの研究では、sensitivity(感受性)の高さはネガティブの面が多く取り上げられていたことにより、ポジティブな面が見えづらくなっているということが、Pluess教授らのサイトで語られていました。
逆に言えば、明確に研究では示されていないものの、sensitivity(感受性)の低いことによる生きづらさも生じている可能性もあり、HSPのsensitivity(感受性)の高さをどう活かすのかというアプローチも非常に重要だと思いました。
⑤については、HSPは精神疾患ではないものの、HSPを原因として抑うつなどの心理的問題を生じやすく、HSPの人の生きづらさを乗り越えるためにはこの点に焦点を当てる重要性がより理解できました。
つまり、HSPを診てもらえる病院を探すのではなく、「実生活で具体的に何が困っているのか?」という点を探り、その点を着実に解決するアプローチが有効なのではないかと思います。
日本では「環境を変える」「人間関係を変える」というのは、精神的にも肉体的にもハードルが高いため、本ブログでは「今の環境のままでうまく生きる方法や働く方法」を探ってきましたが、恐らくそのアプローチだけでは「HSPの生きづらさ」の解決に限界があるように感じました。
そのため今後は、働く環境や人間関係の構築について焦点を当てつつ、HSPの方に向けて情報を発信していきたいと思いました。
それでは、今回はこの辺で終えたいと思います。
長文となりましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
また次回も、よろしくお願いいたします!
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