【対談】HSPの人が働きやすい環境を考える#06
HSPの人は、繊細で敏感な気質を持つと言われます。(正確には、良くも悪くも環境の影響を受けやすい気質のことを指します。)
HSPコミュニティの活動を積極的にされているばっしーさんと、「HSPと働く環境」をテーマとしたTwitterのスペースの第6回を開催し、HSPの方々に参加いただき、色々なご意見をいただきました。
今回の記事では、大事だと思ったポイントについて、さらに深く考察していきたいと思います。
スペースでの対話を通じて学んだこと
(1)会社の中で相談する力
私自身の経験も踏まえてですが、日々働いていて思うのは、「悩みを一人で抱えすぎない」ということが何よりも大事だということです。
ただ、itsukoさんの仰るとおり、相手を気にしすぎると悩みを言えなくなってしまうし、逆に相手を気にせずに悩みを言いすぎてしまうと面倒な人だと思われるんですよね。
このバランスはとても難しいと思っているのですが、恐らく、自分をHSPだと自認している人は、「相手の事情を気にしすぎて悩みが言えない」というほうに偏っている人が多いと推察します。
なので、『些細な悩みも思い切り伝えてみる』ということを意識してみると、うまくいく人のほうが多いのではないかと私は考えています。
あと、誰からどう思われようと、悩みを一人で抱えて孤立するよりはマシじゃないかと個人的には思っています。
そして、相談する側としても「相談する力」は必要ですが、相談を受ける側の雰囲気もすごく大事だと思っています。
だって、明らかに相談しづらい雰囲気があるのに、「相談しないのが悪い!」と言われても腑に落ちませんよね。
以前、私はTwitterでこんなツイートをしました。
「質問するのを恐れるな」って偉い人たちは言うけど、私はそういう環境を作る側に責任があると思う。
職場で質問したときに、忙しいフリして嫌そうな態度で聞くベテランの人が多ければ、質問するのが怖くなるのは当たり前だよね?
それを、質問する側の責任にするのは、ズルいと思う。
— ぽん乃助@繊細な人の働き方戦略家 (@suke_of_pon) December 20, 2021
組織的に忙しすぎる会社は物理的に相談しづらくなるのは当たり前なので、会社としても、仕事を徹底的に効率化していく意識が必要だと思います。
また、相談を受けるベテランの立場の人もしっかり聞く姿勢を持たないと、組織の中で悩みを一人で抱える人が増えてしまうと思います。
なので、相談する側もしかり、相談を受ける側も大事なんじゃないかな…と、私は思います。
実は、「雑談のある雰囲気」というのは、「悩みが話しやすい雰囲気」にも通ずる気がします。
普通の会話の中で、何気なく悩みも話せるというのが、お互いにとって荷が重くないと思うんです。
私は、相談する側だけが気を遣わなければいけないということが違和感に感じており、相談する側・相談を受ける側が双方で考える必要があるのではないかと考えています。
(2)何かを忘れられる時間の大切さ
私も『何かを忘れられる時間』というのは、とても大切だと思うんですね。
Twitterでは「映画やゲームはストレスが溜まるという研究が出てるからやめた方がいい」とか、色んな意見を散見します。
これに限らず、最近は「○○の研究では〜」みたいな話をよく聞きますが、実際に研究に携わったことがある人ならわかると思うんですが、たった一つの研究ごときで、個々人の最適なライフスタイルは規定できないと思っています。
個人差もありますし、「習慣としてよくない」と言われることであっても、別の側面で研究してみたら、「良い効果があった」みたいな話も山ほどあります。
その意味でも、他人に迷惑をかけない範囲なのであれば、『何かを忘れられる時間』を必要とする人は多いんじゃないかと思います。
一方で、ゆきまるさんのこうしたお話を聞くと、頭から悩みが離れないことがあれば、距離を置くべきこともあると思っています。
SNSは気軽に趣味などが合う人とつながれるという意味では面白いですが、それが四六時中悩みにつながるのであれば、好ましいことではないと考えます。
これはSNSに限らず、趣味が趣味の範囲にとどまらずに悩みの種になってしまうのであれば、「程よく趣味と付き合う」という言葉に尽きるのではないかと思います。
なので、『何かを忘れられる時間』も大事ですが、それ自体が悩みの種になってしまうのであれば、少し距離を置くということも必要だと考えます。
(3)義務的な配慮
「この人には気を遣わないといけない」と思って配慮すると、おそらく、無意識的に顔がひきつる人が多いのではないかと思います。
そして、「無理に気を遣われているなぁ…」とか、「なんとなく避けられているなぁ…」と思うと、孤立感が強くなってしまうんですよね。
「どんな人であっても平等に接しよう」と言われることが多いですが、誰しもがバイアスを持っている中で、現実的ではないと思っています。
私は以前、Twitterでこんなツイートをしました。
「相手のことが分かってる」ではなくて、「相手のことが分かってる気になってる」が、世の中には溢れてる。
どこまでいっても相手のことをすべて分かるのは難しいけど、『分かろうとする姿勢』が、大事なんじゃないかと思う。
— ぽん乃助@繊細な人の働き方戦略家 (@suke_of_pon) March 29, 2022
この世の中では、分からないことを素直に認めずに、分かったふりして完全否定することが溢れています。
でも、多分、相手のことを100%わかることは難しいと思うし、だからこそ分からないことは素直に認めて、『分かろうとする姿勢』を貫くことが、人と接する上で大事なんじゃないかと思います。
それこそが、義務的な配慮を脱するための鍵であり、多様性の受容が求められるこの社会で、欠如していることなのではないかと私は思います。
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おわりに
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか。
今回は、ばっしーさんと一緒に開催した、「HSPと働く環境」をテーマとした6回目のTwitterのスペースを踏まえて、記事にまとめました。
お話しいただいた方々・お聞きになっていただいた方々、貴重なお時間を割いていただき、本当にありがとうございました。少しでも、参考になることがあれば、大変幸いです。
今後も月1回程度の頻度で、ばっしーさんとスペースをやっていく予定ですが、次回は4月23日(土)19:30〜、YouTubeライブでばっしーさんと、これまでの振り返りを行う予定です。
ぜひ、ご覧になっていただければと思います!
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